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Oracle DBの日時データ型とタイムゾーン

Last updated at Posted at 2018-03-15

複数のタイムゾーンでOracle DBを利用する場合の考慮事項をまとめておく。

  • 夏時間についてはややこしくなるのでここでは触れない。
  • DBサーバはLinux系を前提として記載している。

#タイムゾーン
知っておくべきタイムゾーンには下記の4種類がある。

  1. DBサーバのタイムゾーン
    • アプリケーションがNET(リモート)接続の場合
      • DBサーバOSのタイムゾーン
      • DB起動時にTZ環境変数が設定されていればそちらが優先
      • Grid Infrastructure利用時は「srvctl setenv database -db SID -t TZ='タイムゾーン'」で環境変数を設定し再起動が必要。リスナには設定不要
    • アプリケーションがBEQ(内部)接続の場合
      • DBサーバOSのタイムゾーン(BEQ接続ではアプリケーションはDBサーバ上で稼働)
      • アプリケーション起動時にTZ環境変数が設定されていればそちらが優先
  2. DBTIMEZONE
    • DB作成時にOSのタイムゾーンがデフォルトで設定。TZ環境変数が設定されていればそちらが優先。
    • select DBTIMEZONE from dual; で現在のDBTIMEZONEを確認
    • 「DBサーバのタイムゾーン」とは連動も関連もしない。
    • この型のカラムがDB上に存在しなければ変更可能。
      • alter system set time_zone='タイムゾーン'で変更。反映にはDB再起動必要。
  3. セッションのタイムゾーン(SESSIONTIMEZONE)
    • DBに接続するアプリケーション(DBから見たクライアント)が稼働するOSのタイムゾーン
    • アプリケーション起動時にTZ環境変数が設定されていればそちらが優先
    • select SESSIONTIMEZONE from dual; で現在のセッションのタイムゾーンを確認
    • alter session set time_zone='タイムゾーン'で変更。セッションの切断まで有効。
  4. Schedulerのタイムゾーン
    • Oracle Scheduler job(自動メンテナンスタスク等)が動作するタイムゾーン。上記とは独立している。
    • DB作成時にOSのタイムゾーンがデフォルトで設定。TZ環境変数が設定されていればそちらが優先。
    • 下で詳しく説明

#日時データ型
 下記の4種類のデータ型がある。データにタイムゾーン情報を持つのは3のみ。環境により日時が変わるのは4のみ。

No 暗黙の文字列変換パラメータ 説明
1 date NLS_DATE_FORMAT 年月日+時分秒
2 timestamp NLS_TIMESTAMP_FORMAT 年月日+時分秒+小数秒
3 timestamp with time zone NLS_TIMESTAMP_TZ_FORMAT TIMEZONE付きtimestamp。
4 timestamp with local time zone NLS_TIMESTAMP_FORMAT 登録・表示時に「セッションのタイムゾーン」に自動変換。
  • 4の補足:タイムゾーンの計算にはSESSIONTIMEZONEとDBTIMEZONEの2つを使うと記載があり、このカラムがあるとDBTIMEZONEが変更できないことから、内部的にDBTIMEZONEで値を保持しており、値-DBTIMEZONE+SESSIONTIMEZONEで計算して表示しているのではないかと思われる。

#現在日時の取得
 現在日時の取得は5つの関数があり、設定されたタイムゾーンで取得される。

No 関数 現在日時の型
1 sysdate date
2 systimestamp timestamp with time zone
3 current_date date
4 current_timestamp timestamp with time zone
5 localtimestamp timestamp with local time zone
  • 1,2は「DBサーバのタイムゾーン」で取得
  • 3,4,5は「セッションのタイムゾーン」で取得

#Schedulerのタイムゾーン
Schedulerのタイムゾーンの確認と変更

-- デフォルトタイムゾーンの確認(OSタイムゾーンが作成時に設定される)
select dbms_scheduler.stime from dual;
-- 現在の自動メンテナンスタスクの稼働タイムゾーンの確認(通常上記タイムゾーンと同じだが、異なる指定も可能)
select window_name,window_next_time from dba_autotask_window_clients order by 2;
-- デフォルトタイムゾーンの設定(US/Pacificに変更場合)
exec DBMS_SCHEDULER.SET_SCHEDULER_ATTRIBUTE('default_timezone','US/Pacific');
-- タイムゾーンの設定をした時点で自動メンテナンスタスクのタイムゾーンも(稼働中のタスクを除き)変わる
-- 下記の様にウインドウ毎にSTART_DATEを指定することで、デフォルトと異なるタイムゾーンを指定可能。
-- 混乱を避けるため、できるだけデフォルトタイムゾーンを用いることが望ましい。
-- START_DATEを指定した場合、デフォルトタイムゾーンを再設定してもウインドウのタイムゾーンは変わらない。
EXEC  DBMS_SCHEDULER.SET_ATTRIBUTE ('MONDAY_WINDOW','START_DATE','18-03-19 22:00:00 UTC');

JOBの履歴確認

-- 自動メンテナンスタスクの履歴
select CLIENT_NAME,WINDOW_NAME,WINDOW_START_TIME,WINDOW_END_TIME
 from DBA_AUTOTASK_CLIENT_HISTORY order by 3;
-- JOB履歴
select job_name,last_start_date,next_run_date from all_scheduler_jobs order by 2;
  • WINDOW_START_TIME,WINDOWS_END_TIME,start_date,end_dateは「TIMESTAMP WITH TIME ZONE」型。
    • 日時は「DBサーバのタイムゾーン」で記載され、「Schedulerのタイムゾーン」とは異なる場合がある。
    • DBサーバのタイムゾーン変更時、前のタイムゾーンで記録される場合がある。
    • 実行中タスクのWINDOWS_END_TIMEはOSのタイムゾーンで記録。

#参考
日付データ演算の達人技を伝授する 【第3話】
Changing Timezone Settings on Oracle Database Servers

#変更履歴
2018/3/15 公開
2018/3/19 DB作成時のTZ環境変数の説明を追加。Schedulerタイムゾーンの説明補足。

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