イントロ
砂場を3Dスキャンして、高さ情報をリアルタイムでプロジェクションすることで、砂の等高線を表示するデバイスを作ってみる。Microsoftが提供する3DスキャナーAzure Kinectと、GrasshopperプラグインAzure Kinect GHを使う。
セットアップ
ハードウェア
- Azure Kinect
- プロジェクター (Epson EB-1771w)
- ラップトップ
- ディスプレイ
- 単管フレーム(1500x1500x1500 mm)
- 砂場
ソフトウェア
手順
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砂場と、デバイスを設置するためのフレームを用意する
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Azure Kinect GHのウェブサイトに従い、プラグインをインストール
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Azure Kinectを開封し、ラップトップに接続
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制作した単管フレーム、プロジェクター、スキャナーのレンズ位置、角度、をGrasshopper内でモデリングし、物理的な情報をデジタイズし、リアルとフィジカルのモジュールを統一する。(この際、RhinocerosのNamedViewport機能を利用して、プロジェクターのレンズ位置を保存しておくと便利)
緑:プロジェクター投影角
赤:Azure Kinect のスキャンエリア(NarrowとWideそれぞれ六角形と円形の2種類) -
Azure Kinect GHを用いて、点群情報をリアルタイムで取得し、各点の高さ情報を、色情報に変換する(ラップトップのスペックや必要なスキャン範囲に応じて、解像度、レンズ角度、更新頻度も設定できる)
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砂いじりをする
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5-7を繰り返す
所感
当時タンジブルメディアとして最先端の研究だったSandScape2013がデスクトップスケールまでカジュアルダウン。今まで展示会場で目にする対象だったものが、スキャナー到着後、一日とたたずにセットアップが完了し、再現できた。Azure Kinect GHもリリースが2022年の1月と、比較的新しく、これまでFireflyなどが担っていた、Kinect v2とGrasshopperのコミュニケーションがソフト、ハードとともにアップデートされたよう。今回のスキャンは砂が対象だったため触れていないが、プラグインにはボディートラッキング機能もデフォルトでついており、気軽に人の動きをデジタイズできるのも魅力的。ただ、点群に色を付けて、表示し続けると、処理が追い付かず、タイムラグが生じることもあり、PCのスペックなどと相談しつつ、バランスの取れた解像度と更新頻度を選択する必要がありそう。
ここまで障壁なく、リアルタイム3Dスキャニングとそのデータ処理ができることは、非エンジニアのデザイナーなどにとってアクセスしやすく、制作の幅が広がりそう。
参照