仮想環境を作成するモジュールには Virtualenv と、venv があります。ここでは、Python3 の標準ライブラリである venv を取り上げます。
#仮想環境の作成
では、最初の仮想環境を作成しましょう。適当なディレクトリで、次のコマンドを実行します。
$ python3 -m venv ./py3env
このコマンドは、指定したディレクトリ ./py3env に仮想環境を作成します。
#仮想環境の切り替え
作成した仮想環境の bin/activate を実行します
$ . ./py3env/bin/activate
(py3env) $
コマンド プロンプトの先頭に (py3env) と表示され、仮想環境で実行中であることをを示します。
仮想環境に切り替えると、環境変数 PATH が設定され、python コマンドや python3 コマンドで仮想環境の bin ディレクトリから実行されるようになります。
通常の環境では、python コマンドを実行するとPython2.xが実行されますが、仮想環境中では、python コマンドでも python3 コマンドでも仮想環境を作成した Python を起動します。
(py3env) $ python
Python 3.6.1 (default, Apr 4 2017, 09:40:21)
[GCC 4.2.1 Compatible Apple LLVM 8.1.0 (clang-802.0.38)] on darwin
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information
bin ディレクトリには pip などのコマンドもインストールされており、コマンドラインから実行できます。
#パッケージのインストール
仮想環境を利用中も、通常通り pip コマンドを使ってパッケージをインストールできます。
(py3env) $ pip install tse
Collecting tse
Downloading tse-0.0.15.tar.gz
Collecting argparse (from tse)
Downloading argparse-1.4.0-py2.py3-none-any.whl
Collecting six (from tse)
Using cached six-1.10.0-py2.py3-none-any.whl
…
インストールしたパッケージは、仮想環境内にのみ書き込まれ、元の Python や他の仮想環境からは利用できません。
#仮想環境の終了
仮想環境の使用を終え、通常の状態に復帰するときは、deactivate コマンドを実行します。
(py3env) $ deactivate
$
#バージョン別の仮想環境
複数のバージョンの Python をインストールしている環境では、使用する Python を指定して仮想環境を作成できます。
Python 3.6とPython 3.7がインストールされた環境で、Python 3.7の仮想環境を作成する場合は、次のように指定します。
$ python3.7 -m venv py37env
ここで作成した py37env を使用すると、python3.7 環境に切り替わります。
$ . py37env/bin/activate
(py37env) $ python
Python 3.7.2 (v3.7.2:9a3ffc0492, Dec 24 2018, 02:44:43)
[Clang 6.0 (clang-600.0.57)] on darwin
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.