論文全体のチェック
必須項目
- 「ですます」調は使わず、「だ・である」調に統一した
- 誤字脱字・漢字変換ミスがないことを確認した
- 自分で声を出して読み、おかしな所がないことを確認した
- 句読点には「、。」(句点、読点)を使っていない.
- 句読点は「,.」(カンマ、ピリオド)に統一した(どちらも全角文字).
- 句読点に,半角カンマと半角スペース「, 」を使っていない.
- 文の長さが適切である(1から2行程度を標準・推奨)
- 段落の改行頻度が適切である(5から15行程度を標準・推奨)
- 節の中の段落の数が適切である(5から15段落程度を標準・推奨)
- 章の中の節の数が適切である(3から5節程度を標準・推奨)
- 論文の中の章の数が適切である(5から8章程度を標準・推奨)
- (4年生の場合)M1学生2人以上、M2学生1人以上に読んでもらい、間違っているところやおかしなところを指摘してもらった
- (M2の場合)M1学生2人以上、B4学生3人以上に読んでもらい、間違っているところやおかしなところを指摘してもらった
フォーマット・体裁
図表についてのチェック
- 図の番号が通し番号になっている
- 表の番号が通し番号になっている
- 図と表の通し番号は別々になっている
- 図と表にキャプション(説明文)が付けてある
- 複数のグラフなどが一つの図に入っている場合には,図の下に(a), (b), ... の通し番号をつけている
- キャプションは以下の形式になっている
- 図13: ****
- 表8: ****
- 一つの図に(a), (b), ... と番号の付いた複数のグラフがある場合には,キャプションは以下の形式になっている.
- 図1: *****.(a) *****.(b) +++++.
- キャプションは適切に図表を説明している文章になっている(本文をみなくとも意味が分かる)
- 図のキャプションは図の下にある
- 表のキャプションは表の上にある
- 図や表はすべて、本文の説明に登場している
- 本文での説明には図や表の番号を示してある(例:結果を図32に示す。/表3に示すように)
- 図や表が示す「データ」が意味することを、本文で「解釈」し「説明」した
- 図や表やデータは、すべて自分が作成した
- 自分が作成していないすべての図や表やデータには、キャプションに、目立つように出典を明記した
参考文献についてのチェック
- 参考文献(引用文献)のリストが論文の最後にある
- 参考文献に通し番号をつけてある([1][2][3]...)
- 参考文献には研究室の過去の卒論・修論は含まれていない
- 参考文献に載っている研究室の過去の文献は外部の学会で発表したものに差し替える
- 参考文献が研究室が過去に発表した論文ばかりではない
- 参考にしただけのものは文献リストにない(例:プログラミングをするときの参考になった、画像処理全般を勉強した、などは×)
- 学術雑誌に掲載された原著論文が主な文献である
- 国際学会のProceedings(予稿集)に掲載された発表論文が主な文献である
- arXiv論文を引用している場合,その後アクセプトされたかどうかを調べ,アクセプトされていたらそちらに変更する
- 英語論文が主な文献である
- 日本語の文献ばかりではない
- 本文中で引用したその場所に文献番号を示してある(例:鈴木ら[34]によれば)
- 参考文献リストに載っているものはすべて,本文中で引用している
- 参考文献リストは以下の形式になっている
- 全員の著者名:「論文名」, 論文誌名, Vol., No., pp.-(1ページだけの時は p.***), 2008.
- 著者名:書籍名, 出版社名, 2008.
- 著作権者名:webページタイトル, URL (2008/12/31 accessed)
- 書籍の場合、どこを引用したのを示してある(例:**と言われている[34, p.24]が、)
- その参考文献からの引用文章は「」でくくられており、自分の書いた文章と明確に区別されている
- その参考文献から、なにを引用したのかが明確である(データ、主張、説明、事実等)
数式についてのチェック
- 数式のフォントは斜体(italic)で統一した
- 本文中の数式・変数などもすべて斜体にした
- 数式・変数など以外のアルファベットは立体になっている(例:RGB)
- 数式中に日本語・全角文字を使っていない
- 数式に使われている記号の意味をすべて説明した
- 数式の意味を文章で説明した
- 数式の記述の仕方と、説明の書き方は、数学の教科書にでてくる数式・記述を参考にした
- ベクトルは太字(bold)のフォントにした
- スカラー・行列・数字は細字(narrow)のフォントにした
- 乗算の記号「×」「*」は使っていない(例:2πr -> 2πr)
- 添え字の記号は小さいフォントを使った
- 記号は一般的に使われているものを調べて使った
本文のチェック
- 「ですます」調は使わず、「だ・である」調に統一した
- 誤字脱字・漢字変換ミスがない
- 句読点は「,.」に統一されている
- 句読点は全角文字を使った
- 日本語の漢字・ひらがな・カタカナは全角文字を使った
- 英文単語・数字は半角文字を使った
- 英文単語・数字を列挙するときには「半角コンマ+半角スペース」で区切っている(例:aaa, bbb, ccc)
- 段落の冒頭は全角1文字文の空白(字下げ)がある
- 字下げは、自分で空白を挿入せず、自動処理した(wordの段落プロパティなどを使用した、LaTeXのソースコードで一行空けた)
章・節・段落レベル
目次のチェック
- 目次だけを見て、どのような論文であるかがわかる
- 目次だけを見て、どの章でどのような内容が説明されるのかが分かる
- 目次だけを見て、どの節を読めば知りたい記述・内容があるのかがわかる
- 「目的」「背景」「実験」「結果」などの単語だけの章や節のタイトルはない
章立てのチェック
- 各章の冒頭に、その章で言いたいことが要約されている
- 各章の冒頭の要約だけを見て、その章の内容が理解できる
- 各章の冒頭の要約に登場しないものは、その章の中にも存在しない
節のチェック
- 各節の冒頭に、その節で言いたいことが要約されている
- 各節の冒頭の要約だけを見て、その節の内容が理解できる
- 各節の冒頭の要約に登場しないものは、その節の中にも存在しない
段落のチェック
- 各段落の先頭に、その段落のトピックセンテンス(要約文)がある
- その段落で何が言いたいのかが明確である(一言で表せる、トピックセンテンスがそれを表している)
- トピックセンテンスだけを読んでいって、その節・章の言いたいことが分かる
- 段落と段落の間を、接続詞・接続詞句がつないでいる
- 段落と段落をつなぐ接続詞・接続詞句が、正しく論理を展開している
文レベル
文のチェック
- 一つの文では一つのことだけを言っている
- 文の主語が明確である(省略してあったとしても)
- 一つの文の中では、主語は一つである
- 一つの段落の中では、主語があちこちに変化していない
接続詞のチェック
- 文と文の間を、接続詞がつないでいる
- 文と文の間に接続詞がない場合、どんな接続詞を使うよりも「接続詞がないこと」のほうが適切であることを確認した
- 文と文をつなぐ接続詞が、正しく論理を展開している(誰が読んでも納得し、同じ論理展開を想像する)
- 「しかし(but)」でつなぐべきところに「また(and)」を使っていない
- 「また(and)」でつなぐべきところに「しかし(but)」を使っていない
- 「また(and)」は他の接続詞で言い換えられない
- 「しかし(but)」は他の接続詞で言い換えられない
- 同じ接続詞を何度も何度も使っていない(そしてそして地獄・またまた地獄)
- 同じ言い回しを何度も何度も使っていない(というこということ地獄・というようなような地獄)
文の内容について
- 主張する内容(主観的な意見)は、データ(客観的な事実)と論拠(一般的な理由)によって裏付けられている
- データ(事実)にはすべて出典(参考文献)が明記されている
- 論拠(一般的な理由)は、だれもが納得する
- 主張する内容(意見)は、具体的な事例で説明されている(例:たとえば)
- 具体的な事例は、複数の視点からいくつも説明されている
- 事実(である,だ)と判断(だろう,と思われる,と考えられる)をきっちり分けて書いた
- その文が事実であるならば、データと論拠が明示されている
- その文が判断であるならば、誰もがその文が「著者の判断である」と分かる
- 因果関係(原因と結果)と相関関係(同じ傾向にあるもの)を分けて記述している
序論
序論について
- 序論(第1章)の冒頭には、その研究で何を成したのかが書かれている
- 序論には、その研究がなぜ必要なのか(背景)が書かれている(データ,論拠に基づいて)
- 背景には、その研究をするべきであると,誰もが判断できる
- 序論には、その研究が到達する事項(目的)が書かれている
- 目的は、その研究が目的を達成したのかどうかが,誰もが判断できる
- 序論には、その研究の位置づけが,その研究分野とその研究分野以外(社会的背景,他分野)に分けて,書かれている(参考文献に基づいて)
- 序論だけを見て、その研究の結果とその重要性が分かる
あらまし・アブストラクト
アブストラクトについて
- アブストラクトは「この研究は△△をする」から始まっている
- その研究で「△△したこと」がどのような目的につながっているのかが書かれている
- その目的を達成するためのアイデアが書かれている
- そのアイデアを実行するための手段が書かれている
- その手段を使った結果(客観的・定量的・数値的)が書かれている
- その結果の重要性と、どのように目的に関連するのかが書かれている
- アブストラクトだけを見て、その研究の結果とその重要性が分かる
文献調査
学術論文の読みこなし
- 学術原著論文とそうでないものの区別が付く
- 論文として、参照すべき情報源(primary publications)と、参照してはならない情報源の区別が付く
- 日本語・英語の学術原著論文はどこを探せばいいのかを知っている
- その研究分野での、世界的にレベルが高い学術論文誌・国際学会の名前を言える
- その研究分野での、世界的にレベルが高い研究者・研究グループ・研究機関の名前を言える
- 卒論・修論を書く前に、学術原著論文を10本以上集めて読んだ・眺めた
- 英語の文献も集めた
謝辞
謝辞について
- 謝辞が結論と参考文献の間にある
- 謝辞には、論文の主査(指導教員)・副査(副指導教員)への謝辞がある
- 研究室内の教員・技術職員、研究室外の教職員への謝辞がある
- 共同研究先の研究者への謝辞がある
- データ提供者への謝辞がある
- 研究への資金提供者(財団・助成金)への謝辞がある
- 学資提供者(両親等)への謝辞がある
- その他お世話になった方々への謝辞がある
- (外部発表論文の場合)謝辞の対象がデータ提供者・資金提供者のみである