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データマネジメント導入・推進のヒント(ADMC2019より)

Last updated at Posted at 2019-12-04

はじめに

2019年11月12日、ADMC2019(Asian Data Management Conference 2019)というイベントに行ってきました。

※ADMC公式サイト:http://www.dama-japan.org/ADMC2019.html

『データクオリティ海外最前線』と題したデータ品質に主眼を置いたテーマでありながら、当日はデータマネジメント全体の話も含まれていました。講演の話を私なりに6つにまとめてみました。

題して、、

企業にデータマネジメントを導入・推進するためのヒント6選!

  1. 日本企業は、トップダウンによるデータマネジメントの導入が難しい、どうすればよい?
  2. データマネジメント導入の第一歩は?
  3. データマネジメントを拡大していくには?
  4. どんな人財を揃える必要がある?
  5. 自社だけでは厳しいので、外部に協力をお願いしたいんだけど・・・
  6. データマネジメントって、、例えばどんな取り組みが大事?

こんな疑問や悩みに答えていきます。

1. 日本企業は、トップダウンによるデータマネジメントの導入が難しい、どうすればよい??

A. ストーリーで経営陣を説得しましょう

今や新聞を開けば必ずデータ関連のニュースがある。日本企業の経営陣もデータの重要性に気づいてはいる。しかし、データマネジメントの必要性までは理解できておらず、そのための予算や人員の確保に消極的になりがちなことがある。これに対しては、経営陣にデータマネジメントの必要性を理解してもらうための「ストーリーを語る」というのが良いという。

つまり、経営陣と話す機会がある度に、他社の事例や身近な出来事を例に根気強く分かりやすく伝える、ということだ。例えば、扇風機を買いに行った際に店員の端末情報では在庫切れとなっていたが、実際に置き場へ行ったところその欲しい扇風機は存在していた、という身近な出来事を話した。つまりデータ品質管理の不徹底により、顧客の信用が失われ、売上の機会損失に繋がった、というストーリーだ。

トップの説得に画期的な方法は存在せず、具体的なストーリーを常々語るという日々の草の根運動が大切なようだ。

2. データマネジメント導入の第一歩は?

A. Small Startで始めましょう

データマネジメントの導入はSmall Startが良い。例えば今ある組織をベースに小さく始め、小さな成功を重ね、その実績を周囲に宣伝して知ってもらい、少しずつ味方を増やして活動を拡大していく。失敗したときは、痛みから学び、改善のループに取り入れて次に活かしてく。

最初から全社規模の完璧な体制構築と施策実行を目指すのではなく、小さな成功体験を積み重ねて認知させるという、急がば回れの精神が大切なのだ。

3. データマネジメントを拡大していくには?

A. データマネジメントの活動に関わる組織と人に対して、適切な権限と責任を与えましょう

具体的には、データマネジメントを拡大していくための要素として、次の5つが紹介された。

  • データマネジメントを担う人のキャリアパスを考え、役割分担と責任の明確化を行う
  • データマネジメントの正式な責任者であるデータオフィサーのポストを作る
  • これまでの成果を組織で共有する
  • データ戦略の意思決定に携わることができる組織を作る
  • データマネジメントを推進する際の基本方針やポリシーの制定を行う

4. どんな人財を揃える必要がある?

A. 好奇心と人間性の高い人を確保しましょう

具体的には、データマネジメントの推進に必要な人財として、次の5つの特性が大事だ。

  • データに興味があり、実際のデータを触ることを厭わない
  • 他者の気持ちに寄り添い、共感的なコミュニケーションができる
  • 組織の変革に積極的な考えを持っている
  • 企業の戦略策定や意思決定などに関わりたいという意欲
  • 常にオープンで好奇心があり、高い学習意欲を持っている

こんな人財いるのか?と疑問を抱く人もいるかもしれないが、潜在的には多いと感じる。導入段階ではスキルはそこまで必要ない。むしろ、熱意ある中堅や若手をきちんと掘り出せるかどうか、余計な組織のしがらみが邪魔してないか、適切な権限と責任を与えることができるか、ここが大事だ。

5. 自社だけでは厳しいので、外部に協力をお願いしたいんだけど・・・

A. 適切なメンター役を見つけましょう

データマネジメントの学習には時間がかかるので、直近では外部の専門家の力を借りて良い。ただし協力を依頼する際は、「適切なメンター役」になってくれる人に頼みましょう。

データマネジメントの悩み相談に乗りながら適切な助言や指導を行い、自社の人材育成を支援してくれる専門家ならいいが、そうではない人も多い。専門家は現場の声に耳を傾けて、組織が抱える問題や症状に適したアドバイスを提供しなければならない。確かに、素晴らしいツールの導入を薦めてきても、真のニーズを満たさないことはよくある。

机上だけの理想論的な助言は不要であり、ある程度時間をかけても現場に深く眠る本当の課題を引き出す役割がメンターに求められることなのだろう。

6. データマネジメントって、、例えばどんな取り組みが大事?

A. データ標準化の重要性が高まっています

多くの企業で、データの整合性維持に多くの時間が割かれている。需要が高いデータサイエンティストを高報酬で雇っても、データの前処理に作業時間の8割が費やされている会社もある。

データが標準化されていれば、その8割の時間を本来の分析・解析作業に充てられる。その結果生まれる発見は重要な意思決定の材料にもなり得るし、企業の成長戦略を支えることにもなるはずである。

最後に

イベント参加者は100名を超えており、まだまだデータマネジメントは陽の当たらない分野ではありますが、確実に認知は広がっていると感じました。

今後もこのようなイベントに参加して、レポートとして知見をまとめてQiitaで共有できたらなと思います。

(記事内容は個人の見解であり、会社とは関係ありません)

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