はじめに
このたび統計検定準1級に受かることができましたので記事を書いています。
この記事の目的
これから統計検定準1級を受験する方が試験対策を行いやすくすることを目的としています。
背景
その人の現状によって必要な対策/所要時間は変わると思います、それなので私のスペックを記載したいと思います。
【バックグラウンド】
- 理系大学院卒
- 化学専攻
- 学生時代に統計について学んだ経験はない
- 20代社会人
- データサイエンティストして勤務
【統計に関する知識】
- 統計検定2級を取得済
- 準1級取得の約1年前に取得
- 試験対策以前から機械学習に関して統計検定準1級程度の知識は取得済
- 機械学習を用いた開発を約3年経験のため
統計検定準一級対策の難しさ
出題範囲が広い
準1級は2級と比較して出題範囲がかなり広いです、そのためすべての試験範囲を網羅的に対策しようとすると相当の時間が必要になると思います。
対策
1.頻出箇所を重点的に対策する
https://mimikousi.com/statistical-certificate-pre1/
このブログではPBT方式の統計検定準1級における各単元の出題頻度がまとめられています。
こちらより出題頻度の観点から各単元は3種類に分けられると思います。
- 「重回帰」「時系列回帰」のようにほぼ毎試験に出題される「頻出単元」
- 「主成分分析」「ベイズ法」のように隔年程度で出題される「そこそこ出題単元」
- 「極限定理、漸近定理」「ノンパラメリック法」のようにほぼ出題されない「稀に出題単元」
この出題頻度はPBT方式のものですがCBT方式においても「稀に出題単元」はほぼ出題されないように感じました。一方で「そこそこ出題単元」に関してはPBT方式よりも出題される傾向にあると感じました。
ですので、
- 「頻出単元」「そこそこ出題単元」について重点的に対策を行う。
- 「稀に出題単元」については最低限の対策で行う。
という方針をお勧めします。
2.過去問/ワークブックの理解を目標に対策する。
各単元の目指すべき理解度について述べます。結論はCBT方式であっても目指すべき理解度は「過去問/ワークブックの理解」で問題ないと感じました。「過去問/ワークブックの理解」とは「問題を見たら解法が浮かぶレベル」程度を指しています。
自分の場合は2周(一部3周)をしましたがこの回数はその人次第かと思います。
【補足】
CBT方式では、PBT方式と出題傾向が異なるのではと思われている方もいるかもしれません。私が試験を受け、感じた点としては
- 「離散型分布」「連続型分布と標本分布」のような「基礎的な単元」は過去問/ワークブックどおりでなく、一捻りされた出題が目立つ
- 「マルコフ連鎖」「主成分分析」のような「応用的な単元」は過去問/ワークブックどおりの出題が目立つ
これは私の感覚なので定かではありませんが「応用的な単元」の方が出題パターンが限られるため、過去問/ワークブックと似た出題が目立ったのではと思いました。もし時間に余裕があるのならば「基礎的な単元」についてはより深い理解を目指しても良いかもしれません。
結論
- 過去の出題傾向を参考に、各単元の対策時間に強弱をつける。
- 各単元の目指すべき理解度は「過去問/ワークブックの理解」、余裕があれば基礎的な単元についてはより深い理解を目指した方が良いかもしれない。
参考
ワークブック/過去問以外に使用した書籍を紹介します。(試験対策以前に読んだ書籍を含みます)
参考書籍を探している人がいれば参考にしてください!
【参考になった】
- 入門統計解析
- 統計学入門 (基礎統計学1)
- はじめてのパターン認識
- データ解析のための統計モデリング入門――一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC (確率と情報の科学)
【いまいちだった】
- 多変量解析法入門 (ライブラリ新数学大系)
- 図解入門 よくわかる最新実験計画法の基本と仕組み[第2版]