HQカメラ同期信号について
注意:この記事は、Raspberry Pi OS Buster版での設定方法です。Bullseye版では設定が異なるようですが、まだ確認できていません。カメラ周りもlibcameraに移行しているのでまだ手が回っていないのでしょうかね。
Raspberry Pi フォーラムにHQカメラの外部同期信号についての投稿がありました。
HQカメラはテスト端子から同期信号とストロボ信号を取り出すことができます。
同期信号を使うと、複数台のRaspberryPiに接続したHQカメラの同期動作が可能になります。(RealSenseの同期動作とおなじようなイメージです。)
また、カメラのタイミングに合わせて照明をストロボ発光ができるようになります。
このスレッドを参考にして動作を確認してみました。
"HQ Camera external sync signals support added"

HQカメラ背面の端子、右から
端子 | 信号 |
---|---|
GND | GND |
GP0 | HSYNC(水平同期) |
FSTROBE | STROBE |
XVS | VSYNC(垂直同期) |
注:カメラの信号は1.8V振幅のロジック信号です。RaspberryPiのGPIOなど3.3V系の端子に接続する場合は信号レベルの変換が必要です。
設定
CMOSセンサから同期信号を出力させるためには/boot/config.txtに以下の設定を追加します。
# HQ camera sync signal settings
imx477_hv_sync_enable=1
imx477_hsync_polarity=1
imx477_vsync_polarity=1
# Pulse width, proportional to the pixel clock frequency.
# Valid values are 0 (smallest width) to 7 (largest width)
imx477_hsync_width=6
imx477_vsync_width=7
# HQ camera strobe signal settings
imx477_fstrobe_enable=1
# Set to 0 for single strobe pulse, or 1 for continuous pulses every frame.
imx477_fstrobe_cont_trig=1
# Number of lines to delay before triggering the pulse.
# Set this to the frame height if you want all lines to be exposing for the flash strobe.
imx477_fstrobe_delay=5
# Set to 1 to only trigger the pulse in stills capture mode.
imx477_fstrobe_stills_only=0
# Width of the pulse, in units of the INCLK period.
imx477_fstrobe_width=10000
HQカメラを起動すると、各端子にこのような波形が観測されます。
#使い方
注意:これらの機能は確認が完了しているものではありませんので、参考情報です。
VSYNC
出力と入力に設定ができます。
入力に設定した場合は外部同期信号でカメラの露光タイミングが制御できます。
VSYNCを入力に設定するには/boot/config.txtに以下の行を追加します。
imx477_trigger_mode=2
VSYNCを出力にする場合は以下の通りです。
imx477_trigger_mode=1
マスターになるHQカメラはVSYNCを出力に、スレーブになるHQカメラはVSYNCを入力に設定してそれぞれを接続します。
スレーブカメラを先に起動し、マスターカメラを最後に起動します。
注意:カメラの信号をそのままケーブルで長距離伝送することはできないと思います。
#STROBE
STROBE信号は、フレームに同期して出力されます。VSYNCからのタイミングとパルス幅は調整できます。
この信号はストロボ発光に使用できます。
注:タイミングとパルス幅は使用状況により調整が必要です。
#RspberryPi 4B + HQカメラ一体型ケース
カメラの信号端子をコンタクトピンで接続できる、RaspberryPi 4BとHQカメラを一体にしたケースを試作しました。
以下の機能を持たせています。
- VYSNC信号: 長距離伝送できるようにRS485レベルでの入出力(RealsenseのSYNC延長基板と類似)
- STROBE信号: オープンコレクタ出力