はじめに
データ分析をする際に、平均値を求めるというのはよくあると思います。
単純に平均を求めれば良い場合と、重みを付けて平均を求めたい場合があります。
重みを付けた平均(加重平均)をOracle Analytics Cloud(OAC)で計算するやり方を紹介します。
データ
準備したExcel形式のデータです。
商品 | 価格 | 数量 |
---|---|---|
シュークリーム | 320 | 24 |
ショートケーキ | 630 | 20 |
チーズケーキ | 560 | 16 |
プリン | 240 | 36 |
モンブラン | 720 | 8 |
これをデータセットとしてOACに取り込みます。
「価格」列に関しては、処理形式をメジャー、データ型を数値、デフォルトの集計方法を平均とします。
「数量」列はデフォルトのままです。
算術平均
作成したデータセットで新しいワークブックを作ります。
「価格」をキャンバスにドラッグ&ドロップします。
タイルビジュアライゼーションが自動的に作成され、「494」円と表示されました。
これは、「価格」のデフォルトの集計方法が平均であったため、取り扱い商品の価格の平均が算出されたものとなります。
加重平均
商品により売れ行きが違うので、それを加味して平均を求めたいと思います。
まず、次の値を合計します。
- シュークリームの価格 X シュークリームの売れた数
- ショートケーキの価格 X ショートケーキの売れた数
- チーズケーキの価格 X チーズケーキの売れた数
- プリンの価格 X プリンの売れた数
- モンブランの価格 X モンブランの売れた数
次に、これをすべての商品の売れた数で割り算します。
OACの式で表現します。
「マイ計算」を右クリックし「計算の作成」をクリックします。
式の名前を「加重平均」とします。
式として
SUM()
と入力し、カッコの内側に「Agg」と入力します。
途中まで入力すると、候補がいくつか表示されるので「Aggregate By」をクリックします。
メジャーをクリックすると、メジャー列が候補として表示されるので「価格」をクリックします。
ディメンションをクリックして、候補から「商品」をクリックします。
掛け算を定義するために * を入力し、続けて Aと入力します。
候補が表示されるので、「Aggregate By」をクリックします。
先ほどと同様の手順で メジャー を数量、ディメンションを商品とします。
これで、各商品ごとに価格と数量を掛け算したものを合計する、という定義ができました。
これを数量で割り算します。
/を入力したあと、「数量」列をドラッグ&ドロップします。
式に間違いがないかどうかを「検証」をクリックして確認したあと、「保存」します。
少し見栄えを整えて完成です。
販売数を考慮した加重平均は商品単価の算術平均よりも低くなりました。
このお店は、比較的単価の低いシュークリームやプリンが売れ筋なのがよくわかります。