はじめに
地方の小さい企業で社内SEに従事することはや5年。
現職に入社後はシステム運用・保守をしながら、独学でWebの勉強をしてきました。
Webを触っているうちにWebエンジニアとしての道を歩んでみたくなったこと、もっとキャリアアップしたかったなどの理由から転職を決意しました。
今までWebをやってこなかった人間がどうやって転職をすることができたのか。
全くの未経験から、どんな活動を行ってきたのか。
ここで自分のノウハウをシェアすることで、少しでも同じ立場の方のお役に立てればと思います。
一度転職エントリーというものを書いてみたかった。
心構えとか
実は転職したいという思いがフッと湧いてきたわけではなく、結構前から準備をしていました。
準備する中でどんどんと転職の意志が固まってきたと言うか。
このことは後述するアクティビティログからも読み取れると思います。
事前に心構えをすることでスムーズな転職ができたと思うのですが、常日頃からいつ転職してもいいように準備しておくことで、急な決断が迫られたときにもサクッと動けるのかなと。
少なくとも私は、この心構えを持っておくことで考え方がガラッと変わったと思っています。
やったこと
-
勉強会・カンファレンスに積極的に参加する
- 基本的に前職都合により勉強会費用は全て自費でしたので、勉強会費用を積み立てていました。
- 年間予算として計上するとカンファレンス参加費用もそんなに痛くない不思議!
-
登壇する機会を積極的に狙っていく
- LTだったらなんとか話せそう!というお気持ちの元、ガンガン申し込みました。
-
アウトプットを心がける
- Qiitaをメインに、自分なりに迷ったことを記事としてまとめました。
-
個人サービスを作ってみる
- ちょっとおもしろそうなアイディアが浮かんだので、それをそのまま個人サービスにしてみました。
- 多分スゴイものを作ることが大事なのではなく、自分で何かを作ってみるということが大事なのかなと思います。
-
実行委員として活動開始
- 個人的に参加するだけではなく、イベントを裏方で支えることも好きでした。
- 結果、気づいたら実行委員に立候補していました。
- ただ参加するだけでは見えてこない部分も肌で感じられました。
-
個人名刺を作成する
- 自分の名前・スキルセット・趣味などを記載した名刺を作成。
- 後述のプロフィールサイトへのリンクも掲載しました。
-
色んな方に名刺を配る
- 勉強会に参加した際に、作った名刺を鬼のように配り歩いていました。
-
プロフィールページを作成する
- about.me というサービスで簡単な自己紹介を作成しました。
-
定期的に自分自身を振り返る
- 今やっていることや自分のスキルセット、こうなりたい!みたいなことを定期的に考えました。
勉強会系
- 勉強会・カンファレンスに積極的に参加する
- 実行委員として活動開始
- 登壇する機会を積極的に狙っていく
ここで大事なのは、まずはアウトプットの質は考えないでとりあえずやってみることだと思います。
一歩踏み出した段階で、すでに踏み出していない時間軸の自分に比べて何歩も先を進んでいることは間違いありません。
アウトプットを続けていけば自然と中身も伴ってくると思いますので、まずは一歩を踏み出してみませんか?
アクティビティログ
簡単にアクティビティログをまとめてみました。
内容 | 年月 | 概要 |
---|---|---|
Agile Japan 2016 長崎サテライト with NaITE | 2016年7月 | 「このまま無作為に年齢を重ねたくない」と思っていたところ、長崎で勉強会が開催されているのを知って参加しました。 この場に参加したから今の自分があると思っています。 |
Agile Japan 2017 長崎サテライト with NaITE | 2017年7月 | 一年期間が空いて、再度同じイベントに参加。 一年前とは比較にならないほどアジャイルについての理解が深まっており、自分でもびっくりしたのを覚えています。 |
NaITE 実行委員に参加 | 2017年7月 | 前述イベントの打ち上げで、「地方に勉強会が少ないなら自分で企画すればいいじゃない」という思いの元、実行委員に立候補。 今でも楽しく活動しております。 |
XP祭り2017 | 2017年9月 | 人生で初めてLTというものを体験しました。 参加者の皆さまが暖かく受け入れてくださって、とても勇気をもらえたのを覚えています。 |
JaSSTソフトウェアテストシンポジウム 2017 九州 | 2017年11月 | XP祭りの熱が冷めないうちにということで、テスト系のシンポジウムにも参加してみました。 いかにバグの少ない高品質なサービスを提供するかについて考えるいい機会となりました。 |
個人サービスの開発に着手 | 2017年12月 | かねてより開発したいと思っていたサービス開発に着手しました。 |
3rd長崎 QDG | 2018年2月 | NaITE実行委員として初めての勉強会でした。 企画する側に回ることで初めて見えてくるものもあって、とても勉強になりました。 |
JaSST九州 実行委員に参加 | 2018年3月 | テストクラスタの方々と交流を深めていくうちに、実行委員として活躍したいと思うようになり立候補しました。 |
PHPカンファレンス福岡 2018 / 前夜祭 / After Hack!!(後夜祭) | 2018年6月 | カンファレンスでLT、後夜祭で15分ほど話させていただきました。 転職を意識し始めた時期でもあり、周りのスゴイ級エンジニアの方々と自分との乖離に悩んだこともありました。 |
転職活動を開始 | 2018年7月 | この辺りから実際に転職支援サービスの利用を開始しました。 この話は後ほど深掘りさせていただきます。 |
YYPHP #44 | 2018年7月 | いま、リモートからも参加できる勉強会 YYPYP がアツいと思ったので初参加しました。 今後も継続的に参加したいと思います。 |
Agile Japan 2018 | 2018年7月 | 長崎サテライトの実行委員長としてイベントを成功させるべく東京のカンファレンスにも参加しました。 |
NaITE #28 プロダクトオーナーシップ & Agile Japan 2018 参加報告 | 2018年7月 | NaITEの勉強会でAgile Japanの参加レポートを行いました。 |
Developers Summit 2018 FUKUOKA | 2018年9月 | 帰省を兼ねて参加予定です! |
Agile Japan 2018 長崎サテライト with NaITE | 2018年9月 | |
退職予定 | 2018年9月 | |
JaSSTソフトウェアテストシンポジウム 2018 九州 | 2018年11月 |
アウトプット
- アウトプットを心がける
技術的なアウトプットをQiitaにするようにしていました。
特に記事を書く際は「誰かに見てもらって、たくさん"いいね"をもらうんだ!」という功名心バイアスがかかってなかなか手が止まりがちです。
が、「未来の自分のための備忘録」と思って書くと割とスムーズに書けますし、長続きするかなーと。
もちろん、見られることを意識して記事の質が上がるに越したことはないのですが…。
個人サービス
- 個人サービスを作ってみる
学んできたことを活かして自分でサービスを作ってみました。
自分の中で漠然と「枠」みたいなものが広がったかなと思っています。
知人と数名でプロジェクトを立ち上げました。
ペルソナで顧客のユースケースを仮定してみたり、カンバンで進行状況管理したり、モック作って動かしてみたり…。
マネジメントの難しさと楽しさ、相互認識のすり合わせ、UI/UXなどなど…色々と考えることがいっぱいでした。
まだリリースできていないので急いでがんばります。
場所によっては「実際に動いているところを見たいです!」と言ってくださる企業様もありますので、事前に準備しておくとよいかもしれません。
人脈
- 個人名刺を作成する
会社の名刺を配りすぎて怒られたので自分のスキルセットやプロフィールページへアクセスしてもらいたかったので、完全個人で名刺を作成しました。
スキルセットや趣味、SNSアカウントに加えて後述のプロフィールサイトへのリンクをQRコードにして埋め込んでいます。
が、QRコードからのエンゲージが少ない点、フリーランスと間違われる点など、改善すべきことはいくつかあるみたいです。
- 色んな方に名刺を配る
せっかく作ったのでたくさん配りましょう。
ウラ話:
私のTwitter上でのキャラが濃すぎるせいか、名刺を渡した方がリアルの私と結びつかず混乱させてしまうようです。
セルフブランディングの方向性は最初に決めておいたほうがいいかもしれません…。
名刺にアイコンと写真を乗っけておくのが一番手っ取り早いのかなぁ、と思っています。
- プロフィールページを作成する
about.me で自己紹介と各種SNSへのリンクを記載しました。
過去のLT資料なんかも全て掲載しています。
本当は名刺→QRからプロフィールサイトへ→各種SNSフォロー数アップ、を狙っているのですが、なかなか結びつかず。
難しいものです。
その他
- 定期的に自分自身を振り返る
転職のみならず発表する際に自分の経歴などを話す機会があると思うので、この辺りは自然とやっていました。
5W1Hで掘り下げていくといいかもです。
定期的なスキルセットの棚卸しをやっておくと後々が楽になりますよ。
例:
5W1H | 訳 | 一例 |
---|---|---|
When | いつ?いつから? | 2017年12月から今まで |
Where | どこで? | オンライン上で |
Who | 誰が?誰と? | 知人と数名で |
What | 何を? | 個人サービスを |
Why | なぜ? | スキルアップをしたくて |
How | どのように? | PHP(Laravel)やVue.jsを用いて |
転職ノウハウ
譲れない条件を決めておく
私の場合、企業を選ぶ際に
1.地元から転勤がないこと
2.何らかの形でWebの技術に触れていたいこと
3.年収は今ベースであること
の3つの軸を決めていました。番号は優先度順です。
この辺ブレてくると色々悩んでしまうので、まずはプライオリティを決めておくといいかもです。
転職活動の流れ
-
選考前
- 転職支援サービスに複数登録する
- 履歴書・職務経歴書を準備する
- エージェントに添削してもらう
- 想定質問事項を準備する
- エージェント経由で企業に応募する
-
書類選考通過後
- エージェントに模擬面接を行ってもらう
- 一次面接に行く
-
一次面接通過後
- 企業研究を再度行う
- 最終面接に臨む
-
内定後
- 各種手続きを済ませる
利用した転職支援サービス
サービス名 | 利用したサービス | 感想 |
---|---|---|
リクルートエージェント | ・キャリアシート(履歴書) ・職務経歴書 |
大手ということもあり求人数は最多かと。 職務経歴書はここをベースにWordで少々いじったものを利用しました。 面接の日程調整なども手厚くやってくれるイメージ。 履歴書を更新後、見た目上は即時反映されるものの、ダウンロード用ファイルへの反映は1日ほど時間がかかります。 |
DODA | ・履歴書 ・職務経歴書 ・面接対策 ・電話によるプレ面接 |
求人数は若干劣るものの、意外と掘り出し物求人が多い気がします。 Web履歴書をダウンロードすると何故か白紙で手書きを求められてしまうという。正直、履歴書他はリクルートエージェントの方が使い勝手がいい気がしました。 面接対策などはかなり手厚くやってくれます。オススメ。 反面、企業との日程調整の交渉能力はそこまで高くないイメージです。 |
多分エンジニア向けだと Green とか Wantedly のほうがアツいのかな?とも思いましたがそもそも非エンジニアからエンジニアへの転職だったもので、大手さんを使うという戦略を取りました。
エンジニアさんであれば 転職ドラフト なんかに登録するのも面白いかもしれません。
ただ、どのエージェントサービスを利用したとしても書類通過後に面接を辞退することはできませんので気をつけてください。
面接後になんか違うなーと思ったら辞退は可能ですが、全く興味がないところに無闇やたらと申し込んだ挙げ句、面接ラッシュ!ってのも避けたい事態ではあります。
無論それだけ書類が通りまくるということも稀なので、私の場合は取らぬ狸のなんとやらでしたが。
これは完全に人によるのですが、 ここのサイト によると書類選考通過率は約30%、一次面接通過率が約40%、役員面接通過率が約50%だとのことです。
書類選考 | 一次面接 | 役員面接 | 内定獲得 |
---|---|---|---|
20社 | 6社 | 2.4社 | 1.2社 |
正直なところ、個人的な肌感としては一次通ったら役員面接は大体通るように思いますし、書類選考も(よっぽど企業とのレベルの乖離がなければ)もう少し通るような気はしています。
平均値や中央値を取るとこんな感じでしょうか。シビアですね。
ちなみに個人的なお話をさせていただくと、下記のようなデータになりました。
応募 | 書類選考通過 | 一次面接通過 | 役員面接通過 | 内定 |
---|---|---|---|---|
7社 | 5社 | 3社 | 3社 | 3社 |
履歴書・職務経歴書を書く
私はこの作業がキライでした。何書いていいのかが分からないからです。
ですので「これだ!」ということは書けないのですが、「こうしたらうまく行ったよ」的なメソッドを紹介させていただければと思います。
履歴書は職務経歴書に比べて簡単かなーと思っています。基本的には事実情報を記載するためです。
- 住所などの基本情報
- 学歴などの情報
- 資格などの情報
- パーソナリティ(趣味など)の情報
- 簡単な職歴・年収などの情報
これに対して職務経歴書はクセモノであると思いました。
私個人の感想なので、そんなことないよーって方はいらっしゃると思いますが…。
試行錯誤の結果、次のような構成で仕上げました。
- 職務要約
- スキルセット
- 資格
- 自己PR
- 職務経歴
- 担当期間・人数
- 担当したプロジェクトの概略
- プロジェクトを掘り下げた情報・補足など
- 使用した技術など
「職務経歴」は担当したプロジェクトや定例的に発生する業務など、グループごとに記述しました。
ではそれぞれの業務や自己PRをどう深掘りするのか、私が使ったメソッドを軽くご紹介します。
マンダラートで自己分析
かの有名な大谷翔平選手が利用されていた、マンダラートを使いました。
これで大まかな枠を絞り込んでいきます。
マインドマップで想像を広げる
私はやりませんでしたが、マインドマップ を使ってさらに思考を発散させるとまた新たな視野が得られるのではないかと思います。
なぜなぜ分析
なぜなぜ分析 を用いて「なぜ?」を5回繰り返すと納得感のある具体的な内容になると言われています。
それぞれの業務を5W1Hで洗い出し
担当業務を5W1Hで洗い出してみました。
とは言え全てを記述していると冗長になってしまうので、必要な部分だけ残して他人が見て最低限分かる程度まで削ぎ落としました。
この辺りは知人やアドバイザーの方に見てもらうといいかなと。
基本的に職務経歴書に書く内容は最低限概要が分かればいいと思っています。
何故かと言うと、面接の場で突っ込まれることになるからです。
逆に突っ込んでもらいたいところをわざとボカすというのもアリかもしれません。
自己PRは軸を3つ程度に絞ってみる
自分の長所やアピールできることを3つ程度に絞って、まずは一言で言い切ります。
そしてそのことを掘り下げていくといいように思います。
例:
軸 :私はアウトプットに力を入れてきました
内容:
私は社外活動に力を入れており、積極的に勉強会やカンファレンスへの参加を行っております。
積極的に発表の機会があれば申し込み、疑問に思ったことや学んだことはQiitaでアウトプットするよう心がけています。
アウトプットを通じてより自分自身の中で理解を深めるとともに同じことで悩んでいる方の一助となればと思ったのが初めたきっかけですが、「参考になりました」などの言葉をいただけるとやっていてよかったと実感できたため、今後も続けていく所存です。
これを組み合わせて一つの自己PRを作成します。
軸1
~内容1~
軸2
~内容2~
軸3
~内容3~
書類は複数支援サイトでブラッシュアップする
基本的にエージェントは一社でもいいのかもしれませんが、私は2社の視点から校正を行ってもらいました。
エージェントごとに得意な業界があったり~~するかどうかはわかりませんが、~~論法がアドバイザーの方によって様々であったり、自分に合った話の持っていき方をしてくれるかだったりと、比較することでいろいろ利点があるため、複数のアドバイザーに見ていただくといいと思います。
より納得感のある書類を作成できるといいですね。
面接の想定質問事項に備える
さて、書類の準備と並行して行っておくといい準備に「面接対策」があります。
ここで言う面接対策とは模擬面接のことではなく、想定質問事項を埋めていくテキストベースの準備のことを指します。
「書類が通過してから準備してもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、先に行うメリットがあります。
-
想定質問事項を埋めることで履歴書・職務経歴書にフィードバックできる
- 自分では「完璧だ!」と思っていた書類でも、想定質問事項を埋めた後に見直すと足りない部分に気づくはずです。
- 自然と各種書類をブラッシュアップできるので、先に準備することをおすすめします。
-
何かと忙しい面接前に慌てずに済む
- 私は面接前になると気持ちが浮ついてしまってあまりハマって準備ができなくなります。そうなる前に先回りして準備しています。
- 特に後述する「個別部分」の対応だけでよくなるため、面接前に必要なコストが格段に下がります。
-
エージェントの模擬面接がより有意義なものになる
- 一度自分の言葉で落とし込んでいるため、模擬面接がより効率的なものになるでしょう。
「想定質問事項」の中でも、いわゆる全社に使い回せる「共通部分」と「個別部分」があります。
共通部分
基本的に「業界」もしくは「業種」が定まっていれば、ほぼどの企業でも使える共通部分が多いと思います。
-
自己紹介
- 今までの経歴を一通りと、自分の長所や仕事する上での心構え、今努力していることなどを話せるといいかなと思います。とは言えあまり長くなりすぎてもなあって感じなので、1~2分で話し終える程度で?
-
退職理由
- 退職理由と志望動機は表裏一体的なところがあります。「現職では経験できないことを」「御社でやっていきたいと思います」という話法で持っていきたいところです。
- が、あまり現職disがすぎると「入社後に同じことにならないかな」って思われてしまう可能性があるので程々に。
-
将来のビジョン
- 中短期で見たビジョンと長期的に見たビジョン、2つの軸から話せれば完璧です。とは言え長期的なビジョンは話しにくい部分もあるかと思いますので、締めは「御社で働く中で研鑽を積み、その時の情勢を見ながら判断していきたいと思います」的な言い回しでもいいかも。
-
自分の強み・長所・短所
- 長所を過激に、あるいは裏返しにしたら短所です。で、「短所を自覚しているのでこういうふうに改善しようとしています」って話に持っていけばOK。
- イジワルなところだと「仕事面と絡めて」お願いします(ニッコリ)的なところもあるので、適切かつ妥当な感じで準備しておけばいいかなと。
-
現職で一番苦労したこと、達成感を覚えたこと
- これはあんまり聞かれたことないですけど、聞いてくるところもあるのでネタは準備しておいたほうがいいかな。
- とは言え顧客DBすっ飛ばして死にかけましたHAHAHAみたいなシャレにならないやつはNGで。
-
仕事をする上で大事にしていること
- たまーに聞かれます。
-
あなたから企業に向けて、なにか聞きたいことはありますか?
- いわゆる逆質問。「この質問で何か聞けるようにに準備しておいてください」ってエージェントの方がおっしゃっていました。面接する上で解消されてしまう場合もあるので、何パターンか考えておくことをおすすめします。
個別部分
基本的に「志望動機」が個別部分に該当します。と言っても企業ごとに白紙の状態から作る必要はありません。
ではどうするのかを見ていく前に、先にネタバラシをしちゃいます。
よく例えられるのが告白する場合です。
例えば「優しいから好き」だけだと、いや他に優しい人いっぱいいるじゃん…ってなっちゃいますよね。
「優しくて・思いやりがあって・頑張り屋で・笑顔が可愛いから」好き、って言われると「よろしくお願いしまぁああぁああぁす!」ってなりませんか?※個人の感想です
要は軸を複数持つことで絞り込んで行こうぜ!ってことです。
これをリクルート活動に当てはめると、よく言われる軸としては…。
1.自分のやりたいことと企業がやっていることを重ね合わせる
2.企業が力を入れていることに共感した、ということを述べる
3.自分の強みを企業で活かせるというアピール
4.入ってからこういう形で貢献したい、頑張っていきたいというアピール
5.現職で達成できないことを御社で達成していきたいという思い
など、複数の側面から志望動機を組み立てていけばいいと思います。
ここで各項目をモジュール化しておくと、主に3.4.5.は自分起因の動機であるため、大体使い回しできます。
ただ5.は正直、諸刃の剣感が否めないです。内容によっては「自分で改善しようとしなかったの?」とか「個人レベルで対策しようとしたの?」とかの追加質問で沈する可能性が。
あとは企業理念や新卒採用ページなどからその企業の特色に合った志望動機を組み立てて、各項目をマージして、文体を整えてあげれば志望動機の完成です。
個人的に思うのですが、新卒採用ページは(企業理念的な意味で)宝の山だと思うので一通り読んでおくといいかなと思います。
番外編:「やってきたこと」「やっていること」「やってみたいこと」
これは面接と直接関係ないのですが、この3軸を自分の中で整理しておくといいかもしれません。
-
やってきたこと
- 過去軸のお話です。今までやってきたこと、今の自分を形作るファクターをピックアップしておくと書類にも反映しやすくなる他、イレギュラーな質問にも紐づけて回答しやすくなります。
- あと単純に「これだけのことをやってきたから大丈夫!」って思いが高まって自信につながる場合も。
-
やっていること
- 現在軸。今取り組んでいること(資格試験、勉強会への参加など)をピックアップしておきましょう。
-
やってみたいこと
- 未来軸。今後やってみたいことや今気になっていることなどを抑えておくと、面接時のプラスアルファに有効です。
- 「個人として」「企業の人間として」という2軸で考えるとなおGood。
模擬面接
主に書類選考通過時にエージェントから連絡が来て「電話で模擬面接のお手伝いしますよー」って言っていただけると思います。
言われなかったら催促してもいいと思います。
不安を払拭するためにも一度やっておくと自信につながるので、ぜひ一度お試しください。
面接
さあて、いざ面接です。
私の場合は面接がそんなに嫌いではないタイプの人間だったので、あまり苦労はしませんでしたが…。
何点か気をつけていた点、注意しておくべき点などをお伝えできればと思います。
-
アイスブレイクを率先して行う
- 「~と申します。本日はお忙しいところお時間をいただきありがとうございます。」とか
- 「本日はどうぞよろしくお願いいたします。」とか
- 「恥ずかしながら緊張しておりまして、お聞き苦しい点があるかと思いますがどうぞよろしくお願いします。」とか
- 率先して言うと少しは緊張がほぐれます。
- 面接官の方がアイスブレイクしてくださるところもありますが、自分から言っといて損はないような気がします。
-
回答は要点から先に
- 「長所はなんですか?」「私の長所は思い切りがいいところです。根拠は~」といった感じで、先に結論を言えると「おっそうだな」となりやすい気がします。
-
分からないことは分からないでもいいんじゃないかな
- 「~についてはどう思いますか?」で回答できない場合、ある程度は正直に答えてしまってもいいのかなと思っています。でもそれだけだとアレなので、「現時点では理解が足りていないので今後前向きに勉強していきたいと思います」と言うようなフォローは大事。
- 分からないことは悪いことではないです。知ろうとする姿勢が大事です。
-
面接当日は当社比120%程度で
- 熱意をアツく語る分には悪いことはないと思っているので、どんどんアツさを押し出してもいいのではと。
- ただし独りよがりにならないように、場の空気は見つつ熱意を伝えていきましょう。
-
面接当日はポジティブに
- どうしても自信のないところは声が小さくなってしまい、ネガティブな意見などが出てしまうことはあります。
- ですがそこで話を転換して、「~ということもありますが、(プラスな内容)に転じていきたいと思っています」みたいな感じで前向きに持っていけるといいですね。大事。
- 「災い転じてなんとやら」の精神で、マイナスをプラスに転化していきたいですね。
-
志望動機は覚えない
- 私も転職活動を始めた当初は「志望動機は一言一句間違えないように言わなくては!」と思っていました。
- でも本当に大事なのは、多少しどろもどろでも自分の言葉で言う、ってことだと思うんです。
- そう思うようになってからは「キーワード」だけ頭に叩き込んでその用語を使って都度しゃべる、っていう形式に変えました。
各種書類に全然書いてないことや一貫性のない話にならないかだけ気をつけてくださいね!
-
面接を楽しむ!
- 私が面接好きなタイプなのでこう言えるのかもしれませんが…。面接の場って、一種の「アウトプットの場」だと思うんですよね。
- 自分という人間を知ってもらって、魅力を感じてもらって、一緒に働きたいと思ってもらう…。まさにプレゼンの場だと思います。
- そんな中、会話というボールのぶつけ合いになってしまうのは個人的に寂しい思いがします。できればキャッチボールをしながら、面接という場を楽しめればいいなあと思って臨んでいます。
-
ボディランゲージ使ってみる
- 気の合う人達と話していると自然と身振り手振りが出てしまうこと、ありませんか?面接の場でも意図的にボディランゲージを使うことができれば、会話が弾みやすくなる…ような気がしています。
-
答えにくい質問のときは質問をオウム返しして時間を稼ぐ
- ちょっとズルい技ですが…「~という質問でよろしかったですか?」とあえて聞き返すことで考える時間を捻出し、しかも質問の意図にミスマッチがないか、自分の言葉で確認することもできます。
- それでも間に合わない場合は正直に「ちょっと考える時間をください」でも大丈夫だと思います。
内定後の準備
正直な話、ここからは「今後する対応」になってくるので、自分の備忘録的要素が強くなりますが。
今後実際に手続きをしていく上で随時更新していきたいと思います。
退職届の提出
いざ退職日が決まったら、退職届を提出しましょう。
本来であれば退職願→受け取ってもらえなければ退職届、という流れになるみたいですが。
この辺はむしろ社内規定なんかを読んでいただき、上長に相談したほうがいいと思います。
が、基本的に退職は「被雇用者の権利」ですので、「社内規定では認めていない!」とか「非常識だ!あり得ない!」とか言われてもそれを裏付ける根拠も法律もないのでめげずに頑張ってください。
とは言え円満退職できるに越したことはないので、皆様が上手に退職できることを祈っております。
ちなみに今は このようなサービス もあるみたいですね。
すごい時代になったものです。
なお、「手書き」「印刷」で迷われる方がいらっしゃるかもしれません。
基本的に所定の様式などはない ので、どんな形でも問題ないのですが…。
会社によっては「日付・所属・名前は手書きでね」あるいは「全部手書きじゃないと受け取らないゾ」なんてところもあるので、事前に確認しておくとトラブルを避けられるかもしれませんね。
退職後に返却するもの
- 健康保険被保険者証
- 社員証
- 名刺
- 会社備品
などなど。
退職後に会社から送られてくる書類
以下の書類の出処を含め、どうやって準備できるか確認しておきましょう。
- 離職票1(離職証明書 安定所提出用)
- 離職票2(本人用)
- 退職後に郵送されてくる。
- 転職先が決まっている場合、特段求められなければ必要ない。
- 発行されない場合は こちら。
- 源泉徴収票
- 基本的に退職日に合わせてもらえる。
- これをもらっていないと 個人で確定申告を行う必要がある 場合も。
- 雇用保険被保険者証
- こちらは転職先企業に提出する必要がある。
- 雇用保険失業給付にも使われるので、必ずもらうこと。
- 年金手帳
- こちらも転職先企業に提出する。
- 転職先が決まっていない場合、一時的に国民年金への切り替えが必要。
必要な手続き
これらの手続きは転職先への入社に時間がかかる場合に必要になってきます。
働かない期間を作らない場合、必要のない手続きです。
- 国民年金切り替え
- 健康保険切り替え
- 失業保険の対応
各種手当てについて
さて、ここからは知っておくとうまく利用できるかも知れない制度をご紹介いたします。
ちなみに私は利用できませんでした。
以下は全て「一旦完全に仕事を辞めてから」受給できる手当になりますので、在職中に転職を決めたい方は読み飛ばしてください。
失業手当について
転職サイト によると一応もらえはするのですが、条件が結構色々あります…。
「正当な理由なし」の場合
例えば、転職や起業を目的とした自発的な離職のことです。
【受給条件】
・ 離職日以前の2年間に、被保険者期間が1年以上あること
・ 待期期間(※2)7日間満了後、さらに3カ月の給付制限期間(※3)がある
※2 離職票提出と求職申込みをした日から失業保険支給までに設けられている期間のこと(7日間)。
離職理由に関わらず、一律に適用される。
※3 待期期間満了後に設けられている、失業保険支給までの一定期間のこと。条件によって期間が異なる。
…要は
- 1年以上連続して雇用されている必要があって
- しかも退職後7日間何もしない時期が必要で
- 更にそれを満たしても3ヶ月間は全くもらえない
ということみたいです。
早期就業手当について
一方、それに相当する手当として 早期就業手当 という制度があります。
こちらの条件としては
・就職日の前日までの失業保険の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上あること
・1年を超えて勤務することが確実であると認められること
・待機満了日後の就職であること
・自己都合退職などで給付制限がある場合には、待機満了後の1ヶ月については、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介業者の紹介による就職であること
・退職前の雇用主に再び雇用されていない
・就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
・受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されていないこと
・原則、雇用保険の被保険者要件を満たす条件での雇用であること
・就職したあとすぐに離職していないこと
…はい、あんまり一般の人に関係ない条件を外して要点かいつまんで見てみると、
- 退職後7日間の間にハロワに届け出を出していて、しかもその間は労働をしていないこと
- 在職中に転職活動をしてはならない(正確には転職活動はOK、ハロワに届け出る前に内定が出たらNG)
- すぐに就職する場合はハロワもしくは「紹介証明書」を書いてくれる職業紹介所を経由した求人であること
ということになります。
紹介証明書 が発行される条件は以下の通りだそうです。
紹介証明書はどんな場合に書いてもらえる?
転職サイト(リクナビ、マイナビ等)を利用、そこに載っている案件に関して自分でクリックしエントリーした場合(直接応募)
→書いてもらえません。
転職サイトに登録した上で、転職支援サービスに申し込み、自分担当のコンサルタントがついたうえで、紹介してもらった案件に応募した場合
→書いてもらえます。
早期就業手当を受給するためには、
- 退職後即ハロワ行って手続き済ませる
- ハロワ手続きまでは内定をもらわない
- 退職後一週間は入社しないように調整する
- 予めエージェントに「紹介証明書」を書いてもらえるか打診しておく
という手順を踏む必要があります。
でもうまくやると約20~30万程度の手当が入ってくるみたいなので、狙えるなら積極的に狙っていったほうがいいかもです。
→加入歴はリセットされてしまう点に注意してください。
→10年単位で支給額が変わるため、例えば5年以内の転職でかつ期間が空く場合はその限りではありません。
終わりに
個人的に転職活動を行ってみて、やはり「自らアウトプットを積極的に行っている」という点を評価していただいた企業様が多かったように感じます。
年齢の件もありますが、「現在のスキルレベル」はもう変えようがないので、「これからどうしていきたいか」にフォーカスして話したことが結果的に功を奏したのかなと。
新卒時の転職活動と違い、中途採用は即戦力を求められる反面、面接の内容も最適化されているため、個人的には転職活動のほうが性に合っている気がしました。
一つだけ言えることは、「マイナスをプラスに転化していく」ことが大切なのかなと。
後ろ向きな退職理由はひっくり返せばポジティブに、自分の弱点は裏返せば長所に。
前向きに進もうとしている姿勢は絶対に評価してもらえると思います。
反省点を上げるとすれば、「最近どんな技術に興味がありますか?」ってやつです。
興味あるものはいくつかあったのですが、じゃあ触って試しているかって言うとNoだったんですよね。
少し調べればドキュメントや前例がたくさん出てくる今、「興味あるけど触ったことないです」は思い返せば致命的だったな、と反省しております。
これを機にもっと日頃から新しい技術に触れ、アウトプットをしていきたいと思った所存です。