はじめに
この記事では今まで自分がPythonを勉強してきて、基本的なところながら便利だなあと思った書き方についてまとめてみます。
ターゲットとして**「最近Pythonの勉強を始めた」**くらいの方を想定しています。
f記法
Python3.6以降では、f"{変数名}"
とすることで、変数が展開されます。
>>> fruit = "apple"
>>> drink = "coffee"
>>> print("I like " + fruit + " and " + drink + " very much.")
I like apple and coffee very much.
>>> print("I like {fruit} and {drink} very much.".format(fruit=fruit, drink=drink))
I like apple and coffee very much.
# f記法を使うことで、直感的かつ簡単に記述することができます。
>>> print(f"I like {fruit} and {drink} very much.")
I like apple and coffee very much.
数式関連
数式を書いていると、横に長くなってしまい視認性が悪くなってしまうことがあります。
このような時は \
を使うことで、複数行に渡ってひとつの数式を記述することができます。
>>> a = 1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10
>>> a
55
>>> a = 1 + 2 + 3 + 4 + 5 \ # 末尾に\をつける
... + 6 + 7 + 8 + 9 + 10
>>> a
55
2018/07/18 追記
@shiracamus さんから()
を使う方法をコメントでいただいたため、追記しました。()
の中は改行・インデントルールが無視できるため、こちらの方が使い勝手が良さそうです。
>>> a = (1 + 2 + 3 + 4 + 5 +
... 6 + 7 + 8 + 9 + 10)
...
>>> a
55
文字列関連
同じ文字(列)を繰り返し
>>> a = "a" * 10
>>> a
'aaaaaaaaaa' # "a"を10個連結した文字列になる
>>> line = "-" * 50
>>> line
'--------------------------------------------------' # 区切り線なんかもこんな感じで作れる
末尾から取り出す
>>> str = "abcde"
>>> str[-1] # 末尾から1文字取り出す
'e'
逆順にする
>>> str = "abcde"
>>> str[::-1] # 文字を逆順にする
'edcba'
末尾、逆順についてはリストについても同じことができます。
2018/07/18 追記
リストの繰り返しについても @Mco7777 さんからコメントをいただきました。少し応用的な内容になってしまいますが、ぜひご参照ください。
リストについても
>>> a = [1] * 5
>>> a
[1, 1, 1, 1, 1]
このように繰り返しを使うことができます。ただしここでは、すべての要素が同一のidを持つことに注意してください。
>>> for i in a:
... print(id(i))
...
4407293264
4407293264
4407293264
4407293264
4407293264
immutableなオブジェクト(文字列や数値など)を繰り返すときには基本的には気にする必要はありませんが、mutableなオブジェクト(リストなど)を繰り返す時には注意が必要です。
>>> a = [[]] * 5
>>> a
[[], [], [], [], []]
>>> for i in a:
... print(id(i))
...
4415217608
4415217608
4415217608
4415217608
4415217608
# このように、すべての空リストが同一のidを持っている
>>> a[0].append(1)
>>> a
[[1], [1], [1], [1], [1]] # すべてのリストに1が追加されてしまう
このような状況は、のちにも説明がありますが内包表記を使うことで回避できます。
>>> a = [[] for _ in range(5)]
>>> a
[[], [], [], [], []]
>>> for i in a:
... print(id(i))
...
4415222216
4415217352
4415217224
4415217032
4415217288
# すべての空のリストが各々別のidを持っている
>>> a[0].append(1)
>>> a
[[1], [], [], [], []]
リスト関連
リストの要素自身をfor文で回す
>>> fruits = ["apple", "orange", "banana", "peach", "melon"]
>>> for i in range(len(fruits)):
... print(fruits[i])
...
apple
orange
banana
peach
melon
これはインデックスを使った書き方ですが、Pythonでは
>>> fruits = ["apple", "orange", "banana", "peach", "melon"]
>>> for fruit in fruits: # fruitsの要素自体をfor文で回す
... print(fruit)
...
apple
orange
banana
peach
melon
のように書くことができます。
インデックス付きで回す
enumerate
を使用します。1つ目の変数がインデックスになることに注意してください。
>>> for i, fruit in enumerate(fruits):
... print(i, fruit)
...
0 apple
1 orange
2 banana
3 peach
4 melon
リスト内包表記
>>> a = []
>>> for i in range(10):
... a.append(i * 2)
...
>>> a
[0, 2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18]
これは、以下のようにリスト内包表記を使用することで1行で記述することができます。
>>> a = [i * 2 for i in range(10)]
>>> a
[0, 2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18]
辞書関連
valueの値で辞書をソートする
自分は辞書を扱っているとvalue
でソートしたい場面によく出くわしました。
ですが通常、辞書に対して単純にソートを行うとkey
でソートされます。
>>> d = {"a": 1, "d": 3, "e": 4, "c": 2, "b": 5}
>>> dict(sorted(d.items()))
{'a': 1, 'b': 5, 'c': 2, 'd': 3, 'e': 4} # key がアルファベットの昇順にソートされた
ここで、lambda
を用いた次のような書き方をすることで、value
の値で辞書をソートすることができます。
>>> d = {"a": 1, "d": 3, "e": 4, "c": 2, "b": 5}
>>> dict(sorted(d.items(), key=lambda x: x[1]))
{'a': 1, 'c': 2, 'd': 3, 'e': 4, 'b': 5} # value が数値の昇順にソートされた
また、reverse=True
を指定することで、降順に並べることもできます。
>>> d = {"a": 1, "d": 3, "e": 4, "c": 2, "b": 5}
>>> dict(sorted(d.items(), key=lambda x: x[1], reverse=True))
{'b': 5, 'e': 4, 'd': 3, 'c': 2, 'a': 1} # value が数値の降順にソートされた
ちなみにここでは、要素としてタプルを持っているリストは一発で辞書型に変換することができるという性質も利用しています。
>>> a = [('a', 1), ('b', 5), ('c', 2), ('d', 3), ('e', 4)]
>>> b = dict(a) # dict型にキャストする
>>> b
{'a': 1, 'b': 5, 'c': 2, 'd': 3, 'e': 4}
辞書内包表記
辞書においても、リストと同様に内包表記を使用することができます。
>>> fruits = ["apple", "orange", "banana", "beach", "melon"]
>>> a = {}
>>> for i, fruit in enumerate(fruits):
... a[fruit] = i
...
>>> a
{'apple': 0, 'banana': 1, 'beach': 2, 'orange': 3, 'melon': 4}
これを
>>> fruits = ["apple", "orange", "banana", "beach", "melon"]
>>> {fruit: i for i, fruit in enumerate(fruits)}
{'apple': 0, 'banana': 1, 'beach': 2, 'orange': 3, 'melon': 4}
のように書くことができます。
2018/7/18 追記
ソートした辞書をそれ以降も使用したい場合にはOrderedDict
を使用します。Pythonのdict型は順序を保存しないため、使用するたびに毎回ソートしなければならなくなってしまいます。(@Hoge42 さんコメントありがとうございました!)
>>> from collections import OrderedDict
>>> d = {"a": 1, "d": 3, "e": 4, "c": 2, "b": 5}
>>> OrderedDict(sorted(d.items()))
OrderedDict([('a', 1), ('b', 5), ('c', 2), ('d', 3), ('e', 4)])
# OrderdDictを使用することで、順序が保存され今後ソートし直さなければならなくなるといったような状況を回避できます
ちなみに、Python3.7からはdict型でも順序が保存されるようになるらしいです、便利。
おわりに
以上になります。本記事ではこのように基本的でありながら、知っていると便利なことをいくつかまとめてみました。
もちろんこれで全てを網羅できているということはありませんが、本記事が少しでもこれからPythonを勉強していく方々の参考になると幸いです。
ここまで読んでいただきどうもありがとうございました!