ああっ! あなたはうっかり monokai テーマを泉の中に落としてしまった!!
「そ、そんな……! おらの monokai テーマが……!!」
あなたは地面に手をつき、必死で泉の水を掬ったが……
monokai は、泉の底へと沈んでいったようだった。
そのとき、泉の上に光の窓が現れた
窓から光が溢れ出し、光は人の姿を象った。
頭上には光の輪が燦然と輝いている。背からは翼が生えていた。
『……ますか……聞こえていますか』
『今、あなたの心に直接呼びかけています……』
「め、女神様?!」
女神はあなたに問いかける
『あなたが落としたのは、赤の monokai ですか』
『黄色の monokai ですか』
『それとも、茶色の monokai ですか』
どれが本当の monokai なのか?
「女神様」
「おらが落とした monokai は、その中にはありませんですだ」
『……そうですか。お役に立てず、申し訳ありません』
女神は残念そうに答えた。
あなたは女神を落胆させたことを申し訳なく思った。
「そんな、とんでもねぇですだ」
あなたは慌てて首を振った。
そして、スラスラと地面へ monokai テーマを描きつけた。
「おらが落とした monokai は、こんな感じでしただ」
『……これ、は……』
「黒の monokai ですだ」
4 つ目の monokai である。
女神はしばし待つように告げ、窓を通ってどこかへと向かっていった。
真の monokai とは
再び窓から女神が姿を現した。
『お待たせしましたね』
『これが、真の monokai-emacs の姿です』
「これは……茶色の monokai ですだ」
『そう、 monokai は黒くありません』
『あなたには、真の 24bit 色のサポート が必要なのです』
真実の試練と terminfo
『あなたに truecolor_test を授けましょう』
#!/usr/bin/env bash
awk 'BEGIN{
s="/\\/\\/\\/\\/\\"; s=s s s s s s s s;
for (colnum = 0; colnum<77; colnum++) {
r = 255-(colnum*255/76);
g = (colnum*510/76);
b = (colnum*255/76);
if (g>255) g = 510-g;
printf "\033[48;2;%d;%d;%dm", r,g,b;
printf "\033[38;2;%d;%d;%dm", 255-r,255-g,255-b;
printf "%s\033[0m", substr(s,colnum+1,1);
}
printf "\n";
}'
あなたは丁寧に truecolor_test
を受け取り、自分の bin
の中にしまった。
あなたはいそいそとターミナルを取り出した。
そして tmux
に接続し、 truecolor_test
を呼び出した。
『このスペクトル……壊れていますね』
「そんな……」
『あなたには、 xtermi-24bit が必要なのです』
『この窓からリンク ↑ を辿り、真のターミナルを手になさい』
あなたは女神に導かれ、光の窓を通り抜けた。
そこは Spacemacs の世界だった。
世界の端で、あなたは真なる 24 bit color を目にし……
そして、それを元の世界へと持ち帰ったのだった。
真のターミナルが、 tmux へと繋がれるとき
True color を描くためには、 xterm-24bit
を手に入れた上で、
ターミナルの TERM
値と tmux
の default-terminal
を
xterm-24bit
に設定する必要がある。
あなたは TERM
値を xterm-24bit
に設定した。
そして、 ~/.tmux.conf
を書き換えた。
set -g default-terminal "xterm-24bit"
set-option -ga terminal-overrides ",$TERM:Tc"
すると、 truecolor_test
が、カタカタと震え始めた。
今こそ己を解放せよと、呼びかけてくるかのようだった。
——応えてくれるのか。
あなたが truecolor_test
を起動すると、大地が揺れた。
「女神様、おら……」
あなたの前で、初めてターミナルが真の姿を現していた。
そして、あなたが Emacs を起動したとき……
そこには真の monokai の姿があった。
でも女神様
「この monokai 黒くないですだ」
『それが真の monokai の姿なのです』
「……」
そのとき、はたと女神は気がついた。
『echo -e "\e[3mfoo\e[23m"
してごらんなさい』
「え?」
『 echo -e "\e[3mfoo\e[23m"
するのです』
あなたはせっせと echo -e "\e[3mfoo\e[23m"
した。
『なんということでしょう……』
「め、女神様。おら、何か悪いことをしてしまったのでしょうか」
真のフォントの姿とは
『斜体です』
「え?」
『斜体が出なければならなかったのです』
『あなたのフォントを見せてご覧なさい』
「は、はい。 Sauce Code Pro を使っておりますだ」
「このフォントで……あれ?」
『気づいたようですね。あなたのフォントは 欠損 しています」
再インストールするのです
『復旧できますか?』
「やってみますだ!」
あなたはおもむろに 'Sauce Code Pro'
を find
すると、
つらつら呪文を書きつけた。
$ rm /System/Volumes/Data/Users/toy/Library/Fonts/Sauce\ Code\ Pro*
$ brew tap homebrew/cask-fonts
$ brew cask reinstall font-saucecodepro-nerd-font
「で、できた……!」
「これで……これで……!!」
foo~~~~~~~~!
あなたは最高潮の気分で女神の方へ向きなおった。
だが、女神の姿は徐々に薄れていくのだった。
光の窓が閉じていく
「そんな、女神様……! おら、まだ女神様に助けてもらわねぇと……!」
女神の姿は、煙が広がっていくかのように
この世から失われつつあった。
『私の助けなど、大したものではありません。あなたを救ったのはあなた自身 1 です』
『あなたなら、自分の足で歩めるでしょう』
「女神様……! おら……おら、このフォント、大事しますだ!!」
光が空に溶けていく。
光の粒が 1 つ残らず散った後でも、あなたはしばらく泉が映す景色を眺めていた。
やがてあなたが泉の前から去ったとき、
あなたは以前よりも強くなっていたのだった。