はじめに
WEBアプリケーションの開発でよく使われる「三層構造（スリーティアアーキテクチャ）」は、システムを「プレゼンテーション層」「ビジネスロジック層」「データ層」の3つに分けて設計・開発する方法です。
この記事では、それぞれの層の役割と三層構造説明します。
1. 三層構造の3つの層とは？
プレゼンテーション層（ユーザーインターフェース層）
ユーザーが直接操作する部分です。
ブラウザに表示される画面やボタン、入力フォームなどがこれにあたります。
ユーザーの操作を受け取り、適切な処理をビジネスロジック層に伝え、結果を表示します。
・WEBサーバー：ブラウザからの要求を受け取り画面を配信。
ビジネスロジック層（アプリケーション層）
アプリケーションの「頭脳」とも言える部分です。
ユーザーからの要求を受けて、処理のルールや計算、判断などのロジックを実行します。
例えば「商品の価格計算」や「ユーザー認証」などの業務的な処理を担当します。
・APサーバー：業務処理やロジックを実行するサーバー。
データ層（データベース層）
データの保存・管理を行う部分です。
商品の情報やユーザーの登録データなどをデータベースに格納し、ビジネスロジック層の要求に応じてデータを提供したり更新したりします。
・DBサーバー：データベースを管理しデータの入出力を行う。
2. 三層構造のメリット
1. 役割分担が明確で開発がしやすい
各層がそれぞれの役割に専念できるため、設計や開発の責任範囲がはっきりします。
例えば、デザイナーはプレゼンテーション層のUI部分に集中でき、プログラマーはビジネスロジックやデータベースの処理に集中できます。
2. 保守性・拡張性が高い
システムのどこかを変更したいときに、他の層にあまり影響を与えずに済みます。
例えば、画面のデザインを変えたい場合はプレゼンテーション層だけを修正すればよく、ビジネスロジックやデータ層には手を加えなくても良いことが多いです。
3. 再利用性が向上する
ビジネスロジックを他のアプリケーションでも使いたい場合、データ層やプレゼンテーション層を変えてもロジック層はそのまま使えます。
これにより開発の効率化が期待できます。
4. データの負荷分散が可能になる
三層構造では、ビジネスロジック層がプレゼンテーション層とデータ層の間に入ることで、データアクセスの集中を防ぎ、負荷を分散できます。
例えば、ビジネスロジック層でキャッシュを利用したり、必要なデータだけを効率よく取得したりすることで、データベースへの負荷を減らせます。
また、データ層のスケーリングや複数のデータベースサーバーへの分散も容易になるため、大量アクセス時のパフォーマンス改善につながります。