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[UE5]UEのC++、Blueprintの実行順番

Last updated at Posted at 2023-12-07

概要

この記事では、C++のコンストラクタ、BeginPlay、EndPlayと、BlueprintのBeginPlay、EndPlayがどのような順番で呼ばれているのかを、アクタを用いて検証します。

また、アクタ、パーシスタントレベル、サブレベルのBlueprintおける、各関数の実行順番も検証します。

結果だけご覧になりたい方は、こちらをご覧ください。

この記事の主な対象者

  • Unreal Engine初心者の方

前提知識

Unreal Engineでは、C++にデストラクタはありません。
またBlueprintには、コンストラクタとデストラクタはありません。(ただし、UMGにはコンストラクタとデストラクタがあります。)

アクタにおけるC++、Blueprintの実行順番

アクタにおけるC++、Bluepritnの実行順番を確認していくにあたって、最初に、筆者がC++で作成したクラスを親クラスに設定したアクタのBlueprintを作成しました。

parentclass.jpg

また、C++とBlueprintの各関数(C++のコンストラクタ、C++とBlueprintのBeginPlay、EndPlay)が呼び出されたときに、ゲームプレイ画面に下の形式でメッセージを表示するようにしました。

[C+ or BP] -> [関数名]

(C+ = C++、BP = Blueprint)

また、C++ の BeginPlay では Super::BeginPlay() の前と後にメッセージを表示する処理を書き、前だったら「C+ -> BeginPlay before Super」、後だったら「C+ -> BeginPlay after Super」と表示するようにしました。

EndPlayにおいても、同様のことを行いました。

アクタをスポーンした直後に、スポーンしたアクタをDestroyする処理を行うことで、各関数の実行順番を確認したところ、下図のように表示されていました。

beginendorder3.jpg

上図において、下に表示されている文字の方が早く実行されているので、C++とBlueprintの各関数(C++のコンストラクタ、C++とBlueprintのBeginPlay、EndPlay)の実行順番は、下記の順番であるということがわかりました。

  1. C++のコンストラクタ
  2. C++のBeginPlay(Super::BeginPlay()の前)
  3. BlueprintのBeginPlay
  4. C++のBeginPlay(Super::BeginPlay()の後)
  5. C++のEndPlay(Super::EndPlay()の前)
  6. BlueprintのEndPlay
  7. C++のEndPlay(Super::EndPlay()の後)

C++ の Super::[関数名] を呼ぶ際に、Blueprint の関数が呼ばれているということがわかったので、C++とBlueprintのBeginPlayやEndPlayで同じ変数を扱うときなどは、C++ における Supe::[関数名] を書く位置を意識するようにします。

アクタ、パーシスタントレベル、サブレベルの実行順

アクタ、パーシスタントレベル、サブレベルの各Blueprintにおける、BeginPlayとEndPlayの実行順番を確認していくにあたって、BeginPlayが実行された際は、ゲームプレイ画面にメッセージを出すようにしました。

EndPlayにおいては、レベルのEndPlayが呼ばれる際に、ゲームプレイ画面にメッセージを表示することはできないので、ログに残すようにしました。

[A or ML or SL] -> [関数名]

(A = アクタ、ML = パーシスタントレベル、SL = サブレベル)

また、アクタはパーシスタントレベルに配置しました。

ゲームプレイを開始し、各関数が呼ばれた順番を確認したところ、下図のように表示されていました。

actorlevelorder1.jpg

actorlevelorder2.jpg

上図のゲームプレイ画面のメッセージにおいては、下に表示されている文字の方が早く実行されており、下図のログにおいては、上に表示されている文字の方が早く実行されています。
そのため、アクタ、パーシスタントレベル、サブレベルの各Blueprintにおける、BeginPlayとEndPlayの実行順番は、下記の順番であるということがわかりました。

  1. アクタのBeginPlay
  2. パーシスタントレベルのBeginPlay
  3. サブレベルのBeginPlay
  4. サブレベルのEndPlay
  5. アクタのEndPlay
  6. パーシスタントレベルのEndPlay

BeginPlayは、パーシスタントレベル → サブレベルの順番で呼ばれるとともに、そのレベルに配置しているアクタのBeginPlay方がレベルのBeginPlayよりも早く呼ばれるということがわかりました。

またEndPlayは、サブレベル → パーシスタントレベルの順番で呼ばれるとともに、そのレベルに配置しているアクタのBeginPlay方がレベルのBeginPlayよりも早く呼ばれるということがわかりました。

検証結果まとめ

アクタにおけるC++、Blueprintの実行順番

  1. C++のコンストラクタ
  2. C++のBeginPlay(Super::BeginPlay()の前)
  3. BlueprintのBeginPlay
  4. C++のBeginPlay(Super::BeginPlay()の後)
  5. C++のEndPlay(Super::EndPlay()の前)
  6. BlueprintのEndPlay
  7. C++のEndPlay(Super::EndPlay()の後)

C++ の Super::[関数名] を呼ぶ際に、Blueprint の関数が呼ばれている

アクタ、パーシスタントレベル、サブレベルの実行順

アクタをパーシスタントレベルに配置した場合、

  1. アクタのBeginPlay
  2. パーシスタントレベルのBeginPlay
  3. サブレベルのBeginPlay
  4. サブレベルのEndPlay
  5. アクタのEndPlay
  6. パーシスタントレベルのEndPlay

BeginPlayは、パーシスタントレベル → サブレベルの順番で呼ばれるとともに、そのレベルに配置しているアクタのBeginPlay方がレベルのBeginPlayよりも早く呼ばれるということがわかりました。

またEndPlayは、サブレベル → パーシスタントレベルの順番で呼ばれるとともに、そのレベルに配置しているアクタのBeginPlay方がレベルのBeginPlayよりも早く呼ばれるということがわかりました。



以上で検証は終了となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

更新履歴

(2024年02月06日)C++ の Super::[関数名] のことを考慮した内容に修正

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