概要

Git for Windows の git grep で、スラッシュから始まる文字列を検索すると、本来ヒットすべき文字列がヒットしなくなる
- スラッシュから始まる文字列とは: /, /fuga など

環境

$ echo 'hoge' > test.txt

$ echo '/fuga' >> test.txt

$ echo 'fo/o' >> test.txt

$ cat test.txt
hoge
/fuga
fo/o

$ git init .
Initialized empty Git repository in C:/dev/src/test-dir/.git/

$ git add test.txt

これで test.txt が git grep の対象となった。

$ git grep 'hoge'
test.txt:hoge

$ git grep '/'
$

$ git grep '/fuga'
$

スラッシュを検索キーの冒頭にさえ入れなければ、想定通りヒットする。

$ git grep 'fuga'
test.txt:/fuga

$ git grep 'fo/'
test.txt:fo/o

# こういうのも OK
$ git grep '\/'
test.txt:/fuga
test.txt:fo/o

スラッシュ始まりのパラメータを与えた場合、POSIX のパスを Windows で扱えるようにするため、文字列の変換が行われる模様。

例えば、

$ ll /git-bash.exe
-rwxr-xr-x 1 Tsubasa Ogawa 197609 152600  6月  8 15:14 /git-bash.exe*

ターミナル上では root 直下に git-bash.exe が置いてあるように見えるが、

Windows 上のファイルシステムでは C:\... のようなドライブレターから始まるパスとなっている。つまり、スラッシュ始まりの文字列を渡すと C:\... のような prefix が付与されてしまう。

公式がお勧めしているのは MSYS_NO_PATHCONV=1 を用いる方法で、例のパス変換を無効化してくれる。

$ MSYS_NO_PATHCONV=1 git grep '/'
test.txt:/fuga
test.txt:fo/o

もしくは、スラッシュを 2 つ続ける方法もある

git grep '//'
test.txt:/fuga
test.txt:fo/o

Git for Windows で git grep するときは、スラッシュ始まりのキーワードを使わないように注意
もしどうしても使いたい場合、以下でパス変換を回避する
- MSYS_NO_PATHCONV=1 を使う
- スラッシュを 2 つ続けて使う
- エスケープする