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映像伝送業界について紹介してみる

Last updated at Posted at 2023-12-05

NTTテクノクロス松丸です。

 入社9年目の社員となります。

 およそ6年ほど高解像度映像の低遅延伝送がメインの業務に携わらせて頂いています。
今回はそれに関連して映像伝送業界について少しご紹介出来たらなと思います。

はじめに

 私が関わった映像伝送業界のイメージとしては、主にライブ放送やスポーツの中継、またはテレビ放送といった映像コンテンツに関連して技術発展していった業界というイメージを持っています。
 発展内容については規格の変遷や様々な方面での技術革新があるのですが、根底にあるのは「高速」に「大容量」のコンテンツをいかに「低コスト」で伝送するかということを追求してきた結果色々生まれているという認識です。

 今回は、そんな映像伝送業界の最近の動向とこれからのイメージ、そして、映像伝送業界を理解する上で重要な二つのキーワード、について紹介します。

最近の映像伝送業界の動向

 映像伝送業界に私が配属された6年ほど前は、まだまだSDI(Serial Digital Interface)という同軸ケーブルを用いた伝送方式が現場で用いられることが多く、映像伝送をIPを用いて伝送することについては、まだまだ課題が多いという状況でした。

 しかし6年経った現在ではIP化の動きが活発化してきた印象があり、プライベートネットワーク環境でのIP化に関しては切り替えが結構進んでいるのではないかという認識です。

 幕張メッセにて開催されました音と映像と通信のプロフェッショナル展「INTERBEE」では、すでにIP映像伝送を前提とするソリューションが多く展示されていました。
Inter BEE 2023

 現状はSDIからIPへの切り替えがまだまだ行われている最中ですが、ここ最近はさらにIP化の流れの中でクラウドを活用するという潮流が出てきています。

 クラウドを活用した映像放送を海外ではLCP(Live Cloud Production)と呼びますが、上記の展示会ではまだ「クラウドを活用したIP伝送」というような呼び方をしていることが多かったように思います。
 もしも、この映像伝送のクラウド化が実現するようであれば、従来の方式に比べ、必要な機材の減少や、ネットワーク経由でのデータ伝送が可能になるためコストの削減が期待できます。
 海外ではすでに小規模なスポーツイベントやライブイベントに関してはLCPが活用されているようなのですが、まだ大規模なところはこれからといったところで、日本ではそもそも活用が進んでいないという認識です。今後は、海外での大規模なイベントでの活用や日本での活用の広がりが期待されます。

 このあたりが過去から現在といったところなのですが、今回はこの業界で理解する上で重要なキーワードとなる「SMPTE ST2110」と「SRT」の二つを簡単に紹介させていただきたいと思います。

この二つを比較すると主にSMPTE ST2110では広帯域が使用されるLAN環境で使用されるという特徴があり、SRTは逆に帯域の制限があるWAN環境で使用されるという特徴があります。

SMPTE ST 2110

 SMPTE ST 2110はSMPTEという組織が出している標準規格になります。
SMPTE

SMPTEは「Society of Motion Picture and Television Engineers 」(映画テレビ技術者協会)の略で映像や音声といったメディア情報の取り扱いに関する800 以上の技術標準と関連文書を発行している標準化団体です。

 SMPTE ST2110はIPネットワーク上でメディア情報を伝送する方式を規定していて、現状のIP映像伝送に関する製品は、このST2110に準拠して作られています。

 規格の内容について少しだけ話すとIPネットワークはデータを分割してパケットにして送信することを前提としていることから、ST2110では、そのIP上を伝送するパケットのカプセル化方式について規定されています。そのため現場の開発においては、上記ST2110に準拠した形で映像/音声データの分割やカプセル化といったデータ処理を行うようにプログラムしていくことになります。

SRT「Secure Reliable Transport」

 SRTは「SRT Alliance」という団体が出しているオープンソースの標準規格になります。
SRT Alliance

 SRTは、名称の通りSecure(安全)、Reliable(信頼性)、Transport(伝送)のIPネットワーク上でのメディア情報の伝送プロトコルになります。

 WAN環境はその特性から、遅延が大きくなってしまうことと、パケットロスが発生しやすい特徴があります。SRTプロトコルはこの両方に対して絶妙にバランスよく対処できるプロトコルになっており、このプロトコルを利用することで高品質かつ低遅延な伝送を実現することができます。

弊社サービス紹介「ストリームウェイズ」

 最後に紹介させてください。
弊社では高価な機材を使わずに映像の集配信を実現する「ストリームウェイズ」サービスを提供しております。

当サービスでは今回紹介したSRTにも対応しており、4K/2Kの画質を低遅延で伝送することができます。

当サービスについての詳細は以下のページより確認ができます。
https://www.ntt-tx.co.jp/products/streamways/

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