多くのPMやPMOが見落としがちですが、
プロジェクト成功の鍵は「気持ちのマネジメント」にあると言っても過言ではありません。
いくら計画や進捗が整っていても、メンバーの気持ちが離れれば、プロジェクトは崩れます。
■ 気持ちの変化は、進捗の遅れよりも先に現れる
体調不良、気疲れ、不安、焦り。
それは多くの場合、「遅延」という形になる前に、メンバーの態度や様子に兆候が表れます。
PMやPMOは、進捗よりも先に“気配”を捉えるセンサーでなければなりません。
朝の顔色、SlackやLINEのレスのスピード、いつもより少ない発言――。
それらが**“心の進捗遅延”**のサインかもしれません。
プロジェクトを成功に導く気持ちのマネジメント5箇条
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「緊急時を除き、残業は1~2時間以内」 過度な残業は、生産性よりもメンタルを破壊します。
PMは「残業を前提にしていない」姿勢を明確に示しましょう。 -
「納期は相談次第で調整できる」 納期に絶対はありません。
緊急時を除き、PM・PMOがクッションになり、クライアントと交渉すれば変えられることをメンバーに伝えましょう。
これだけでも、安心感が段違いです。 -
「必ず“相談しやすい時間帯”をつくる」 朝会や夕会をルーティン化し、「雑談OK」「相談OK」の空気を定着させましょう。
ポイントは、“報告の場”ではなく“気持ちを吐き出す場”にすることです。 -
「体調不良時は、無理せず帰らせる」 体調が悪いのに頑張ることは、組織の美徳ではありません。
むしろ「今は休んでほしい」と言えるPMが、本物のリーダーです。 -
「人格を否定しない。行動を指摘する」 「何でこんなこともできないんだ」ではなく、
「こういうやり方ならどうだろう?」と寄り添う指導を徹底しましょう。
人を責めず、行動を改善するのがマネジメントの基本です。
「気持ち」のケアは、信頼の土台
プロジェクトが進むほど、摩擦が起きます。
そのときにメンバーが心の奥でこう思ってくれていれば、PMは勝ちです。
「このPMなら、何かあっても相談できる」
「このプロジェクトは、人として大切にされている」
“人が辞めたくならないプロジェクト”を作れるかどうか。
それが、PM/PMOの真価だと私は思っています。