はじめに
普通将来の株価を考えるとき、年率7%で30年運用したら、1.07の30乗を計算して約7.6倍と計算しますよね。
でも、年率ってマイナスのときも10%を超えるときもありますよね?
GPIFのウェブサイトにはこう書かれています。
運用の世界では一般的に、株式や債券など各資産のリスクを、リターンの「標準偏差」を使って表します。「標準偏差」とはリターンのブレの大きさを表す数値で、標準偏差が大きい(リスクが高い)ほど、リターンのブレ幅が大きいことを意味します。
では、30年運用したとき何倍になるかをシミュレーションするときも、年率はブレを含むべきでないでしょうか。
予想
増えたり、減ったりして、7.6倍に収束するんじゃないかな。
悪くて1.5倍、よくても10倍とか
設定
- 年率が平均7.0%、標準偏差25%の正規乱数に従うとする
- 分散投資の意義② 投資のリスクとはより
- 各年の年率は独立試行とする
- 30年間運用するとする
- 100回試算する
一回試算してみた
こんな感じの株価グラフ見たことありますよね!
25年後にリーマンショック級の不況が起こったのでしょう。
最終的な値は16なので、30年で資産が16倍になりました。
100万円を運用していたら、1600万円です。ウハウハですね!!
でも、7.6倍とは大きく離れていることが気になります。
100回試算してみた
思ったより、30年後のばらつきが大きいですね。
対数軸を使って、やっと全体像が把握できます。
ave:6.59
max:55.65
min:0.11
std:9.28
なんと1倍以下、つまり元本割れする場合もありました。
100万円を運用したら、最小で11万円、最大で5565万円になります。
恐ろしいですね。
予想より、ばらつきが大きいです。
平均が6.59倍なのは、1.07の30乗と大体一致しますね。
100回の試算中、元本割れを起こしたのは15回でした。
考察
- 株価の変化が正規分布に従うとは考えにくい
- キャピタルゲインとインカムゲインがある
- 各年の株価の変化が独立試行というのも現実に即していない
- GPIFのウェブサイトによると、海外株式を50年運用していたら54倍になった
結論
高リスク高リターンの商品だと、長期に運用したところで100%安全というわけではないようです。
投資は生活に関係ない資金を使うのが本当大事ですね。
必ず利益が出ると思って、その利益を当てにすると痛い目を見そうです。
にしても、30年で55倍は夢がありますね
積み立てだと、どれだけリスクが下がるのかも検証してみたいです。
複利で長期運用って、いい意味でも悪い意味でも恐ろしいですね。