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♯第7回:証跡を残さないテストは、品質管理していないのと同じ

Last updated at Posted at 2025-06-24

システム開発プロジェクトにおいて、「テストをした」という事実は、
テスト結果の証跡がなければ、証明できません。

口頭報告やチェックリストだけで「やりました」と言っても、
それは品質管理とは言えず、ただの自己申告にすぎません。


■ 「証跡がない」は、品質のブラックボックス

証跡がなければ、

どの環境で

どのデータで

誰が、いつ、どういう操作をして

どういう結果が出たか
を第三者が再現することができません。

これはつまり、不具合が起きたときに、検証も再現もできないということです。
プロジェクト後半で問題が起きた際、「ちゃんとやったか?」の議論で揉めるのは、証跡がないことが原因です。


■ 「スクリーンショット文化」が品質を守る

テストをしたら、以下は必ず残しましょう。

入力データの内容

操作画面のキャプチャ(成功/失敗を問わず)

期待結果と実際の結果

異常系テスト時のログファイル(あれば)

スクリーンショットは、成功の証拠であり、問題発生時の盾になります。
自分を守るためにも、チームを守るためにも、証跡は徹底しましょう。


■ 「証跡は時間のムダ」は大間違い

証跡を省略する人の言い訳で最も多いのがこれです。

「全部キャプチャしてたら、時間がかかって非効率です」

ですが、これは短期的視点です。
後で不具合が出て、原因特定や説明に何時間もかかるほうが、よっぽど非効率です。

テストのキャプチャが数枚あるだけで、

トラブルの切り分けが圧倒的に早くなり

責任の所在が明確になり

クライアントとの信頼も保てます


■ 品質とは「説明できること」

品質管理とは、「うまくいった」ではなく、
「うまくいったことを説明できる」状態をつくることです。

それには証跡が不可欠です。
証跡のないテストは、テストしていないのと同じ。
見える品質、それが本当の品質です。

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