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押すとボイスを再生するだけの「にとちんぼたん」作ってみた

Last updated at Posted at 2023-04-06

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にとちんぼたん

 ぼたん押すとボイス再生するだけのガチャポンのおもちゃありましたよね。あれ、一度は自分の好きな声を再生したいと思ったことは誰しも必ずあるでしょう。
 NT高の原というイベントが2023/3/26に開催されることを記念して、「にとちんぼたん」(略称:ちんぼ)を作りました。今回はちんぼ全てを語ろうと思います。

どうして「にとちん」なのか

 tueksは関東に住んでいるので奈良で開催されるNT高の原にはそんなに興味を示していなかった。だが、そんな中熱烈なアプローチを仕掛けてきたのは「にとちん」彼だった。
 にとちんという名前がまず面白い。無論ハンドルネームであるが、「にとちん」という言葉の人懐っこさがすごく気に入っていた。
 よく芸人が自分の芸名をかっこいい声で言う一芸があると思う(ex:麒麟です)。彼もまた自分のハンネを筆舌に尽くしがたい声色で「にとちんです。」と言う芸を持っている。それがなんとも面白く、聞いた人々の心を虜にするのだ。そうだ、これをいつでも聞けるようにしたい。あわよくば、さながら、DJの使うサンプラーのように連続でスイッチを押せば「にと・にと・にと・にと・にとちんです。」と言わせたい。そういえば自分がqiitaを始めたきっかけもサンプラー、シンセサイザー自作の備忘録だったっけ。
 とにかく、オーガナイザーにとちんに敬意を評して作った「ちんぼ」についてはみんなに伝えなくてはならないと思ったためここで共有する。

NT高の原での展示

DSC00078.JPG
 キャプション、ボードにも余念がない。かなり気合の入った展示であることが伺える。

触ってみようにとちんぼたん.PNG 
 にとちんぼたんのコンセプトはNTと言うイベントの象徴とも言える「技術の無駄使い」にある。自分の持っている技術をしょうもないことに全力で注ぐ、そこに狂気を感じてもらうのが NTの良いところだと思っている。過去に経験した美術展示や即売会での経験を基に、全力でにとちんボタンを展示した。にとちんボタンは皆さんに好評で、特に子供や女性は気になって押してくれる人が多かったように思う。ここで、ある女性とのやり取りを紹介しよう。

女性「これ、とてもスタイリッシュですね。なんですか?」
私「押してみてください」
ポチッ「にとちんです」
女性「???」
ポチッ「にとちんです」
女性「これなんて言ってるんですか?」
私「『にとちんです』」
ポチッ「にとちんです」
女性「あぁ!本当だ!にとちんって言ってる!」

 会場にいらした方々はボタンから発される音声を聞き取れず、私から「にとちん」と言っていることを説明し、答え合わせをすることで疑問が解消されて満足してしまいにとちんが誰なのかと言う点については誰も聞いてこなかった。これは新たな発見だ。ちなみに、にとちんボタンには4種類ありそれぞれ展示したが、うち2種類は中国からの基板発送が間に合わなかった場合の代替策の手組み+CNC刻印版である。それほどまでに開発はギリギリだった、間に合ってよかった。

にとちんぼたんの回路・基板・筐体

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 ちんぼ回路図。

 DFPlayerMINIを使用。非常に単純だが大きな落とし穴がある。D1の逆接続防止用ダイオード、どうせそんなに電流食わないだろうと0.2A定格品を使ったら音声が途切れてしまい3時間悩んだ。1A品を持っていなかったため基板ショートで対応。

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スクリーンショット 2023-04-06 20.36.06.png
 ちんぼアートワーク。基板や筐体は美しさにこだわりました。

 2ttinPとは「にとちんプレイヤー」と言う意味合いと、にとちんの別アカウントのIDだったりする。意味あっての2ttinPだ。フォント選びは非常に楽しい作業だが、力強さと親しみやすさを兼ね備えたフォントを選定した。にとちんらしさってやつである。

 懸命な読者の方々はこう思うはずだ。「電源はどうなっているの?」そう。ポータブル機器において最も難しいのが電源だ。なんとこのにとちんボタン、1にとちんごとに平気で数100mA食う。ボタン電池では全く手に負えず、かといって乾電池では大きすぎる。そこでなんとリチウムイオン電池採用に踏み切ることにした。充電式ボイス再生器はこれまでに存在しただろうか?少なくともこんなに単純なものにここまで全力を尽くしている人間は過去見たことがなかったので充電式にとちんぼたん開発に死力を尽くした。現在日本で個人が手に入れられる小容量リチウムイオン電池and充電回路はダイソーで売っているBluetoothイヤホンだった。ありがとうダイソー、愛してる。
 

にとちんぼたんを組み立てる

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 今回の重要な電源ダイソー製のハンズフリーイヤフォン。これを改造してバッテリーと充電部分のみ取り出す。
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 分解するとリチウムイオン電池とスピーカー、マイク、基板が見える。一番驚いたのがこの技適マークである。そう、基板本体で技適認証されているのだ!しかし、この後基板に手を加えていくため、ペアリングスイッチを取り除きBluetoothの電波が出ない状態に改造した。
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 芋虫みてえだな。
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 写真のように、リチウムイオン電池の±端子からエナメル線を生やし、両面テープを貼り付ける。ハンズフリーフォンへの改造はこれで終了。

 次に、基板側の改造と組み立てに入る。
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 よく見るとSW2のパターンカットがされている。間違えました。今回はスイッチに隠れて見えないからまだいいが、みすぼらしくて悲しくなるので気をつけよう。

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 リチウムイオン電池と基板を先に貼り付け、その後DFPlayerを載せる。ここでもピンピッチを間違えてフットプリントがずれているため中華製廉価版DFPlayerの鉄製品ヘッダを力づくで曲げなくてはならなかった。最悪である。

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 その他スイッチを実装。

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 裏面にはスピーカーを実装。これで基板編は終了である。

最後に、最もワクワクする筐体組み立て工程に入る。
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 写真のように大量の輪っかを重ねて筐体を作る。アクリルでかっこいい筐体を考えて、組み立てる時間は本当に楽しい。

 そして出来上がったちんぼがこちら。
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 2ttinPの刻印が美しい。

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 裏面からはDFPlayerが顔を覗かせる。また、スライドスイッチの長さが足りず、無理やり圧着端子をはめて伸ばしているのがなんともみすぼらしい。

終わりに

 最後まで読んでくれた皆様には感謝しかない。感謝の念を込めて、にとちんの声を聴いてもらおうと思う。電車の中でも、家の中でも、構わず聞いてほしい。ありがとうにとちん。うかんむりや。

あかん無理や!わいがにとちんや!

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