#1 はじめに
システム開発のフェーズ(または工程)としては、概ね以下のようになります。
(ここでは、ウォーターフォール型の開発を例とします)
(1)要件定義
(2)基本設計
(3)詳細設計
(4)製造
(5)単体テスト
(6)結合テスト
(7)総合テスト
(8)運用テスト
(9)現地調整
#2 請負開発の範囲と開発工数
システム開発の各段階において、請負開発の範囲となるのは(一般的には)、上記1の
(2)~(7)の範囲になります。
また、開発にかかる工数としては、基本的にはそのフェーズに対して稼動する人数の
合計になります。
たとえば、基本設計:2.5人月、詳細設計:5人月、製造:4人月、単体テスト:3人月
結合テスト:3人月、総合テスト:1.5人月の場合、単純計算としては、
2.5+5+4+3+3+1.5=19人月が上記1の(2)~(7)の作業に掛かる工数になります。
#3 管理工数とは
上記2の工数に対しリスクとして2割等の上乗せをする場合もありますが、管理工数の
計上も必要になります。
管理工数とは、具体的にはどのような作業に対する工数なのでしょうか。
具体的は以下の作業に対する工数になります。
(1)進捗管理
・開発スケジュールの作成・修正
・進捗報告書の作成
・進捗定例会議への参加
(2)品質管理
・設計書レビューの実施
・ソースコードレビューの実施
(3)変更管理
・仕様変更に対する会議への参加
・変更箇所に対する設計・影響調査
・スケジュール調整
(4)障害管理
・テストに対する障害の集計と改修計画
・改修結果に対する確認
これらの作業はシステム開発を行ううえでは、当たり前のように必要となる作業なのです
が、かといって片手間でできる作業ではありません。
しかし、請負開発時の必要工数(見積もり金額)に計上しておかないと、結果的に片手間
作業と化してしまう可能性も高いため、(たとえ、ユーザーから嫌がれたとしても)管理
工数の必要性を説明し、正規の工数として認知してもらうべき作業です。
#4 管理工数の目安
では、管理工数の目安としては、どのような数字とすべきなのでしょうか。
請負開発に対する管理工数の割合を正確に割り出すことはケースバイケースの部分もあり
極めて困難です。
あまり多すぎても、また少なすぎても良くありません。
決めの問題となる部分もありますが、全体工数の1割程度とするのが色々な意味で妥当なの
ではないかと思います。
今回の例では、上記1の(2)~(7)までの工数19人月+1.9人月=20.9人月が管理工数込みの
全体工数になります。