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システム開発(請負)における管理工数の必要性

Last updated at Posted at 2017-02-16

1 はじめに

 システム開発のフェーズ(または工程)としては、概ね以下のようになります。
 (ここでは、ウォーターフォール型の開発を例とします)
 
 (1)要件定義
 (2)基本設計
 (3)詳細設計
 (4)製造
 (5)単体テスト
 (6)結合テスト
 (7)総合テスト
 (8)運用テスト
 (9)現地調整

2 請負開発の範囲と開発工数

 システム開発の各段階において、請負開発の範囲となるのは(一般的には)、上記1の
 (2)~(7)の範囲になります。
 
 また、開発にかかる工数としては、基本的にはそのフェーズに対して稼動する人数の
 合計になります。
 
 たとえば、基本設計:2.5人月、詳細設計:5人月、製造:4人月、単体テスト:3人月
 結合テスト:3人月、総合テスト:1.5人月の場合、単純計算としては、
 2.5+5+4+3+3+1.5=19人月が上記1の(2)~(7)の作業に掛かる工数になります。

3 管理工数とは

 上記2の工数に対しリスクとして2割等の上乗せをする場合もありますが、管理工数の
 計上も必要になります。
 
 管理工数とは、具体的にはどのような作業に対する工数なのでしょうか。
 
 具体的は以下の作業に対する工数になります。
  (1)進捗管理
   ・開発スケジュールの作成・修正
   ・進捗報告書の作成
   ・進捗定例会議への参加
  (2)品質管理
   ・設計書レビューの実施
   ・ソースコードレビューの実施
  (3)変更管理
   ・仕様変更に対する会議への参加
   ・変更箇所に対する設計・影響調査
   ・スケジュール調整
  (4)障害管理
   ・テストに対する障害の集計と改修計画
   ・改修結果に対する確認
   
 これらの作業はシステム開発を行ううえでは、当たり前のように必要となる作業なのです
 が、かといって片手間でできる作業ではありません。
 
 しかし、請負開発時の必要工数(見積もり金額)に計上しておかないと、結果的に片手間
 作業と化してしまう可能性も高いため、(たとえ、ユーザーから嫌がれたとしても)管理
 工数の必要性を説明し、正規の工数として認知してもらうべき作業です。
 

4 管理工数の目安

 では、管理工数の目安としては、どのような数字とすべきなのでしょうか。
 
 請負開発に対する管理工数の割合を正確に割り出すことはケースバイケースの部分もあり
 極めて困難です。
 
 あまり多すぎても、また少なすぎても良くありません。
 
 決めの問題となる部分もありますが、全体工数の1割程度とするのが色々な意味で妥当なの
 ではないかと思います。
  
 今回の例では、上記1の(2)~(7)までの工数19人月+1.9人月=20.9人月が管理工数込みの
 全体工数になります。
 
 

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