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Power Appsにて社内アプリを作成しリリースを行い1カ月経過してみて

Last updated at Posted at 2022-12-12

はじめに

 佐賀県の小売業(着物ローカルチェーン 約80店舗)で情シス(現在2名)をしています。
ITとはかけ離れた業種(着物屋)で、かつITリテラシーがとても低い企業ですが少しでもITリテラシーを高めるために頑張ってます。

 今年は県のDXフラグシップモデル補助事業として、Power Platformを活用した提案が採択され、この記事はアプリ部分(Power Apps部分)になり、Power Appsにて作成しようと思った経緯とアプリをリリースして1カ月経過してみての感想になります。

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Power Appsにてアプリを作成した理由

 お客様との接点情報は営業社員の個人手帳に記入されていることが多く、パソコンで顧客接点情報を登録・参照出来るのだがパソコン操作が苦手な社員が多いため、直感的な操作が可能なタブレットでお客様との簡単な接点履歴や写真を管理して、個人(営業)の情報を会社の情報として管理しデータを利活用しようと考えたためです。

1.アプリを利用者する社員の年齢

 一番ネックだったのが、アプリを操作する人の年齢が50代~70代であること。
 
 多機能なSFA(営業支援)のクラウドサービスも考えたが、使いこなすことは困難だと考え、それよりもPower Appsで内製化を行い、高齢者でも操作しやすいように文字・ボタンサイズを大きくし、まずはアプリになれるのが一番だと考えたためです。
 

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2.業務システムからのデータ取込

 Power Appsのデータフローを用いれば、業務システムからDataverseへのデータの取込・更新が行うことができ、データフローについても、Power BI側のデータフローを既に使用していたため操作面での問題等も少なかった。

 

アプリ作成とリリース

1.アプリを作成

  高齢者向けのために文字のサイズ等に注意してアプリ作成したり、デザインよりも操作面を重視して作成を行う。

2.Power Appsのデータフローの更新時間  

  Power BIのデータフローの更新速度と比べPower Appsのデータフローの更新速度が思ったよりも遅かったため時間内に更新出来るか不安だったが、増分更新に切り替えて対応することで解決しました。

 
ちなみにデータフロー(Power Apps)の増分更新設定画面で「詳細情報」をクリックすると、Power BIの増分更新がメイン画面で表示されるので最初は「見ているページ間違ってないかと戸惑った。」

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3.アプリのリリース

 アプリは8月には出来ていたのだが、6月中旬に発注したタブレットが9月になっても納品されず、11月にある県の事例動画撮影に間に合うか不安だったが、10月中旬に納品され、11月初旬には全店にタブレットの配布とアプリのリリースが完了し、県の事例動画撮影になんとか間に合った。
 
お客様名検索画面
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4.アプリの利用状況

 アプリについては1日約2~3割利用してはいるが、全く使用していない店舗(タブレットの使い方すら分からない)もあるので、利用率を増やして行く必要がある。(現在社内操作勉強会を実施中)

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アプリによる効果と内製化のデメリット

1.Power Appsによるアプリ導入効果

 ・パソコン画面でしか参照できなかった情報がタブレットでも参照可能になったので、お客様との接客時やパソコンが苦手な社員でもアプリを利用するようになった。

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 ・お客様とのイベント写真について、以前まではチャットに無造作に上がっていたのだが、お客様・イベントに紐付されることによりデータ利活用に繋がりました。
 
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2.内製化によるデメリット

 内製でアプリを作成出来る=「依頼すればただで簡単にアプリを作成・変更してもらえる」と思っている社員がとても多く安易な要望が多いのと、私の技術不足面もあり要望対応まで時間が多少かかってしまう。

 
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 Power Platform(Power Apps,Power Automate,Power BI)を使ってアプリ作成できるのが私しかおらず、私以外にも作成できる人材を増やさないといけないと改めて感じました。

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まとめ 

 地方の着物屋さんがデジタル化が出来るわけがないと当初は思っていたが、一昨年に様々な勉強会・コミュニティに参加をし始め、色んな方が発表している人達をみて、私も出来るのではないかと思ってコツコツと勉強していったら、知らぬ間に県のDXフラグシップモデルになってしまいました。(DX補助事業に応募したのを後悔するぐらい本当に忙しい1年間でした。)

 今年の反省点を活かすため、来年は私以外にもPower Platformを活用できる人材を増やすために普及を行っていきたい。
 

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