Goにおけるコントローラ層の実装とDIパターン

こんにちは！フリーランスエンジニアのこたろうです。

コントローラ層の実装とDIパターンについて、実践で得た知見を共有します。

コントローラの基本概念と実装

コントローラは以下の責務を持ちます：

• リクエストの解析
• ビジネスロジックの呼び出し
• レスポンスの整形

// 基本的なコントローラの構造
type ArticleController struct {
    service *services.ArticleService
}

// コンストラクタ
func NewArticleController(s *services.ArticleService) *ArticleController {
    return &ArticleController{service: s}
}

// メソッドの実装
func (c *ArticleController) GetArticle(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
    article, err := c.service.GetArticle(r.Context())
    if err != nil {
        return
    }
    json.NewEncoder(w).Encode(article)
}

依存性の注入（DI）

依存性の注入とは、コンポーネントが必要とする依存関係を外部から提供する設計パターンです。これにより、コンポーネント間の結合度を低く保ち、柔軟な実装が可能になります。

実装例

func main() {
    // 依存関係の構築
    db := initDB()
    repo := repositories.NewArticleRepository(db)
    service := services.NewArticleService(repo)
    controller := controllers.NewArticleController(service)

    // ルータ設定
    router := mux.NewRouter()
    router.HandleFunc("/articles", controller.GetArticle).Methods("GET")
    router.HandleFunc("/articles", controller.CreateArticle).Methods("POST")
}

インターフェースによる抽象化

インターフェースを使用することで、具体的な実装から依存関係を分離します。これにより、実装の詳細を隠蔽し、より柔軟なコード構造を実現できます。

// インターフェース定義
type ArticleServicer interface {
    GetArticle(ctx context.Context) (*Article, error)
    CreateArticle(ctx context.Context, article *Article) error
}

type ArticleController struct {
    service ArticleServicer
}

DIのメリット

1. 変更の影響範囲を限定

   • コンポーネントの実装を変更しても、他への影響を最小限に抑えられる

2. コードの再利用性向上

   • 依存関係を差し替えることで、様々なコンテキストで再利用可能

3. 保守性の向上

   • 機能追加や仕様変更への対応が容易
   • 実装の詳細を隠蔽することで、コードの理解が容易に

4. 開発効率の向上

   • チームでの並行開発が容易
   • コードの見通しが良くなる

まとめ

• コントローラはビジネスロジックとリクエスト処理を橋渡し
• DIで依存関係を適切に管理
• インターフェースで実装を抽象化
• これらにより保守性と開発効率が向上

参考文献

-『Goで作るはじめてのWebアプリケーション改訂版』技術書典

• https://techbookfest.org/product/jXDAEU1dR53kbZkgtDm9zx