メンタルモデルとは
- メンタルモデルは、「ユーザーが安定的に連続して取る行動のモデル」
- 行動をタスクとし、そのタスクを完遂するためにプロダクトには何が必要で何が不要なのかのギャップを分析すること
- 大きくはビジネスチャンスを見い出すためのモノサシとなる
使うもの
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メンタルモデルダイアグラム
- 行動の親和図をタワーのように並べたもの
- タワーの下に該当しそうな機能などをならべる。 => ギャップ分析という
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ユーザーインタビュー
- メンタルモデルダイアグラムで分析できたセグメントユーザーにインタビューを行う
流れ
1. 社内で予測できるペルソナの設計=> セグメントの決定
セグメントはマーケティングセグメントのように同じ趣向や年齢層などのセグメントではなく、タスク(=行動)別にセグメントする
2. 機能の割当
1で完成したメンタルモデルダイアグラムのタワーグループに現在の機能を書き出す
3. セグメントユーザーにインタビュー
同じセグメントでも数回、できれば一つのセグメント/1日とし、その都度セグメントを分析する
4. メンタルモデルダイアグラムの再設計
1-2の流れを改めて行う
5. ギャップ分析
予測したメンタルモデルダイアグラムと実際のメンタルモデルダイアグラムのギャップから必要な機能やコンテンツ・不要な機能やコンテンツ、今はないが必要であろう機能やコンテンツは何かを分析する
*ペルソナとは
"ユーザーの行動パターンを調べ、そのデータを統合して作り上げたユーザーを代表する仮想の人物のこと"
ユーザー像とユーザーの行動・動機を想像してみる
1. 今回の場合、ユーザーがサービスやプロダクトを使うときに何をするかを書き出します。例えば、付箋やホワイトボードなどに。
2. 行動(以降タスク)は「名詞+動詞」で書き出す
- 例:シェアされた記事を見る, Twitterにコメントつけてツイートする…etc
- 時間は1時間と決めて書き出す
- 各員の手が止まった際は既にでているタスクを一つあげて深堀してみる
3. ざっくりとした人物を考えてみる
- タスクを書き出す際に想像できた人物像を書き出す
- 年齢や性別ではなく、技術オタクや友達から教えられてくる人などのような表現にする
4. タスクをグループ化する
- タスクのグループ化は2で書き出したタスクと3でつくった人物の関連性をチェック。
- 「×」の多いものをグループ化していく
5. グループに名前をつける
- 参考図では「街乗りポタリング」「生活のために乗る人」「通勤・通学だけ」がまずグルーピングできそうです。例えばこれに「スローライダー」と名前をつけます。
- このようにグループにイメージしやすい名前をつけていき、いくつかのセグメントをつくります。
プロトペルソナの作成
前章であらい出したセグメントから調査スコープを決定し、それに近いユーザーのペルソナを設計します。
おおよそ4〜5人。ペルソナシートを用意し以下内容を想定でうめていきます。
- 年齢層・性別(C/T/F1-3/M1-3)
- 見えてくる職種
- 生活圏(海外・国内/首都圏・主要都市/都市圏/地方など)
- ユーザーの目的(ゴール)
- ユーザーが不満に思うもの・要望
インタビュー、そして再度メンタルモデルダイアグラムの作成へ
この後の工程は次の通りになります。
現在某プロジェクトで実際に試しているのでそのレポートもふまえて次回まとめたものを書く予定です。
- 前章であらい出したセグメント(プロトペルソナ)に近いユーザー・潜在的なユーザーへのインタビュー
- 発話録からユーザーの深層心理を分析・タスクの検証を行う
- メンタルモデルダイアグラムの作成
- プロダクトやプロジェクトとユーザーの実際のタスクとのギャップを分析
- 必要・不要な機能や要件のあらい出し、ペルソナの見直しなど
所感
今回某プロジェクトで実際にこのメンタルモデルの初期ブレインストーミングを行いました。
結果、書籍や権威などの話を見るとセグメントが決まった時点ですぐにインタビューを行うような工程でしたが、プロジェクトによってはこのブレインストーミングからセグメントのあらい出しまでは数回、もしくはセグメントが幅広い場合はいくつかに分けて行う方がよりセグメントのタスクなどがまとめやすいように感じました。
また、1日時間をとれる場合はよいですが、チームメンバーのスケジュールなどを考慮すると数回にわたって行う方がメンバー間で整理もできて意見が出やすい環境が生まれるように感じました。
なお、デザイナーだけでこのメンタルモデルに関するブレインストーミングを行うのはあまりよくないとも感じました。
デザイナーは非ビジネス視点でどうしてもモノを見るところがあるため、いい意味でユーザーに寄りすぎるところがあります。
マーケティングチームと協業することで、ビジネス的にもユーザーの行動がいかに分析するにたる重要なものか共有することもでき、単なる理想論で終わらないように思います。
可能なら早いうちからマーケティングチームも参加してもらう事が重要に思いました。