テスト期間がタイトなプロジェクトで、
「全部のテストケースを実施しようとして、結局どれも中途半端だった」
そんな経験、ありませんか?
限られた期間で重要なことを見極める――それが本当のテスト管理です。
■ テストにおける“全部やる”は、幻想
テスト工程でよくある失敗パターンはこれです:
テストケースを全部実施しようとする
優先度の低いケースに時間を取られる
重要なテストが後回しになる
期日直前に重大なバグが見つかる
修正の余裕がなくリリース延期、または見逃し
テストケースの“量”ではなく、“質”を優先すべきです。
重要なのは、何を先に、何を確実にやるかです。
■ テストの優先順位はこう決める
重要テストケースは、以下のように定義します:
ビジネスに与える影響が大きい機能
システムの中核を担う重要処理
頻繁に使われる画面や処理
障害発生時の影響範囲が広い部分
逆に、リリース後に手直しできる部分や、影響が限定的なUIの表示崩れなどは、後回しにしても大きな問題にはなりません。
テストは“完璧”ではなく、“ベストエフォートで最大のリスクを潰す”ための活動です。
■ 優先順位を決めずにテストするのは、地図なしで山登りするのと同じ
テストの目的は、「すべてのバグを潰すこと」ではなく、
「致命的なバグを見逃さないこと」です。
そのために最も重要なのが、優先順位の可視化と、
チーム内でその順番を共有・同意しておくこと。
これができていないと、テスト期間の後半で
「え、それまだやってなかったの!?」
という致命的なすれ違いが起きます。
■ “限られた時間で成果を出す”ための判断力
プロジェクトにおけるテストとは、
“時間との戦い”であり、“判断の連続”です。
全部をやろうとせず、
本当に守るべき機能・品質・ユーザーを見極めること。
これができるPM・PMOがいるプロジェクトは、
限られた時間の中でも、成功します。