はじめに
フロントエンドエンジニアとしてコードを書くのはもちろん、デザインのたたき台を作ることも少なくありません。Figmaでデザイン案や画面遷移図を作って、「こんな感じでどうですか?」と提案しても、「お!いいね!」と即OKが出ることは稀で……。(もっと提案力を磨きたい!と日々感じています)。「もしかして、私ってセンスがないのかな…」「想像力が足りないのかも…」なんて、ちょっとネガティブになることも正直あります。
そんな時、「そもそも、世の中のデザイナーさんって、どうやって考えて、どんなプロセスでデザインを検討して、クライアントを納得させているんだろう?」—そんな疑問が湧いてきた時に手に取ったのが、『デザインする力』という本でした。
この本は、単にデザインのテクニックやセンスを磨くことだけを扱っているわけではなく。どうすればクライアントを納得させられるデザインを作り上げられるのか、そのプロセスや考え方まで掘り下げて書かれています。フロントエンドエンジニアの私にとっても、デザインのモックアップ作成や提案をする際に、本当に役立つヒントがたくさん散りばめられていて、まさに目からウロコでした。
この記事は、『デザインする力』を読んで改めようと思った内容を備忘録として残す。
参考書籍
書籍タイトル:デザインする力
副題:「心を動かす」デザイナーの必須スキル24
出版日:2025/03/27(初版)
著者:株式会社コンセント
https://www.sbcr.jp/product/4815629311/
内容
要望を受けたらまず何をする?
- 目先の要望だけでなく広い視点で考える!
要望をそのままデザインするのではなく
その要望の潜在的な課題はどこにあるのか、目の前の要望にとらわれずにデザインを考える事が大事。
そこを深く考えず、デザインができた!とおもって提出すると「ん~、もっとこういう風に・・・」とか、追加で要望が来る事を軽減できるはず...
デザイン行き詰まったらどうする?
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頭だけじゃなくて、とにかく手を動かしてみる!
頭の中で考えてるだけだと、どうしてもイメージが固まり先に進なくなることも。思いついたことを試しに作ってみると、「あ、なんか違う」「もっとこうしたらどう?」みたいな感じで頭の中のイメージとのズレに気づけることもある。そこからまた一歩前に進める。
ただ、プログラムに関しては思考力を鍛えるために頭の中でプログラミングをするのもよかったりする。
(施行した結果、わからないなら手を動かす)
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余分な情報は捨る!
あれもこれもと詰め込みたくなりがち、表示すべき内容の優先順位をしっかりつけると、意外と無駄なものが見えてくる。「これって本当に必要かな?」って問いかけることで、スッキリしたデザインになることも。
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迷ったら、一度作業から離れてみるのもアリ!
「本当にこれでいいのかな…?」って堂々巡りに入ったら、一度思い切って手を止めて、その作業から離れてみるのもアリ。時間をおいてもう一度見てみると、新しい視点が見つかったり、良いアイデアがひらめいたりすることも。
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「わからない」を整理しよう!
「わからない」状態って、実は色々な要素が絡み合ってることが多く細かく紐解いていくのが大事で、固結びされたひもを少しずつ解いていくみたいに、分解して考えていけばいずれ前に進めるはずとの事。プログラムを書く時にもすごく役立つ考え方だなと感じました。
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「完璧にしてから見せる」は手放す!
ついつい完璧なものを見せたくて、一人で抱え込んでしまうこともあるがNG。いいとこ見せたいと思ってきれいに作りこんで持って行って玉砕。なんてことはよくある。特にチームでデザインを進める時は、途中のアイデアでも積極的にアウトプットして共有する方がより良いものが生まれる。
チームコミュニケーション
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ゴールの共有は重要!
「何を目指しているのか」「どんな依頼内容なのか」「どんなプロセスで進めるのか」、これをきちんと明記することが大切。「この部分だけ担当してほしい」とか、「ここまで見てほしい」とか、関わってほしい内容や範囲を明確にしておくと、後々のすれ違いがぐっと減る。
また、会議の場などでは「今何を決めるか」を設定するのも重要。
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チームの「モヤモヤ」を見逃さない!
プロジェクトを進めていると、「なんかモヤモヤするな…」っていう心配事や不満が溜まって、進行に支障が出る事も。そんな時は、その「モヤモヤ」を安心して吐き出せる場を設けて、その感情がどこから来ているのかを話し合うのも大事。 週一のミーティングとかで、こちらから最近どう?と聞く感じが良いのかな?
確かに、もやもやは解決せずとも共有できるだけでなんだか救われた気持ちになることもありますよね。
人材育成
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相手の個性やレベルに合わせた寄り添い方
人それぞれ、個性もレベルも違います。相手の個性や今のレベル感をしっかり把握して伝えよう!なかなか、相手に合わせて教えるのって難しいですよね。はるか昔の新人時代を思い出そう。(こういう時に日記とかつけていると当時の自分が何を悩んでたかわかるからよいかも?)
- 指導するうえで大事な事
- 相手の個性を潰さないようにする
- アドバイスに責任を持つ: 自分がしたアドバイスには、きちんと責任を持とう!アドバイスに自信が持てない時は、前もってデザインを共有してもらい準備を怠らないように。
「えっそんなこといったっけ?」とか口が裂けても言わないように気を付けよう...
先輩がやってくれたように教えましょう....ね...?
そのほか
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「5年日記」
もやもやしていることなど、客観的にかき出すことで改善策が見つかるかもしれないのはもちろん、言語化する訓練の場となるとの事。これはちょうど今年の初めからやりはじめていたので継続しよう。。(最近さぼりがち)
おわりに
デザイナさんの仕事って多義に渡っていて(会社によると思うけど)お客さんの要望確認・ヒアリング・デザイン作成提案、プログラマにデザインを伝えたりと、なんだかほとんどPMに近い役割な感じもしました。(大変)
クライアントに向けての提案の仕方などが書かれていましたが、社内のお偉いさんや上司に提案する時にも使えるヒントが多く書かれており、参考になりました。
プログラマの私も、たたき台を作成したりするときには完璧を目指さず
見える化を意識して、積極的にメンバーに共有しようと思いました。。(勉強になった)
本書は図解等もあり読みやすい構成となっていました。(さすがデザインの本!)
全部で24個の方法が掲載されていて、実際どうやったらよい良いかなどの例題もあったり非常にわかりやすかったです
興味のある方は手に取ってみてはいかがでしょうか。