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【極論】クラス名ではいかなる接尾語も禁止!!

Last updated at Posted at 2020-03-03

クラス命名のアンチパターンについては、世間でも問題意識が共有されていて、すでに記事が書かれているのですが(Qiitaならこの記事 など)、

私は正直「これは負け戦なのでは?」と感じていました。ダメな命名パターンは無数にあり、リストは長くなる一方だからです(そして長すぎるリストは読まれない)。

そこで戦況を巻き返すべく、無茶を承知でこう宣言させていただきます。

ルール「クラス名ではいかなる接尾語も禁止」

何らかの接尾語(サフィックス)が付いたクラス名は全てNGです。

Service, Manager, Controller, Filter, Handler, Validator, Visitor, Agent, Dao, Rule, Info, Data, Helper, Util, Type, Enum, Proxy その他とにかく接尾語(サフィックス)は悪いものです。命名を考え直してください。

また、Reader, Writer, Accessor, Getter, Fetcher などの「動詞-er/-or」も接尾語の一種だと思ってください。「動詞-er/-or」も悪です。

※例外条項

  • フレームワークやプロジェクトに接尾語のルールがある場合はそれに従います。
  • (上級者向け)接尾語を新設するときはREADMEやコメントに明記します。

なんで接尾語はダメなの?

経験上、こういったクラスはえてして、とりあえずメンバやメソッドをぶち込む掃き溜めになるからです。

  • Userに関係する情報だからとりあえず UserInfo のメンバにしよう」とか
  • Userに関連する処理だからとりあえず UserService の静的メソッドにしよう」とか

また、接尾語がつく名前は、深く考えずにクラスを設計してしまっていることや、不適切なクラス分割をしてしまっている事が多いです

なんで接尾語はダメなの?その2

また、同じ接尾語が付くクラスは、共通性を持つと期待するのが人情です。例えば HogeValidatorFugaValidatorがあった時は、

  • それぞれ Hogeオブジェクトと Fugaオブジェクトをチェックするんだろう
  • 同じメソッド(多分 validate)を提供するんだろう
  • 生成方法(new なり DI なり)も同じだろう
  • Piyo クラスを新設した時は、PiyoValidatorも必要なのかな?

と期待するでしょう。

しかし、こういった接尾語・カテゴリを正しく設計するのは案外難しいことです。

例えば一時期Rails界隈では「〜Service」が流行ったのですが、現在は下火です。最初は良いアイデアだと思われたのですが、実践してみると酷いコードが生まれる事も多かったからです。

じゃあ、どうやって接尾語を消せばいいんだよ!?

接尾語を避ける方法はいくつかあります。

1. そもそもクラスを作らない
UserInfoUserUtilのメソッド・メンバは Userに移せるはずです。
その結果 Userクラスの行数は大きくなりますが、気にする必要はありません。いわゆる「クラスの肥大化」「Fat Model」は本当に大規模なコードでのみ問題となります。

2. クラスを細かく分ける
例えば、User関係のチェックが詰め込まれたUserValidatorがあるとしたら、チェック項目ごとにクラスを分けます。

  • User::NameIsNotEmpty
  • User::EmailAddressValid
  • User::AdultAge

etc...

3. 見方を変える
例えば、「ネットワーク越しにユーザーログを書き込むクラスNetworkUserLogWriterでログを書き込む」ではなく、「ユーザーログUserLogにログを書き込む(実際の処理はネットワーク越しに行われる)」のだと考えてみてください。

ログを生成する側(ControllerとかModelとか)からすれば、とにかく抽象化されたナニモノカにログを書けることが大事で、それが「ネットワーク越しに」「書き込んでいる」ことは重要ではありません。隠蔽されていて良いのです。隠蔽されるべきことを名前で表す必要もありません。

4. いっそオブジェクト指向を諦める
どうしても的確なクラス名が思いつかなかったり、既存のコードが既に破綻していてクラス設計は無意味な場合があります。そんなときは、オブジェクト指向を諦め、クラス・メソッドではなく、純粋な関数にしてしまう手もあります。

「関数」が無い言語も「staticメソッドを1個だけ提供するクラス(クラス名はstaticメソッド名と同じ)」などで同じ事ができます。

接尾語は絶対にダメですか?

もちろん、人気のフレームワークが提供する「接尾語」(RailsのControllerなど)は、長年の風雪に耐えたものであり、使ってもなんら問題ありません。プロジェクトで DDD / Clean Architecture を実践するつもりなら、RepositoryUseCaseといった接尾語を使うことになるでしょう。

あなたが本当に必要だと思うなら、新たな接尾語を新設しても構いません。ただし、その際には以下に注意してください:

  • 接尾語が的確であること(Serviceの二の舞を避ける)
  • 接尾語が実際に必要であること(今回の1クラスだけで終わるんじゃないか?)
  • 接尾語の使い方をREADMEやコメントで説明する事

接尾語以外にもダメな命名はあるよね?

もちろんです。

  • 英語ではなく、ローマ字ですらない(UserRegistKubunとか)
  • 名前が内容に反する(ViewModelなのに、DBを更新するだと!?)
  • Common (大抵雑多なメソッドの掃き溜めになる)

など、まだまだありますが、私にはその元気がありません。他の誰かが書いてくれることを望みます。

また、正しい名前を付けることは大切ですが、それは当たり前のことであって、プログラムが動き、人の役に立つ事が重要なのは言うまでもありません。

どっとはらい。

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