インターネット老人会の魔法書 Advent Calendar 2023 の21日目の記事です。
DAT
デジタルオーディオテープ(DAT)は、デジタル方式の音声記録媒体である。その特徴は、複製時やテープの摩耗などによる波形の歪みが起こりにくく、CDを超える高音質での記録が可能であることだ。
これらの特性から業務用機器で普及した。
しかし、一般消費者向けとしては過剰品質で製品が高価すぎたため、アナログテープや後に現れたミニディスク(MD)などの規格に押され、あまり普及しなかった。一部の音響沼の間では絶賛されてはいた。
MD
一方、ミニディスク(MD)は、1991年にソニーが発表したデジタルオーディオの光学ディスク記録方式である。MDは、ディスクの直径が64mm、厚さ1.2mmで、カートリッジは横72mm、縦68mm、厚さ5mmとなっており、傷やほこりに強い点が特徴的だった。発売当初は録音メディアの主流はカセットテープであったが、MDは曲のスキップが可能で、カセットより薄く持ち運びがしやすい点が優れていた。しかし、CDと比べると音質や情報量で劣り、発売当初のものは記録量が少なかったこともあり、なかなか受け入れられなかった。
DAT vs MD
DATとMDの対比を考えると、DATは高音質である一方で高価であったため、一般消費者にはあまり普及しなかった。それに対して、MDはコンパクトで持ち運びやすく、その後の技術進歩により記録容量は増加し、データ転送速度も高速化され、何より安価だったため、MDは一時期、音楽を楽しむためのポータブルメディアとして人気を博した。
終焉
しかし、PCやインターネットの普及、そしてiPodなどの登場により、MDの需要は低下した。現在では、新品のMDプレーヤーを手に入れるのは困難である。
私の家にも多数のMDメディアがあるが、もはや聞く機会も機械もない。