概要
vSphere環境では、内部セキュリティのための「ドメイン」と、マシン名解決に関与するDNSの「ドメイン」と、外部認証をするためのIDソースの「ドメイン」を意識する必要があります。混同されがちで、混乱の元になりがちなこれらについて、私の理解で整理します。
詳細
vSphere環境では、内部セキュリティのための「ドメイン」と、マシン名解決に関与するDNSの「ドメイン」と、外部認証をするためのIDソースの「ドメイン」を意識する必要があります。これらは単に「ドメイン」と呼ばれることが多いために、混同されがちで、混乱の元になりがちです。
これらについて、私の理解で整理します。
3つのドメイン
vSphere環境では、以下の3つのドメインを意識する必要があります。
種別 | 管理箇所 | 管理対象 | vSphereでの用途 | |
---|---|---|---|---|
1 | SSOのドメイン | vCenter Single Sign-On(SSO) | vSphere環境のローカルユーザー | ログイン時の認証 |
2 | DNSのドメイン | 外部のDNSサーバ(BIND、Active Directory、WindowsのDNSサービスなど) | ネットワーク上のマシン | マシンの名前解決 |
3 | 外部のIDソースのドメイン | 外部のディレクトリサーバ(OpenLDAP、Active Directoryなど) | 組織内のユーザー、グループ | ログイン時の認証 |
SSOドメイン名の検討
3つのドメインのうち、SSOのドメイン名はvCenter(の一部として、SSOを含むPSC)をインストールする際に指定するものです。vSphere 5.5ではvsphere.local
に固定されていましたが、6.0からは指定可能になりました。
初期の状態では
administrator@<your_domain_name>
のユーザーのみにこの権限があります。vSphere 5.5 では、このユーザーはadministrator@vsphere.local
でした。vSphere 6.0 では、新しい Platform Services Controller を使用して vCenter Server をインストールするときや vCenter Server Appliance をデプロイするときに vSphere ドメインを変更できます。(「vSphere のインストールとセットアップ - Update 2 - vSphere 6.0」p.212)
SSOドメイン名を検討する際、外部のIDソースのドメイン名と被らないようにする必要があります。
このドメイン名に Microsoft Active Directory や OpenLDAP のドメイン名を使用しないでください。(同上)
Active DirectoryはDNSサーバーとIDソース(ユーザー認証元)を兼ねることが多いので、SSOドメイン名はActive Directory上のドメイン名とは分けることが必要になることが多いです。SSOを複数構築する必要がなければ、vSphere 5.5までに倣ってvsphere.local
をSSOドメイン名として使用するのは、比較的安全だと思われます。
参照
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