「はじめに」
この記事は
ソフトウェア、ハードウェアを問わず、医用工学に携わるエンジニアの皆さんが、内科の疾病について理解を深め業務において医学の知識を生かすことができるような知識を提供するために書いたものです。
対象者
医用工学に携わるエンジニアの皆さん全般
ねらい
業務には直接関係しない知識でも、疾病を知ることによってより能動的に製品に新しい機能や、新規開発のヒントを提供することを目的とします。
本論
腎不全とは・・・
腎臓の機能が低下して正常に働くなった状態を腎不全といいます。腎不全の指標となるのは、血液検査で調べられる血清クレアチニン値や推算糸球体濾過値です。
血清クレアチニン値
正常値 1.0mg/dl
腎機能50% 2.0mg/dl
透析 8.0mg/dl
腎不全の主な原因は、遺伝子の異常で起こる病気や、腎臓に炎症が起きる糸球体腎炎などです。心臓から贈られる血液の約20%を受け入れている腎臓は欠陥が豊富な臓器であり、生活習慣病などの動脈硬化をきたす病気は腎臓に悪影響を与えます。
症状と経過
腎不全を発症すると、尿を作る機能が低下して尿の出が悪くなったり、ミネラルバランスの異常を起こしやすくなったりします。
検査方法
主に、血液検査と尿検査を行います。
血液検査では、血清クレアチニンやeGFRを中心に調べます。
画像検査や、腎生検を行うこともあります。
・血清クレアチニン値
クレアチニン(Cr)はクレアチンリン酸という筋肉が運動するための重要なエネルギー源 物質が代謝されたあとにできる老廃物です。クレアチニンは腎臓でろ過されて尿として排出されるため、血中のクレアチニンの濃度が 上昇していることは腎臓の機能が低下していることを意味します。
・eGFR
推算糸球体濾過量(eGFR)です。
これは、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示しており、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。
いづれにしても、腎臓の機能を計るベンチマークとして有用なのは、腎臓でろ過できず尿として排泄できずに、血中にとどまっている不純物を測定することで、腎臓の活動量を測定するといった方法が用いられているようです。
何らかの手法を用いて、血中の血清クレアチニン値やeGFR値を測定できれば、慢性腎不全をチェックできるようです。
検査キットは販売されているようですが、妊娠検査キットほどの手軽さではないようで、高価です。
参考にしたページ:
腎不全とはどんな病気? 原因、症状、検査方法
血清クレアチニン値とは
eGFRとは
検査キット