社内勉強会で発表した資料です。
おわび
- 量子コンピュータについては素人です
- 業務では扱っておりません
- 正確な情報は末尾の参考文献をご覧ください
- 教えて!詳しい人!
最近の量子コンピュータ
- 商用量子コンピュータD-Wave
- 無料体験サービズが続々
- IBMが量子コンピュータの無料体験を提供
- Microsoftがシミュレータと言語(Q#)を提供
- 日本発の量子コンピュータも最近発表
ちょっと調べてみました。
量子コンピュータって何?
- 「5量子ビットが限界」
- 「『15=3×5』 を解くのがやっと」
- D-Waveは128量子ビット(!)
- D-Waveは本当に量子コンピュータ?
そもそも、コンピュータは2種類ある
-
アナログコンピュータ
- 物理現象をそのまま利用
- 特定の問題だけを解ける
- 日時計や計算尺
-
デジタルコンピュータ
- 物理現象を抽象化して利用
- あらゆる問題を解ける
歴史的には、アナログ → デジタルの順に発展
- 量子アナログコンピュータ
- 量子アニーリング(D-Wave)
- QNN
- 量子デジタルコンピュータ
- 量子ゲート
量子コンピュータも、アナログ → デジタルの順に発展?
量子ゲート方式
すみません。勉強できていません。
キーワード:
- 重ね合わせ
- 複素ベクトル空間
- ユニタリ行列
- ショアのアルゴリズム
D-Wave と量子アニーリング
D-Wave と「量子アニーリング」の関係
- 「量子アニーリング」は元々はアルゴリズム名
- 組み合わせ最適化問題を解く
- 「焼きなまし法」などの仲間
- 古典コンピュータで実行可能
- D-Wave は「量子アニーリング」を実機で実行
- 「磁場内における平面的スピングラス問題」を解く
磁場内における平面的スピングラス問題
G = (V,E)
を平面的グラフ(辺が交差しないグラフ)とする。各頂点
v
には スピンS_v = -1 or 1
を割り当てられる。この時、エネルギー Hが最小になるような、
S_v
の割り当て方を求めよ(Hの最小値を求めよ)。
H = \Sigma_{(u, v) \in E} S_u S_v + \Sigma_{v \in V} S_v
スピングラス問題はNP困難
→ 多くの現実の問題が、スピングラス問題に翻訳できる。
解きたいNP問題
↓
↓ 古典コンピュータで問題を翻訳(多項式時間)
↓
スピングラス問題
↓
↓ D-Waveで解)
↓
スピングラス問題の解答
↓
↓ 古典コンピュータで解答を翻訳(多項式時間)
↓
解きたいNO問題の解答
現実の問題を解くには、ノウハウが必要
- 「翻訳」に時間がかかるかも
- 「翻訳」ると、ビット数が大きくなりすぎるかも
- キメラグラフ問題
- ハードウェア上では、全ビット同士がつながっているわけではない
- D-Waveは一部のスピングラス問題しか解けない
無料体験サービスが続々
IBM
- 「The IBM Quantum Experience」
- 無料
- 量子ゲート方式のシミュレータ
- 量子コンピュータの実物をクラウドで利用(5量子ビット)
- なお、IBMは数年以内に商用利用可能な汎用量子コンピューティング・システムを構築する計画
回路にゲートを配置
DSLでも入力可能(左側の黒い部分)
実行結果を表示
Microsoft
- https://www.microsoft.com/en-us/quantum/development-kit
- 「トポロジカル量子コンピュータ」という量子ゲート方式を開発中
量子ニューラルネットワーク計算機 (QNN)
組み合わせ最適化問題の一種「最大カット問題」(NP完全)を解ける。らしい
量子ニューラルネットワーク(QNN)の研究・開発は、山本喜久ImPACTプログラムマネージャーが率いてきたNII・Stanford大学の研究チームを中心に、 最先端研究開発支援プログラム(FIRST)やImPACTの国家プロジェクトの支援を受け、日本電信電話会社(NTT)、NII、東京大学、大阪大学、東北大学、東京理科大学が行っています。
読んだ本
(2016)量子コンピュータが人工知能を加速する 西森秀稔、大関真之
一般向け。D-Waveなどを解説。

(2015)量子計算 (ナチュラルコンピューティング・シリーズ) 西野 哲朗, 三原 孝志, 岡本 龍明
量子ゲート・量子アニーリングを解説

(2009) マーミン 量子コンピュータ科学の基礎 N. David Mermin, 木村 元 (翻訳)
量子ゲートを解説
