Pythonのジェネレータには .send(), .throw(), .close() というメソッドがありコルーチンとして使うことができます（PEP 342)。

しかし、残念なことにジェネレータベースのコルーチンはPython 3.10での廃止が予定されているので、async def ベースのコルーチンに書き換えなければなりません。

・・・が、なぜか、具体的な書き換え方法はドキュメントに書かれていませんでした（ジェネレータベースのコルーチンを、@types.coroutine　でラップして async ベースとして使う方法は書かれていましたが）。

書き換える方法

コルーチン関数の方は、単にdefをasync def に書き換えるだけです。

Generator-based	Async-based
`def`	`async def`
`yield`	`yield`（変更なし）

コルーチンと通信する部分は、頭にaがついたメソッドをawaitで呼び出すようにします。

Generator-based	Async-based
`c.send()`	`await c.asend()`
`c.throw()`	`await c.athrow()`
`c.close()`	`await c.aclose()`

さらに、 *コルーチンを呼び出す側の関数（それ自体はコルーチンではない）*も、async コルーチンに書き換え、asyncio.runで実行するようにします。

Generator-based	Async-based
`caller()`	`asyncio.run(caller())`

書き換えの例

わざとらしいですが、こんな数値の合計値を随時返すコルーチン（sumup）と、呼び出す関数（main）があったとします。

def sumup():
    n = 0
    while True:
        n += yield n

def main():
    coroutine = sumup()
    coroutine.send(None)

    x = coroutine.send(1)
    print(x)
    x = coroutine.send(2)
    print(x)
    x = coroutine.send(3)
    print(x)

    coroutine.close()

main()

出力:

1
3
6
Bye!

書き換えるとこうなります。

import asyncio

async def sumup():
    n = 0
    while True:
        n += yield n

async def main():
    coroutine = sumup()
    await coroutine.asend(None)

    x = await coroutine.asend(1)
    print(x)
    x = await coroutine.asend(2)
    print(x)
    x = await coroutine.asend(3)
    print(x)

    await coroutine.aclose()

asyncio.run(main())