ActionScript 3.0やJavaScriptといった言語のエディターには、変数や関数の宣言前に記述したコメントをコードヒントとして表示する機能があります。SwiftをプログラミングするためのIDE「 Xcode」にもこのような機能がありますが、コメントを正しく記述しないとコードヒントが表示されません。
コードヒントが表示される書き方
以下のコードをご覧ください。Hogeクラスには、2つの引数を加算するcalcSum()メソッドが定義されています。
class Hoge {
init() {
calcSum(1, b: 2);
}
/**
aとbの合計を計算する
- parameter a:値1
- parameter b:値2
- returns: aとbの合計
*/
func calcSum(a:Int, b:Int) -> Int {
let sum:Int = a + b;
return sum;
}
}
calcSum()メソッド前のコメントを見るとわかるように、**引数は@paramではなく「- parameter 」、戻り値は@returnではなく「returns:」**というキーワードで記述されています。
コードヒントの表示方法
コード補完時の表示
関数のコード補完時に、関数名の下に説明文が表示されます。引数や戻り値は表示されません。
Quick Helpでの表示
calcSum()を実行している箇所で、[alt]を押しながらクリックすると、下図①の箇所と②(Quick Help)の箇所にコードヒントが表示されます。また、[alt]を押さずにクリックすると、②のQuick Helpのみが表示されます。
それぞれの場所に以下の内容が表示されています。
Description:関数の説明
Parameters:引数の説明
Returns:戻り値の説明
コードヒントが正しく表示されない書き方
それでは、誤った書き方をするとどうなるのでしょうか?例えば以下のような記述をしてみます。
/**
aとbの合計を計算する
@param a:値1
@param b:値2
@returns: aとbの合計
*/
Quick Helpを見ると、引数や戻り値の説明がDescriptionにまとめられ、引数や戻り値の説明がないのがわかります。
プラグイン「VVDocumenter-Xcode」を使うと記述が楽に
上記の記述を手動で行うのが面倒ならば、「VVDocumenter-Xcode」を使うと便利です。「///」と入力するだけで自動で記述できます。
インストール方法等は下記記事を参照するとよいでしょう。記事内で紹介されている記述は古いですが、VVDocumenter-Xcodeは最新の記述方法に対応していますのでご安心ください。
VVDocumenter-Xcode で Swift プロジェクトの API ドキュメントを記述する | Developers.IO
最後に
少々記法は特殊ですが、慣れてしまえば他の言語と同じくコードヒントの恩恵に預かることができます。コードヒントを駆使して、規模の大きなプロジェクト開発も安全に進めていきましょう。