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VultrとAnyDeskによるリモートデスクトップ環境でWindowsアプリを動かす(2)

Last updated at Posted at 2020-01-19

VultrとAnyDeskによるリモートデスクトップ環境でWindowsアプリを動かす(1)
の続きの記事です。

前回の記事では、VultrでVPSを作成して、初期設定をした後、スナップショットを作成して、VPSを削除しました。

今回は、AnyDeskを使ってVPSをリモートデスクトップとして使えるようにします。

#スナップショットのリストア
まず、VPS設定の続きを行います。前回と同じようにDeploy New ServerでHigh Performanceの32GBのサーバーを作成しますが、違うのは、Server Typeの選択です。

Server Typeでは具体的なOSは選ばずに、Snapshotをクリックして前回作成したスナップショットを選択します。そして、Deploy Nowのボタンを押すと、サーバーを作って、そのスナップショットがリストアされます。ただスナップショットのリストアには、5分から10分くらい時間がかかります。

これで前回設定したところまで復元されたのですが、新しいサーバーになるので、IPアドレスは変わってしまいます。

とりあえず、前回作成したアカウントでログインしますが、sshを使う場合、IPアドレスの指定に注意してください。

#スワップ領域の設定
では、設定の続きですが、まずメモリの確認をしておきます。

このサーバーは1024MBメモリのモデルなので、単にサーバーとして使うのなら十分です。ただし、デスクトップ環境を入れてWindowsアプリを動かすことを考えると、ちょっと足りません。その際、スワップ領域が設定してあれば、仮想メモリとして利用できるのでなんとかなります。

そこで、サーバー作成時にスワップ領域が確保されているかどうか、

$ free -m

で確認しておきます。

              total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:            985          75         741           0         168         773
Swap:             0           0           0

これを見ると、スワップ領域は設定されていないようです。

仕方ないので、以下の手順でスワップ領域を作成しておきます。スワップのサイズは2048MBとします。

#2048MBのスワップファイルを作る
$ sudo dd if=/dev/zero of=/swapfile bs=2M count=1024
#スワップファイルのパーミッションを変更
$ sudo chmod 600 /swapfile
#スワップファイルをスワップ領域に割り当てる
$ sudo mkswap /swapfile
#スワップ領域を有効にする
$ sudo swapon /swapfile

これでスワップ領域が確保できました。free -mで確認すると、

              total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:            985          76          66           0         841         761
Swap:          2047           0        2047

と、スワップ領域が確保できていることがわかります。

あとは、サーバー再起動時にスワップ領域が有効になるように、/etc/fstabに以下の行を追加しておきます。

/swapfile swap swap defaults 0 0

#デスクトップのインストール
linuxだと、デスクトップの種類を色々選べるという楽しみもあるのですが、ここでは、ubuntuの標準デスクトップをインストールしてみます。

$ sudo apt install ubuntu-desktop

インストール後、サーバーを再起動します。これからはデスクトップの設定になるので、View Consoleのログイン画面からログインをしてデスクトップを表示させます。
キャプチャ.PNG
インストールされているアプリは、左下のアイコンをクリックして確認してください。

#AnyDeskのインストール
View Consoleからの画面はあまり使い勝手がよくないので、デスクトップの設定の前にリモートデスクトップソフトから使えるようにしておきます。

リモートデスクトップソフトとしては、TeamViewerが有名なのですが、あまりに有名すぎて、無料で使える個人利用の条件が厳しくなっているようです。

そこで、今回は同様のソフトであるAnyDeskを使ってリモートデスクトップ環境を作ってみます。これも個人利用の範囲では無料です。

AnyDeskのウェブサイトはこちらです。
https://anydesk.com/ja

ローカルのWindowsPCのブラウザで開けば、Windows用のアプリをダウンロードするボタンがあるので、それをクリックしてダウンロードします。AnyDeskの便利なところは、ダウンロードしたファイルが実行ファイルとなっていて、PCにインストールしなくても使えることろです。一通り試して問題なければインストールすればよいでしょう。

VPSをリモートデスクトップとして使うために、VPSにもAnyDeskをインストールする必要があります。VPSに既にFirefoxなどのブラウザが入っていれば、AnyDeskのウェブサイトを開いて、Ubuntu用のAmyDeskをダウンロードできます。

ブラウザがなくても、VPSのアプリのなかのTerminalを開いて

$ wget https://download.anydesk.com/linux/anydesk_5.5.1-1_amd64.deb

を実行すれば、同じファイルをダウンロードできます。ただし、URLとかファイル名は将来変わる可能性があるので、詳しくはAnyDeskのウェブサイトなどで確認してください。これを適当なフォルダにダウンロードした後、

$ sudo apt install ./anydesk_5.5.1-1_amd64.deb

を実行すると、AnyDeskがインストールされます。

#AnyDeskの設定
WindowsPC、VPSにインストールしたAnyDeskには、それぞれ9桁のAnyDeskアドレスが設定されています。このアドレスを使ってお互いに接続を行います。それぞれのAnyDeskアドレスは、忘れずにメモしておきましょう。

なお、AnyDeskアドレスは、VPSのスナップショットに記録されるので、サーバーを削除して作り直しても、スナップショットをリストアすれば、同じアドレスとなります。IPアドレスは変わってもAnyDeskアドレスは変わらないので、同じように使えるというわけです。

VPSをリモートデスクトップとして使う場合、VPSにインストールしたAnyDeskで設定する必要があります。

VPSでAnydeskを起動すると、AnyDeskアドレスの下に「Set password for unattended access...」というリンクがあります。これをクリックすると、Securityの設定画面になります。ここで、「Unlock Security Settings...」をクリックして、パスワードを入力すると、設定ができるようになります。

その設定画面の
security1.png
の項目にチェックを入れ、パスワードを入力します。これが接続時の認証となります。

リモートデスクトップとして使う場合、設定はこれだけでいいのですが、念のため、不特定多数のAnyDeskからアクセスされないよう、
security2.png
にチェックを入れて、自分のPCにインストールしたAnyDeskのアドレスを追加しておきます。これで、他のAnyDeskアドレスからアクセスできないようになります。

以上の設定で、AnyDeskがVPS上で常駐するので、一旦View Consoleからの画面を閉じて大丈夫です。

#AnyDeskによるリモートデスクトップ

では、ローカルPCからAnyDeskを起動し、VPS上のAnyDeskアドレスを入力してみてください。最初はパスワードを聞かれますが、これでリモートデスクトップが表示されれば成功です。

AnyDeskの使用方法については、ネット上にたくさん情報があるので、省略します。メニューバーのアイコンで、表示の設定を変えたり、ファイルの転送などできます。Windowsとのコピペもできるので、VPSに対するだいたいの操作はできるかと思います。

とりあえず、ここでスナップショットを作って一休みとします。
次の記事に続きます。↓

VultrとAnyDeskによるリモートデスクトップ環境でWindowsアプリを動かす(3)

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