11
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

BeeXAdvent Calendar 2022

Day 16

CloudWAN①(CloudWANの概要)

Last updated at Posted at 2022-12-15

案件でCloudWANを触る機会があったため、CloudWAN構築方法やメリット・デメリットなどについて書いていこうと思います。

AWS CloudWANとTransitGatewayの違い

まずは、TransitGatewayとCloudWANの違いについて考えてみようと思います。

これまでは、TransitGatewayによりリージョン内のVPC、VPN、DirectConnectの一元管理を行っていました。TransitGatewayはリージョナルサービスとなるため、複数リージョンを接続する場合は、TransitGateway同士をピアリングさせる必要がありました(画像内の赤く囲ってある部分です)。
リージョン同士を相互に通信させたい場合はTransitGatewayピアリングをメッシュ構成で設定する必要があります。運用の際はリージョンを切り替え、各リージョンのTransitGatewayの画面からルートテーブルなどの管理を行うことになります。
リージョン内の通信については一元管理できるとは言え、リージョンが増えるごとに運用の手間は増大し、やや不便な状態でした。
image.png

ここにCloudWANが登場しました。CloudWANを使用することで、リージョンまたぎの通信も一元管理することが可能となりました。VPCやVPNをCloudWANに直接接続し、ルーティングの制御をすることが可能です。ただし、DirectConnectを使用する場合はTransitGatewayを併用する必要がある点に注意が必要です。

image.png

AWS CloudWANの詳細

検証の前に、CloudWANの構成要素について確認します。
CloudWANの部分を詳細化した構成図がこちらになります。
image.png

リージョンごとにCoreNetworkEdgeが存在します。CoreNetworkEdge同士はBGPでルートを共有しています。「検証環境」「本番環境」などでルーティングを変えたい場合はセグメントを定義することで、各環境のルートテーブルを分けることができます。CoreNetworkEdgeを作成するリージョンやセグメント、セグメント内のルーティングなどはCoreNetworkPolicyで定義します。VPC・TransitGateway・VPNを各セグメントに接続させたい場合は、アタッチメントの作成後にCoreNetworkPolicyにてアタッチメントポリシーの設定を行います。

ClowdWANのメリット・デメリット

CloudWANのメリット

・マネージドサービスの為リージョン間のDRについて考慮しなくて良い
・NetworkManagerで各リージョンのTransitGateway・DirectConnect・VPNやVPCなどを一覧化し一元管理が可能
・ダイナミックルーティングによりルートテーブルのメンテナンス作業を省略可能

CloudWANのデメリット

・TransitGatewayよりも高コスト
・ダイナミックルーティングの為細かいルーティングの制御が行いづらい

CloudWANの内部ではTransitGatewayが動いているそうです。なので、CloudWANは大まかにはTransitGatewayのマネージド版と考えることができそうです。
VPCをCloudWANに接続した場合は、ダイナミックルーティングでCloudWAN側のルートテーブルに情報が伝播します。そのため、ルーティングの管理などの手間を減らすことができます。特にマルチリージョン構成の場合は、TransitGatewayのピアリングの手間を省けるのは大きなメリットだと思います。

その反面、ルーティングの細かい制御がやりづらい仕様となっています。IDS/IPSなどを導入し、VPC間やリージョン間の通信経路を細かく制御する場合は、TransitGatewayの方が有効なケースもありうるかと思います。また、CloudWANはコアネットワークの数・アタッチメントの数・CloudWANに接続したTransitGatewayの数に応じて時間課金が行われます(参考:https://aws.amazon.com/jp/cloud-wan/pricing/?nc=sn&loc=3) 。
TransitGatewayの料金と比べると高額になるため、実際の利用時は考慮が必要です(TransitGatewayの利用料:https://aws.amazon.com/jp/transit-gateway/pricing/) 。
検証環境でCloudWANを利用する場合は、検証完了後こまめにGlobalNetworkやCoreNetworkを削除するよう注意してください。

今回はCloudWANの概要やメリット・デメリットなどを確認してきました。
次回はCloudWANの初期設定について書こうと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

11
2
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
11
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?