概要
Windows Server 2012 R2環境からvSphere Web Clientにアクセスするには、デスクトップエクスペリエンスの有効化と、統合クライアントのインストールが必要になる。また適宜VMware Remote Consoleをインストールする。
詳細
Windows Server 2012 R2上にvCenter Serverを構築した際は、このデスクトップからWeb Clientへブラウザアクセスするニーズがあるだろう。これには、事前にデスクトップエクスペリエンスを有効化しておく必要がある。また使用中、画面案内に沿って統合クライアントをインストールする。
必要があれば、適宜VMware Remote Console(VMRC)もインストールする。VMware Remote Consoleはインターネット経由でのインストールになるので、接続されていない環境では、事前にインストーラを取得しておく。
vSphere Web Client
ブラウザ
vSphere 5.5のWeb ClientがサポートするInternet Explolerは8~10だが「これらのブラウザの後続バージョンは正常に動作する可能性が高いですが、テストは行われていません」としている。
実際に構築したvCenter 5.5 update 2の環境では、Windows Server 2012 R2のInternet Exploler 11で、使用した範囲内では動作している。ただしまだ問題もあるようなので、なにかに引っかかったらVMware vSphere のドキュメントの各リリースノートで既知の問題を確認する。
Flash
Windows Server 2012 R2のInternet Exploler 11では、OSに統合されたFlash Playerが使用されるので、デスクトップエクスペリエンスを有効にするだけでよい。
Internet Explorer 10 以降(Windows 8 もしくは Windows Server 2012)。ただし、Windows Server はデスクトップ・エクスペリエンスを有効にすること。(via Adobe Flash - Wikipedia, 2014.11.14時点)
大まかには、以下の手順になる。
- 「スタート」画面で、「コントロール パネル」と入力して選択します(スタート画面にアクセスするには、キーボードの Windows ロゴ キー を押します)。
- 「プログラム」を選択し、「Windows の機能を有効化または無効化」を選択します。「役割と機能の追加ウィザード」が開始されます。
- 「機能」のステップで、「ユーザーインターフェイスとインフラストラクチャ>デスクトップエクスペリエンス」チェックボックスをオンにします。
統合プラグイン
任意のデータストアの「管理」タブ内、「ファイル」サブタブで、ファイルの送受信には統合プラグインのインストールが求められる。インストールを選択すると、インストーラのダウンロードが始まるので、ダウンロード終了後にインストールを実施する。インストーラはvSphere Web Clientサーバからダウンロードされるので、インターネットへの接続は必要ない。
vSphere Web Clientへのアクセス
従来OSでは、vCenter ServerとvSphere Web Clientサーバがインストールされたサーバ環境には、スタートメニューにvSphere Web Clientへアクセスするためのショートカットが登録されていた。スタートメニューのないWindows Server 2012 R2スタート画面(Windowsキー押下で表示される)で「Web」と入力すれば、検索結果にvSphere Web Clientが表示される。この方法がおそらく容易だろう。
それ以外からであればhttp://<vCenterのホスト名>:9443
にアクセスする。
仮想マシンコンソール
Webコンソール
vCetner 5.5 update 2では、vSphere Web Clientを互換表示設定対象にする必要がある。これはリリースノートの既知の問題に入っている。
- Internet Explorer を起動します。
- [ツール] > [互換表示設定] に移動します。
- Web サイトのリストに、vSphere Web Client の IP アドレスを追加します。
- Internet Explorer を再ロードします。
VMware Remote Console
VMware Remote Consoleは問題なく動作している。Web仮想マシンの「サマリ」タブの「VMRCで開く」から起動できる。未インストールの時は「VMRCのダウンロード」リンクがからインストーラをダウンロード、インストールを行う。
インストーラはインターネット(VMware社Webサイト)からダウンロードされる。インターネットへの接続ができない環境では、あらかじめ www.vmware.com/go/download-vmrc からインストーラをダウンロードしておく。
vSphere CLI
通常通り、vSphere CLIをインストールする。
vSphere CLIコンソールの起動
vSphere CLIについても、従来のWindows OSではスタートメニューにショートカットが作成された。スタートメニューのないWindows Server 2012 R2では、デスクトップなど任意の場所に、以下のショートカットを作成するとよいだろう。
C:\Windows\System32\cmd.exe /K ""C:\Program Files (x86)\VMware\VMware vSphere CLI\bin\vcli.bat" "C:\Program Files (x86)\VMware\VMware vSphere CLI\Perl\bin" "C:\Program Files (x86)\VMware\VMware vSphere CLI\bin\""
次のような内容になっている。
<cmd.exeのパス> /K "<vcli.batのパス> <vSphere CLI\Perl\binのパス> <VMware vSphere CLI\bin\>"
これでコマンドラインが起動され、直後にvcli.batが実行される。vcli.batはいくつかの環境変数の設定や、残りの引数の実行パスへの追加などをする。その後、コマンドラインが引き続き利用できる。