#はじめに
データマネジメントとは、データを価値ある資産と捉え、その資産が組織で正しく利活用されるように、ルールや体制を作って統制を実施すること。
企業の情報システムの人や、データ・AI・BIなどに関わる仕事をしている人、またITの動向を気にしている経営者の間では浸透しつつある言葉であり、これから「データ」が重要となる時代、非常に大事なキーワードであり、避けては通れない考えとなります。
しかし、インターネットで調べてみてもわかりやすく解説・説明されている記事は非常に少なく、なかなか世間に理解されず受け入れられていないのが実情です。そこで、料理の例を交えながらもう少し分かりやすく、「データマネジメント」についてお話ししてみたいと思います。
#そもそも『データ』ってなに?
データは、
- 例えば、テキストデータ、画像データ、音声データ、企業活動で生み出される電子データ、位置情報、などがある
- 情報の元となる、客観的事実の測定値や入力値
- 経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の情報の1つであり、唯一勝手に増えていく資産である
- それ単体では意味がなく、目的が達成されるものでも、行動が促されるものでもない
ここ数年、「データ」を材料として新しいビジネスや経営活動を変革していく「デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)」という言葉が生まれ、データ主導型で経営課題を解決したり、新しいビジネス手法を導く「データサイエンティスト」という人を指す言葉が流行するようになりました。
しかし、データがあればそれで良いのでしょうか?
#データマネジメントを料理に例えてみる
あなたはレストランの店長。アルバイトを数人雇って事業を始めました。
最初はおしゃれな食器とボリュームのある食事が評判となり大盛況。バイトも仕事に慣れてきて、各自が裁量を持ってレストランを回すことができるようになりました。しかし、次第にネットで味が叩かれるようになり、さらには食材の保管や偽装問題が発覚、その後もあまりに粗末なレストラン運営であったことがわかり、わずか1ヶ月で閉店となりました。
なぜでしょうか。下記の問題が考えられます。
- 消費期限切れの食材を使用していた、そもそも食材の管理や破棄のルールがなかった、あっても共有されてなかった
- バイトの調理教育が定期的にされておらず野放し状態
- バイトによって「中火」や「少々」、「鍋いっぱい」などの表現に異なる理解をしていた
- ボリュームとスピード重視だったので、食材に微塵切りにしたダンボールを入れてごまかした
- 見ため重視に走り、顧客もそれに一瞬騙されたため
こんな粗末な状態では美味しい料理が作れるどころか、閉店したのも頷けます。
レストランの例なので、大げさに感じるかもしれませんが、「食材」を企業での「データ」に置き換えてみましょう。
- 登録データが修正されず古いままだった、そもそもデータの管理や更新・破棄のルールがない
- データの入力や利用については各自の裁量や経験則となっており、野放し状態
- 作業者やシステムによって言葉の定義がバラバラで統一されていない
- とりあえず報告資料を作成するために、作業者が悪気はないが意図的にデータを修正する
- 見た目の報告に騙され、データ材料の確認や裏付けがされず、正しい経営判断がされていない
いかがでしょうか、意外と思い当たる節が出てくると思います。
こんな粗末な状態では正しいデータ利活用ができるどころか、普段の業務ですら怪しいです。
対策として、
レストランで食材の重要性、保管方法、調理方法などのルールを定め、きちんと教育して守らせる活動や体制があれば、上記の例で閉店に追い込まれることは無かったかもしれません。
データも同じです。
企業や組織でデータの重要性、保管方法、使用方法などのルールを定め、きちんと教育や統制をする活動や体制があれば、データの利活用は経営の正確かつ迅速な判断や新たなビジネス創造へと繋がります。
#つまりデータマネジメントとは
データを価値ある資産と捉え、その資産が組織で正しく利活用されるように、ルールや体制を作って統制を実施すること。
これって日本の製造業が扱う「モノ」という資産にも適用して考えられます。モノの生涯(材料調達から受入、保管、管理、加工、生産、破棄)に至るまで細かくルールがあり、そのための体制やルールを作り、教育や統制を実行されてきました。5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)はその代表例ですね。
高品質なモノづくりと同じく、高品質なデータ利活用のためにもデータのマネジメントが大切です。
#最後に
データマネジメントとは何か、ご理解頂けましたでしょうか??
「とにかくDXを推進するためにデータを使っていこう、、、」
「データサイエンティストを雇ってにデータを集めて分析させよう、、、」
「とりあえずBIツールを入れて、データを素早く加工して、サクッと報告資料作っちゃおう、、、」
という単純な話にはならないはずです。
これからも定期的に、「データマネジメント」をテーマに、自分自身のアウトプットや情報発信を目的として投稿していきます。
まずは初投稿でした!
(記事内容は個人の見解であり、会社とは関係ありません)