ベータテストの悩み
開発したiOSアプリをベータテストするときには、TestFlightやdeploygateをつかっています。
どちらもとても便利なサービスですが、テスターのメールアドレスやUUIDの登録が必要なので、気軽にテストをお願いしづらいのが悩みどころでもありました。
そんな悩みを解決してくれるサービスがアップルからリリースされました。
その名も「TestFlight Public Link」です。
TestFlight Public Linkとは
TestFlight Public Linkは、WWDC2018の What's New in App Store Connect で詳しく紹介されていて、9月26日にサービス開始しました。
なんと、「パブリックリンクを公開するだけで、アプリのベータテストに不特定多数の人を招待できる」という夢のようなサービスです。
開発者はメールアドレスを管理する必要がありませんし、テスターは匿名で参加できるので、いままでよりもお手軽にテストができます。
TestFlight Public Linkの使い方
それでは、実際にTestFlight Public Linkをつかってみましょう。
まず、App Store Connectにサインインして、テストしたいアプリを選択します。
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つぎに、外部テスターを追加をクリックして、グループを作成します。
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作成したグループのビルドタブをクリックして、+ボタンをクリックします。
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テストするビルドの選択画面が表示されるので、ビルドを選択して次へボタンをクリックします。
今回は、先日アップデートしたばかりの、ARで魔法のように簡単にお片づけができるアプリ「パンダクリンAR」を選択します(宣伝)。
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テスト情報として、フィードバックを受けるためのメールアドレスなどを入力します。サインインの情報以外は必須です。
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テスト情報入力画面が表示されるので、テスターにお知らせしたい内容(このビルドの新機能や、テストをするときの手順や注意点など)を入力します。
入力が完了したら、審査へ提出ボタンをクリックします。
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審査待ちになりました(今回は、すでにリリース済みのビルドを選びましたが、審査に提出ボタンしか選べませんでした。テストとリリースの審査は別扱いのようです)。
審査待ちなので、以下の手順はWWDCの動画から抜粋して紹介します(審査が完了したら、また追記します)。
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審査が終わると、Public Link(日本語では公開リンク)にEnable Public Linkが表示されるので、クリックします。
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すると、URLが発行されるので、テスターに送ったり、SNSなどでシェアしたりします。
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なんと、最大1万人のテスターを集めることができるそうです!
TestFlight Public Linkの便利な機能
TestFlight Public Linkならではの便利な機能もあります。
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たとえば、パブリックリンクを開くと、テスターになる手順をガイドしてくれます。
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また、テスト中なのでサーバー側の負荷を制限したい場合などには、テスターの人数の上限を設定することもできます。
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さらに、リンクを無効にしてテスターの参加を停止することもできます。
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テスターの参加を停止した場合には、リンクを開くと「テスター募集終了」のメッセージが表示されるそうです。
パブリックリンクで誰でもテストに参加できるので、このあたりの配慮は嬉しいですね。
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「誰でも簡単にテスターになれるのです」という素敵な笑顔も納得の出来映えです。
App Store Connect APIで自動化
さらに、App Store Connect APIも追加されました。
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このAPIをつかえば、App Store ConnectのUIをつかわずに、つぎの操作ができます。
- グループを作成する
- グループにビルドを割り当てる
- パブリックリンクを管理する
- テスターの追加と削除
- テスト情報を更新する
終わりに
個人でアプリを開発者しているわたしとしては、フィードバックの電話番号が必須なのが気になります。おそらくテスターに公開されるので、フィードバック専用の電話番号を用意する方がいいかもしれません(審査が無事に通ったら、試してみて追記します)。
とはいえ、とてもシンプルな手順でテストができるので、今後はベータテストのありかたも変わってくるかもしれません。
会社で開発するアプリはもちろん、個人で開発しているアプリも、SNSなどを活用してオープンにベータテストをして、どんどんアップデートサイクルをまわすことも可能になります。
またひとつ便利になったTestFlightを活用して、より良いアプリを開発していきます。