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基本的にコード修正の前にリファクタリングするべき

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はじめに

バグ修正や機能改修の際、汚れたコードに直面することは珍しくありません。そのまま手を加えると、さらなる技術的負債を生むだけでなく、開発者に大きなストレスがかかります。結果として、生産性が低下し、将来的な保守コストが増大するリスクが高まります。

コードが乱雑なまま修正を繰り返すと、理解に時間がかかるだけでなく、バグの温床となる可能性があります。そうした負のスパイラルを防ぐために、修正前にリファクタリングを行うことが非常に重要です。

本記事では、なぜコード修正の前にリファクタリングを行うべきなのか、そのメリットや具体的なアプローチについて解説します。

なぜコード修正前にリファクタリングするべきなのか

1. コードの可読性を向上させるため

コードが理解しづらい状態では、どこをどのように修正すればよいのかの判断に時間がかかり、修正ミスのリスクが高まります。以下のような状況では、修正前にリファクタリングを行うことで、コードの可読性を向上させ、修正作業をスムーズに進めることができます。

  • 変数や関数の命名が曖昧
  • 一つのメソッドが長すぎる
  • ネストや条件分岐が多すぎて読みづらい
  • 一つのファイルに多くの責務が集中している

リファクタリングにより、コードの意図が明確になり、修正作業の効率が向上します。

2. バグの発生を防ぐため

可読性が低いコードでは、バグを生みやすい状態になっています。特に、以下のようなコードには注意が必要です。

  • 副作用の多い関数
  • グローバル変数への依存
  • 無駄な複製コード
  • 長大なメソッド内で複数の異なる処理が混在

こうしたコードをそのまま修正すると、意図しない動作が発生しやすくなります。リファクタリングを行うことで、コードの構造を整理し、安全な修正を行える環境を整えることができます。

3. 修正の工数を削減するため

「今すぐ直したいからリファクタリングは後回し」と考えがちですが、結果的に修正コストが増大することがあります。可読性の低いコードに手を入れるたびに時間を取られるよりも、

  • まずリファクタリングで構造を整理
  • その後に修正を実施

という流れを採ることで、結果的に作業の工数を削減できます。

また、構造が整理されていれば、次回以降の修正時にもスムーズに対応でき、長期的な開発コストを抑えられます。

4. 開発者のストレスを軽減するため

汚いコードを読むこと自体が開発者にとって大きな負担となります。スパゲッティコードを読むだけで疲弊し、修正作業のモチベーションが低下することもあります。リファクタリングによってコードを整理することで、開発者の心理的負担を軽減し、作業の効率を向上させることができます。

具体的なリファクタリング手法

1. 関数の抽出(Extract Method)(IDEの機能で対応可能)

長すぎるメソッドは、適切な単位で分割することで可読性が向上し、修正が容易になります。処理全体の流れが追いやすくなるので、コードが格段に読みやすくなり、コード修正が捗るようになります。

2. 変数・関数のリネーム(Rename)(IDEの機能で対応可能)

意図が分かりにくい名前の変数や関数は、適切な名称に変更することで理解しやすくなります。

3. 重複コードの削除(Remove Duplication)

類似するコードが複数存在する場合、それらを統合することでメンテナンス性を向上させます。リスクもありますが、大幅にコードの行数を削減できるのでおすすめです。

4. 条件分岐の整理(Simplify Conditionals)

複雑なif文やswitch文を整理し、シンプルな構造にすることで、意図を明確にします。特に不要な条件分岐は開発者の認知負荷を増大させるため、アーリーリターンなどを活用してシンプルなコードを目指しましょう。

5. コメントの整理

冗長なコメントを削除し、コード自体が意図を説明するようにリファクタリングします。わかりにくい部分には適切なコメントを追加します。

6. マジックナンバーの除去

数値や文字列リテラルを直接書かず、定数や列挙型を使用して意味を明確にします。

7. 不要なコードの削除

不要な変数や関数、未使用のコードを削除することで、コードの可読性を向上させます。

8. AIによるリファクタリング

AIを活用してリファクタリングの提案を受けることも可能ですが、人のチェックは必須です。AIは大幅な修正を提案することが多いため、段階的にコミットを分けて適用することが重要です。

リファクタリングを後回しにすべきケース

1. 緊急のバグ修正が必要な場合

例えば、サービスのダウンやセキュリティ脆弱性の対応が必要な場合は、最優先で修正を行い、リファクタリングは後回しにするべきです。

2. 影響範囲が大きすぎる場合

リファクタリングによってコード全体の構造が大きく変わる場合、影響を最小限に抑えるために段階的なアプローチを取るべきです。その場合でも、現在のコードの状況を示すようなコメントを記述し、他の開発者が誤って参考にしないように注意を促しましょう。

まとめ

  • コード修正の前にリファクタリングを行うことで、可読性が向上し、バグの発生を防げる
  • リファクタリングを行うことで、結果的に修正の工数を削減できる
  • 緊急対応時や影響範囲が広い場合は、リファクタリングを慎重に計画する

リファクタリングを適切に行うことで、開発の効率と品質を向上させ、長期的な技術的負債の削減につながります。修正作業の前に、一度立ち止まってリファクタリングを検討する習慣をつけましょう。

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