LaravelのCollectionとArrayの違い – どちらを使うべきか？

Laravelでは、データを扱う際に Collection と Array の両方を使用できます。しかし、それぞれの特徴や利点が異なります。以下で詳細を比較し、適切な場面で使い分けましょう。

1. CollectionとArrayの違い

特徴	Collection (`Illuminate\Support\Collection`)	Array (`array`)
データ構造	オブジェクト (`object`)	配列 (`[]`)
便利なメソッド	✅ `map()`, `filter()`, `pluck()`, `each()` など	`array_map()`, `array_filter()`, `array_reduce()`など
イミュータブル	✅ 変更不可な場合あり	❌ 変更可能
JSONとの互換性	✅ `toJson()`	✅ `json_encode()`
Eloquentとの互換性	✅ `User::all()` で取得可	❌ 直接は不可

2. Collectionを使うべき場合

2.1. データを柔軟に操作したいとき

Collectionは多くの便利なメソッドを提供しており、データを簡単に操作できます。

$users = collect([
    ['name' => 'A', 'age' => 25],
    ['name' => 'B', 'age' => 30],
    ['name' => 'C', 'age' => 20],
]);

// 25歳以上のユーザーを取得
$filtered = $users->filter(fn($user) => $user['age'] > 25);
dd($filtered->all()); // [['name' => 'B', 'age' => 30]]

2.2. Eloquentモデルを扱うとき

EloquentはデフォルトでCollectionを返します。

$users = User::all(); // Collectionが返る
$names = $users->pluck('name'); // 名前のリストを取得

2.3. map, reduce, filter, sort などの処理を簡単にしたいとき

$numbers = collect([1, 2, 3, 4, 5]);

$squared = $numbers->map(fn($num) => $num * $num); // 各数値を2乗
dd($squared->all()); // [1, 4, 9, 16, 25]

3. Arrayを使うべき場合

3.1. 小規模データでシンプルな処理をしたいとき

特にデータの変換などが不要な場合、Arrayで十分です。

$users = [
    ['name' => 'Alice', 'age' => 25],
    ['name' => 'Bob', 'age' => 30],
];

foreach ($users as $user) {
    echo $user['name'] . "\n";
}

3.2. パフォーマンスを重視するとき

Collectionはオブジェクトのため、Arrayの方がメモリ消費が少なく、処理が速いことがあります。

3.3. APIレスポンスとしてデータを返すとき

Collectionの toJson() も使えますが、場合によってはArrayの方が扱いやすいことがあります。

$users = User::all()->toArray(); // Collection → Arrayに変換
return response()->json($users);

4. 結論

ケース	推奨するデータ型
データをフィルタリング・マッピング・ソートしたい	✅ Collection
シンプルなデータ処理（ループのみ）	✅ Array
Eloquentのデータを扱う	✅ Collection
JSONレスポンスを返す	✅ ArrayまたはCollection (`toJson()`)

👉 まとめ

データを柔軟に処理するなら → Collection
シンプルな処理やパフォーマンス重視なら → Array

以上。