インターネット
まず、IPアドレスとドメインについて説明する前に、インターネットについて簡単に説明します。
インターネットとは
インターネットとは、複数の機器をケーブルや無線などで繋ぎ、世界中で情報をやり取りできるネットワークのことを言います。これによりユーザーは、PCやスマホを通じて様々な情報にアクセスしたり、アプリケーションを利用したりすることができます。
インターネットの仕組み(WEBサイトが表示されるまで)
普段私たちが何気なく閲覧しているWEBサイトですが、裏ではどのように情報を取得し、表示されているのでしょうか?
WEBサイトが表示されるまでの流れ以下のようになっています。
- DNSサーバーにWebサーバーのIPアドレスを問い合わせる
- DNSサーバーからアクセス先のIPアドレスが返信される
- 受け取ったIPアドレスのWebサーバーにページデータを要求する
- Webサーバーから送られてきたページデータをブラウザで表示する
まず、ユーザーがブラウザで見たいサイトをクリックすると、サイトのURLが入力されます。インターネット通信では、DNSサーバーにアクセスし、URLに含まれるドメインをIPアドレスに変換し取得します。
そして、取得したIPアドレスのWEBサーバーにデータをリクエストし、WEBサーバーからレスポンスされたサイトデータをブラウザ上で表示しています。
IPアドレス
インターネットの仕組みがわかったところで、いよいよ本題となる「IPアドレス」について確認していきましょう。
IPアドレスとは
IPアドレスは、Internet Protocol Addressの略語で、「インターネット上の住所」と言われ、ネットワークに繋がっている機器(スマホやPC)に割り振られています。
見たことがある人も多いと思いますが、IPアドレスは「192.168.0.0」のような、8ビット(8桁)ごとに「.」で区切られ、 10進法で表記されます。
※8ビットは、2✖️2✖️2✖️2✖️2✖️2✖️2✖️2で256通りになる。
現実世界で、住所がないと郵便物を届けることができないのと同じで、IPアドレスが無いと、ネットワーク上で情報のやり取りをする際に、情報が間違った相手に届いてしまったり、そもそも情報が送れなかったりします。
IPアドレスは、インターネットに繋がるすべての機器(スマホやパソコン、Wi-Fiルータ、ポケットWi-Fiなど)に割り振られており、重複することはありません。
IPアドレスの種類01
IPアドレスには、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの2種類があります。
IPアドレスの種類 | 通信場所 | 通信機器 |
---|---|---|
グローバルIPアドレス | ・外部との通信 | ・サーバー ↔️ ルーター |
プライベートIPアドレス | ・家庭内の通信 ・会社内の通信 |
・ルーター ↔️ PC ・ルーター ↔️ スマホ |
グローバルIPアドレス
グローバルIPアドレスは、インターネット上で個々のデバイスを識別するために使用されます。一般的に、家庭や企業のネットワーク内のルーターに割り当てられています。
例えば、自宅でウェブページを閲覧する際、ウェブサーバーから自宅のルーターへデータが送信されます。この際、ルーターのグローバルIPアドレスが使用され、データの送信先である自宅のルーターを識別しています。一方で、ネットワーク内の個々のデバイス(パソコンやスマートフォン)は、プライベートIPアドレスを持ちます。
グローバルIPアドレスは、固定回線のルーターだけでなく、モバイルWi-Fiルーター(WiMAXやポケットWi-Fiなど)にも割り当てられます。これらのIPアドレスの割り当ては、各プロバイダ(事業者)によって行われます。
なお、グローバルIPアドレスの割り当てを管理しているのは、ICANNやJPNICなどの組織で、インターネット上のアドレスやドメイン名の管理を担当しています。
プライベートIPアドレス
プライベートIPアドレスとは、家庭内や社内のネットワーク(LAN)で使用され、個々のデバイス(PCやスマホ)に割り当てられたIPアドレスのことです。ルーターと各機器(PC・スマホ・プリンターなど)との通信に利用されます。
なお、グローバルIPには同じものが存在しませんが、プライベートIPは、異なるネットワークであれば同じ番号が存在する場合もあります。
プライベートIPアドレスは、会社内や組織内、家庭内でしか使われないため、外部に同じ番号があっても問題ありません。また、自由に設定することもできます。
例えば、A社内のPCに「192.168.0.2」というプライベートIPがあり、B社内のネットワークにも「192.168.0.2」のIPが存在することはあります。
なお、グローバルIPはプロバイダから割り振られますが、プライベートIPはルーターが振り出します。
また、外部とインターネット接続する際には、ルーターのNAT機能(プライベートIPをグローバルIPに変換する機能)を介して通信が行われます。
IPアドレスの種類02
IPアドレスには、用途別のグローバルIP・プライベートIPの他に、接続方式による分類もあります。それが動的IPアドレスと固定IPアドレスです。
IPアドレスの種類 | 接続方法による分類 |
---|---|
グローバルIPアドレス | ・動的IPアドレス ・固定IPアドレス |
プライベートIPアドレス | ・動的IPアドレス ・固定IPアドレス |
動的IPアドレスと固定IPアドレスは、グローバルIPアドレス・プライベートIPアドレスのどちらにもあります。
動的IPアドレス
動的IPアドレスとは、常に同じ番号ではなく、変動するIPアドレスのことです。一定時間が経過したり、接続をし直したりするごとに、IPアドレスが変わります。
公衆の無線LAN・Free Wi-Fiで使われているのは、基本的に動的IPアドレスになっています。
固定IPアドレス
固定IPアドレスとは、動的IPとは反対で変動しないIPアドレスです。何回接続し直しても、IPアドレスが変わることはありません。
固定IPが必要になるのは、IPアドレスでアクセス制限をかける場合などです。
例えば下記のような利用例があります。
- サーバ: ウェブサーバ、メールサーバ、FTPサーバなどのインターネット上で公開されるサービスを提供するサーバは、固定IPアドレスを使用してアクセス可能にします。
- リモートアクセス: リモートアクセスVPNや遠隔デスクトップ接続などのサービスを提供する場合、固定IPアドレスを使用することで、ユーザーが常に同じアドレスにアクセスできるようになります。
- ドメイン名の紐付け: ウェブサイトやオンラインアプリケーションに固定IPアドレスを使用して、ドメイン名と関連付けます。これにより、ユーザーがドメイン名を使用してアクセスしたときに、常に同じサーバにアクセスできるようになります。
ドメイン
IPアドレスについて理解できたところで、IPアドレスと深い関わりのある「ドメイン」について確認していきましょう。
ドメインとは
ドメインとは、IPアドレスと同様にインターネット上の住所に当たり、IPアドレスの数値を**利用者(人間)が認識しやすい文字列に変換(置き換えた)**ものを指します。
【例】ホームページアドレス:https://xxxxx.com (xxxxx.com部分)
【例】メールアドレス:xxx@xxxxx.jp (xxxxx.jp部分)
ドメイン名の構造
ドメイン名は、重複しないように一意に発行・管理されており、主に4つのレベルから構成されています。
レベルドメイン | 説明 |
---|---|
トップレベルドメイン | ".com" や ".jp" など、分野別で世界中の誰でも登録できるドメイン部分です。 |
第2レベルドメイン | 用途を表します。一般的には企業名や組織名が使用されます。 |
第3レベルドメイン | より具体的な識別子として用いられ自由に選択できます。日本語を含めることが可能です。 |
第4レベルドメイン | こちらも自由に決定可能です。サブドメインと呼ばれ、特定のウェブページやサービスを識別するために用いられます。 |
まとめ
IPアドレスもドメインインターネット上の住所に当たります。
IP アドレスは数字がたくさん並んでいるだけなので、人間が見た場合どんなサイトか識別しにくく、覚えにくい状態です。それをできるだけ覚えやすくしたものが「ドメイン」となります。
IP アドレスおよびドメイン名は、サイトごとに全て異なり重複することはありません。