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♯第3回:「忙しい」「時間がない」が口癖の人は、PM/PMOになってはいけない

Last updated at Posted at 2025-06-24

― それは「プロジェクト管理の時間が確保できていない」と言っているのと同じ


■ なぜ「忙しい」がプロジェクトを壊すのか

「忙しいので調整は後回しにしています」
「資料は作れていませんが、現場対応で手一杯です」
「やるべきことはわかっていますが、今は時間がないので…」

──これは私が実際に耳にした、**プロジェクト崩壊の“序章”**でよく聞くセリフです。

PM/PMOが「忙しい」「時間がない」を理由に、
本来担うべき統制・判断・調整の仕事を後回しにする。
その瞬間から、プロジェクトは無人運転の車になります。


■ PMが“忙殺”される本当の理由

PMが忙しくなる原因の多くは、実はシンプルです。
「進捗が遅れているから、自分で巻き取る」
「会議に出す資料が整っていないから、自分で全部作る」
「メンバーに任せきれないから、自分でやるしかない」

これらは一見「責任感が強い」「頑張っている」ように見えます。
しかし実態は、本来の役割(=プロジェクト全体のコントロール)を放棄し、作業者に自ら降格しているにすぎません。

そして口から出るのがこの言葉です:

「忙しいんです」
→ いいえ、それは「プロジェクトを管理できていません」と言っているのと同じです。


■ PM/PMOの本来の役割とは

PM/PMOの役割は、「忙しくなること」ではありません。
プロジェクトの状態を把握し、問題を先回りで察知し、メンバーが効率よく動ける環境を整えること。
つまり、プロジェクトが“忙しくなりすぎないように”するのが仕事です。

PMが忙しくなった時点で、もはやプロジェクトは制御不能に近づいていると考えてください。


■ 対策:PMは“やらない勇気”を持つ

では、どうすればいいのか?
答えは、「PMは何でもやる人ではない」と自覚することです。

  1. 遅延タスクは他のメンバーにリカバリーを指示する

 PMが巻き取るのではなく、「誰が、何を、いつまでに」の再割り当てがPMの仕事。

  1. タスクの優先順位を調整し、低優先のものは期日を見直す

 すべてのタスクを詰め込むのではなく、「今やるべきこと」に集中させる。

  1. “自分でやった方が早い”を封印する

 その判断が、チームの成長とプロジェクトの可視性を損ないます。

  1. “自分の仕事を増やさない”ことを徹底する

 PMの成果は、「自分がどれだけ作業したか」ではなく、「プロジェクトをどれだけ健全に導いたか」で評価されるべきです。


■ 最も危険なのは、“仕事熱心な無計画”である

「頑張っているのにうまくいかない」プロジェクトには共通点があります。
それは、PMやPMOが管理のための時間を捨て、作業に溺れてしまっていることです。

頑張る方向を間違えると、努力は報われません。


次回予告

第4回:本当のプロジェクト管理とは、残業なしでプロジェクトを成功に導くことである
「管理」とは、作業を詰め込むことではない。全体最適の設計が、余裕ある成功を生む。

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