この記事について
Orange PiはWiFi搭載モデルも出ていますが、基本的には技適を通っていないので国内での理由はNGです。という事で、安めのUSB WiFiについて動作確認してみました。まぁ、Orange Piに限らずLinux全般における対応状況ですが、Armbianのkernelが3.4.113ベースという事でmainlineよりは対応状況は厳しいのかもしれません。またOrange Piで通れば、ほぼほぼRaspberry Piでも同じ手順でいけると思います。
PC上のUbuntu 16.04.3でも動作状況を確認したので、Orange Piユーザ以外の参考にもなるかも。
ドライバの対応状況
現在3つのデバイスについて記述。今後確認するような事があればここに追記します。出荷時期によって違うチップを使ってる事もあるので、あくまでも参考に。
TP-Link TL-WN725N
購入時の価格で695円。
PC上の4.4.0-98-genericでは特別な作業なしにデバイスをwlx<mac address>というデバイス名で認識。
ID 0bda:8179 Realtek Semiconductor Corp. RTL8188EUS 802.11n Wireless Network Adapter
Armbian/Orange Piの標準状態では動作しませんが、GitHubにあるこちらのドライバで認識しました。
% git clone https://github.com/lwfinger/rtl8188eu.git
% cd rtl8188eu
% make all
% sudo make install
modprobe 8188eu
または再起動すると認識されるはず。wlx<mac address>というデバイス名で認識される環境とwlanNという普通の名前で認識される環境がありました。
エレコム WDC-150SU2MBK
購入時の価格で663円。
PC上の4.4.0-98-genericでは特別な作業なしにデバイスをwlx<mac address>というデバイス名で認識。
ID 056e:4008 Elecom Co., Ltd
TL-WN725N同様に上記のドライバをインストールする事で認識しました。
Keepjoy USB2.0 WIFI
2017/11/22時点で215円。宇宙やばい。
PC上の4.4.0-98-genericではmt7601u.koがハンドルするもエラーで最終的には認識せず。このドライバは4.2でマージされたkuba-moo版かな?
Armbian上でいくつかのドライバを試したが、成功例は今のところなし。ifconfig -aでra0として見えるくらいには動くケースもあったけど、ドライバの初期化中にエラーがあって最終的に動かないのはどれも同じ。
歴史的な経緯を調べると、オフィシャルのドライバのクオリティが低くてmainlineに取り込まれなかったのをコミュニティでスクラッチから書き直してmainlineに入れたのがkuba-moo版。ただし3.19より前のkernel向けにbackportするのは構造体とかも結構変わってて、詳しい人じゃないと簡単ではなさそうでした。portも手間だし、compileしたところで動かない可能性のほうが高いので、あまり深追いしませんでした。
ID 148f:7601 Ralink Technology, Corp. MT7601U Wireless Adapter
無線LANへの接続
この辺りはLinuxの一般知識ではありますが、ここに書かれているような情報を探している時に一緒に知りたい情報かとは思うので、おまけ的に記載しておきます。
nmtui-connectを使う方法
コンソールからの設定で一番らくちんな方法かと思います。nmtui-connectで起動すればCUIで見えているアクセスポイント一覧が表示されるので、選んでパスワード入力するなりすれば設定完了。
ステルス設定のネットワークに繋ぐ場合
CentOS7でステルスSSIDへ接続する方法がそのまま利用できました。一度この方法で接続してしまえば、設定が作成され、nmtui-connectからも見えるようになります。