FileMakerでメールを送信する機能を実装したいと思ったら、まずは、「メールを送信」を活用すると思います。
また、いつもはsendgridやblastengineなどのAPIでメール送信を実装していても、何かしらの障害対応用にサブ経路としてSMTPメール送信を実装しているところもあるかもしれません。
「メールを送信」スクリプトステップを実装する際に、是非ともチェックしておいていただきたいところを、今回は記事にしました。
まずはおさらい
「メールを送信」スクリプトステップには、3つの送信経由でメールを送信できます。
(1) メールクライアントから送信
自身のPCに入っているメーラーから(OutlookとかMacのMailとか)送信する方法です。
すでにPCでメール送受信の設定がされているので、FileMakerでは特に設定する情報はありません。
一番よく実装する方法ではないでしょうか?
(2) SMTPサーバーから送信
SMTPサーバーから送信する場合は、ドメインから提供されているSMTPサーバーの情報を設定して送信する方法です。
自身のPCのメールクライアントに左右されずに送信できるので、こちらの方法もよく実装されますね。
(3) OAuth2.0から送信
OAuth2.0から送信する場合は、OAuth2.0の情報が必要です。
現時点では、GoogleとMicrosoftに対応しています。
Google CloudとMicrosoft Azureの管理画面、それとFileMaker Serverのコンソールでのサービスアカウントの設定が必要になるので、システム管理者などが設定した情報をOAuth2.0情報としてスクリプトステップに設定します。
メールを送信する時の落とし穴とは?
これはFileMaker特有かもしれません。
「メールを送信」スクリプトステップの宛先やCC,BCCにあるチェックボックス、「対象レコードでアドレスを収集」を見てください。
場合によっては全然関係ない人にメールを送ってしまう!
ここにチェックが入っている場合、全然関係ない人にメールを送ってしまう「かも」しれないんです。
インシデントですねー。
個人情報保護法からの観点からは、一瞬息が止まってしまうかもしれないですねー。
ちなみに、宛先、cc,bccにメールアドレスを指定する場合は、対象外です。
落とし穴に落ちる前提条件が2つあります。
1.「作成:」で「現在のレコードからのデータを使用する1つの電子メール」を指定している
2.メールアドレスを指定する際に、「フィールド名の指定」「計算式の指定」を使って指定している
上記前提条件に当てはまる場合は、以下の原因を読んでコードチェックしましょう!
では、なぜそんなことが起こってしまうのでしょうか?
3つほど、原因を考えてみました。
1.対象レコードとして絞り込んでいない
メールを送信するスクリプトステップを実行するとき、本来メールを送りたい人たちのレコードを検索などで絞り込んでいなかったり、絞り込みが甘い時、あらぬ人にメールが送られてしまいます。
2.もう送信する必要のない人のメールアドレスがフィールドに指定されていた
送信対象のレコードではあるものの、メールを送らなくてもいい人のメールアドレスがフィールドに指定されているかも知れません。
3.うっかりチェックボックスにチェックを入れてしまった
フィールド指定でメールアドレスを指定したり、計算してメールアドレスを指定したとしても、「うっかり」チェックボックスにチェックを入れてしまい、気づかずに運用してしまう可能性もゼロではありません。
どの送信経路でもありえます!
上記原因は、どの送信経路を指定してもありえます。
デバッガで一つ一つ動かしてテストをしたとしても、「メールを送信」スクリプトステップは1行なので、一瞬で間違った宛先に送信してしまう可能性があるので、テストする前のコードチェックが重要になります。
手軽に利用できる「メールを送信」スクリプトステップ、落とし穴に十分注意しながら安全にメール送信をしてくださいね!