はじめに
会社の資格取得支援制度に「HCD基礎検定」を発見しました。「HCD専門家/スペシャリスト」は過去一緒に働いてきたデザイナーの方々が取得されていたので認知していましたが、基礎検定なるものがあったとは。2023年3月に第1回の試験があったようなので最近できたものなんですね。HCD、UX、サービスデザインなどの理解と実践が「点」の状態だと自覚していたので、体系的な理解のきっかけに受験してみようと考えました。
HCD(Human Centered Design / 人間中心デザイン)とは
HCDの定義
⼈間中⼼デザイン(HCD)とは、モノ・コトに対して、「利⽤者視点」と「共創」によって新しい価値を⽣み出すことであり、「問題の設定(発⾒) 」と「解決策の探求(創造) 」と「繰り返すこと」を中核とした「メソッド(プロセス+⼿法) 」と「マインドセット(⼼構え・捉え⽅) 」のことである
HCD基礎検定とは
「人間中心デザイン(HCD)基礎知識体系」をベースとした検定試験制度です。
HCD 基礎検定は、HCDの専門家やUI/UXデザイナーと効果的・効率的に協業・共創を進めたい人や、自らの業務に人間中心デザインの考え方と知識を活かしたい人のために、HCDとは何かを理解し自分にとっての必要性、取り組む意義を理解する学びと気づきの場でもあります。
現在、いろいろな企業や団体でHCD専門家やUXデザイナーらが活躍されています。専門家は実務経験を通したコンピタンスの獲得をもとに認定されます。一方で、HCD基礎検定は、HCD実践のベースとなる基礎知識やマインドの獲得で認定されます。
HCDに関する共通言語、マインドがあることにより、顧客理解など実践の場における専門家やデザイナーとの協業、共創がより効果的、効率的になります。
デザイナーに限らず、プロダクトチームの全員が持っているべき知識とマインドといえそうです。
検定概要
実施日:年3回
受験料:一般 15,000円 学生 8,000円(税込み:事前学習システム利用料を含む)
実施形式:選択問題50問 50分(単一選択式) PCからの一斉オンライン受験
出題範囲 :「人間中心デザインの基礎知識体系」をベースにした、HCDの理念/マインド、共通言語、手法/プロセスに関する知識と人間工学、認知工学などの人間の特性に関わる基礎知識
事前学習:HCD基礎検定事前学習システム(オンライン)で、テキスト、映像教材による事前学習ができます
※受験時(2024年8月)の情報
※学習素材は受験日の2週間前に送られてくる
※合格ラインは非開示
※資格に有効期限なし
勉強方法
情報が少なくて困りました(笑)
受験するからには合格したいのですが、過去問や模試があるわけではなく問題例として3問が公開されているのみでした。
受験の目的に立ち返り、体系的な理解のきっかけになればいいや、と自己整理し以下の流れで学習しました。学習時間は13時間程度です。
- 提供されたテキストと映像教材をみる
- YouTubeの人間中心設計基本講座をみる
- 1,2で出てきた内容で理解を深めたい部分(事例など)を調べる
- 過去に使ったことのある関連プラクティス(インタビュー、ペルソナ、CJM、SBP、UXの5段階モデル、ダブルダイヤモンドetc..)を思い出し、腹落ちさせる
※学習教材として書籍「人間中心設計 入門」が推奨されていますが、私は読みませんでした。。。
結果と感想
9割獲得で合格でした。
以下感想などコメント(もちろん個人の感想です)
- 試験内容は、細かい用語の暗記やHowよりも、WhyやWhatを問うものが浅く広く出題されていた
- 難易度は易しめと感じた。UXやサービスデザインなどに携わったことがあれば、勉強せずとも解答できそうな問題も多い
- ただし提供されるテキストや映像教材では触れられていないことも出題された(推奨書籍でカバーされているのだろうか?)
- アジャイルなプロダクトチームにとって、ロール関係なくおさえておきたいことだと改めて感じた(少なくとも価値探索が必要なフェーズでは)
- 体系的に学習できるので、基本的なことを理解している人でも一度目を通してもよいと思った
出典