はじめに
Oracle Analytics Cloud(OAC)の2023年3月版で、Oracle Autonomous Data Warehouse(ADW)のAutoML機能をOACから直接実行して機械学習モデルを作成し、それをOACから利用できるように登録してくれる新機能が登場しました。
別の記事では、ADWの機械学習とOACの連携をについて書きましたが、さらに簡単にADWの機械学習モデルを利用できるようになりました。
1. ADWにデータの準備をする
Oracle Analytics Cloud:ADWの機械学習モデルを使用する と同様にADWのチュートリアルに従って、「2. Database Actionsでデータロード」まで実行します。
(もちろん、最後まで試してもOKです!)
107: ADBの付属ツールで機械学習(予測モデルからデプロイまで)
機械学習の教師データとテストデータは、こちらを使わせてもらいます。
2. 接続とデータセットを作成する
OACにログインします。
「作成」から「接続」をクリックします。

接続先として「Oracle Autonomous Data Warehouse」を選択します。

ADWへのデータ準備のステップで事前に作成しておいた「OML」ユーザに関する情報を入力します。

「作成」から「データセット」をクリックします。

作成した「接続」を選択します。

スキーマを展開し「OML」を展開して「TRAIN」表をドラッグ&ドロップします。

データセットに名前をつけて保存します。

これが機械学習モデルを作成する際の教師データとなります。
3. ADWのAutoMLで機械学習モデルを作成
ホーム画面に戻り、「作成」から「データフロー」をクリックします。

今作ったばかりのデータセットが表示されるので、それを選択して「追加」をクリックします。

ステップの追加(+)をクリックして、「AutoML」を選択します。

データセットの接続先がADWの場合だけ、AutoMLステップが追加できます。
「Target」として「SURVIVED」列を選択します。
「Task Type」は「Classification」にして、「Model Ranking Metric」は「Accuracy」にします。

「モデルの保存」ステップでは、モデル名を「TITANIC_PREDICT」にします。説明は任意です。

モデルに名前をつけて保存します。

データフローを実行して、しばらく待ちます。

完了したのを確認して、ナビゲータアイコンを」クリックし「機械学習」を確認します。
「TITANIC_PREDICT」という機械学習モデルがADWに作成され、OACに自動的に登録されているのがわかります。
右クリックして、「検査」を選択します。

モデルの情報を確認できます。「閉じる」で閉じます。

4. 登録した機械学習モデルで予測
テストデータに対して、作成した機械学習モデルを適用してみます。
テストデータをデータセットとして登録するので、ホーム画面に戻り「作成」から「データセット」を選択します。

「TEST」表をドラッグ&ドロップで選択し、保存します。

TRAIN表とは、SERVICED列が無いだけで、その他の構造は同じです。

ふたたびデータフローを作成します。

「TEST」データセットを選択して「追加」をクリックします。

+をクリックしてステップを追加します。「モデルの適用」を選択します。

自動的に登録された機械学習モデルを選択します。

「列の追加」ステップを追加します。
計算式として「1」と入力し、列の名前は「人数」とします。

最後のステップとして「データの保存」を追加します。

名前をつけて保存し、データフローを実行します。

5. 予測した結果を確認してみる
データフローで保存したデータセットが「データセット」で確認できます。

クリックして、ワークブックとして開いてみます。
さらに、様々な可視化表現を加えてみました。

おわりに
事前準備として、ADWにユーザを作ったりデータをロードしたりしましたが、それ以外の作業が全部OAC内で完結できました。
ADWでの予測モデル作成やノートブックの操作も十分簡単ですが、さらにハードルが下がったように思います。