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Raspberry Pi 3の64bitモード、ベアメタルに関する情報を書き溜めておく

Last updated at Posted at 2017-04-16

Raspberry Pi 3で64bitモード(AArch64)のベアメタル動作を目指す

参考となる情報をまとめておく

ブートプロセスの概略

SoCのブート

(準備)Raspberry PiのSDカードにbootcode.bin、start.elf、config.txt、プログラム本体を置いておく

  1. Raspberry Piに電源を入れるとまずGPUが起動する
    ARMのプロセッサはoff、SDRAMも無効な状態になっている
  2. GPUはブートローダーを実行開始する
    このブートローダーはROMにマスクされている
    SDカードから2段目のブートローダー(bootcode.bin)をキャッシュに読み込む
  3. GPUは2段目ブートローダー(bootcode.bin)を実行をする
    SDRAMを有効にする
    SDカードからファームウェア(start.elf)を読み込む
  4. GPUはstart.elfを実行する
    SDカードからconfig.txt、プログラム本体を読み込む
    config.txtの内容に沿ってCPUのブート設定が行われる
    つまり、ユーザはconfig.txtの内容を変更することでCPU起動パラメータをいじることができる
    プログラム本体はデフォルトでSDRAMのアドレス0x8000に配置される
    config.txtの設定によっては0x0番地に配置することもできる
    start.elfはARMプロセッサをリセットする
  5. ARMプロセッサがSDRAMに置かれたプログラム本体を実行開始する

ARMプロセッサのブート

後述のconfig.txtで64bitモード起動を指定すると、
ARMプロセッサは以下のような状態でブートを開始する

  • config.txtの内容に従って0x8000番地 or 0x0番地から実行開始
  • Exception LevelはEL3 Secureの状態
  • キャッシュ、MMUはoff
  • JTAG機能はoff(JTAGを使う場合はレジスタ設定が必要)

用意するファイル

Raspberry Piをベアメタル動作するには、FAT32フォーマットしたSDカードに以下を置く。

  • bootcode.bin
  • start.elf
  • config.txt
  • my_program.bin(プログラム本体、名前は何でも良い)

bootcode.bin、start.elfは以下からDLする。
https://github.com/raspberrypi/firmware/tree/master/boot

config.txtは自分で記述する。

my_program.binはプログラム本体で、自分で作成する。
バイナリ形式である。elf形式ではない。

config.txtの記述

通常は以下のような内容のconfig.txtを用意する

config.txt
kernel=my_program.bin
arm_control=0x200
kernel_old=1
disable_commandline_tags=1
  • kernel=my_program.bin
    動作させたいプログラム本体の名前を指定する。
    指定しない場合、デフォルトでkernel.imgだったりkernel7.imgだったりをロードする。
  • arm_control=0x200
    これでARMコアがAArch64で起動する。
    arm_control=0x0とするとAArch32で起動する。指定しなくてもAArch32になる。
  • kernel_old=1
    0x0番地からプログラムを実行する。
    これを指定しないと0x8000番地からプログラムを実行する。
    u-bootは0x8000番地にプログラムを展開する前提で作られているらしく、
    u-bootを使わないならkernel_old=1を指定するのが良い?
  • disable_commandline_tags=1
    これを指定しないと、boot loaderがATAGSというタグ情報を0x100番地に上書きしてしまうらしい?

プログラム本体(my_program.bin)の用意

バイナリ形式のプログラム本体を作成する。
コンパイラは、以下のLinaroのAArch64 Bare-Metal用GCCが使える。
https://www.linaro.org/downloads/

プログラム本体のサンプルプログラムは後日投稿する。

Raspberry Piの起動

上記で用意した以下4つのファイルをFAT32フォーマットしたSDカードに以下を置く。

  • bootcode.bin
  • start.elf
  • config.txt
  • my_program.bin(ファイル名はconfig.txtで指定)

Raspberry Piに電源を接続して起動する

参考情報

  1. SoCの仕様
  1. Raspberry Piのピン配置
    https://www.raspberrypi.org/documentation/usage/gpio-plus-and-raspi2/README.md
    https://i1.wp.com/www.pighixxx.com/test/wp-content/uploads/2015/06/raspberry.png
  2. config.txtのオプション
    https://www.raspberrypi.org/documentation/configuration/config-txt/README.md
    http://elinux.org/RPiconfig
  3. Raspberry PiのブートFW
    https://github.com/raspberrypi/firmware/tree/master/boot
  4. LinaroのAArch32/AArch64用コンパイラ
    https://www.linaro.org/downloads/
  5. Raspberry Pi 3をAArch64で動かす方法に関するやり取り
    https://www.raspberrypi.org/forums/viewtopic.php?f=72&t=137963&hilit=aarch64
  6. Raspberry Pi 3 AArch64 JTAG用のOpenOCD
    https://github.com/daniel-k/rpi3-aarch64-jtag
  7. Raspberry Pi、ベアメタル、AArch64関連の投稿
    http://d.hatena.ne.jp/cupnes/20160529/1464513206
    http://blog.livedoor.jp/suoyimi/archives/53217019.html
    http://domisan.sakura.ne.jp/article/rp_toppers/rp_toppers.html
    http://tanehp.ec-net.jp/heppoko-lab/prog/qemu_arm/qemu-arm64.html
    http://asmichi.hatenablog.com/entry/2014/08/15/203057
  8. EclipseとOpenOCDの連携
    http://www48.atpages.jp/~cent22/Electronics/STM32/DevelopEnv_DebuggerEclipse/DevelopEnv_DebuggerEclipse.html
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