先日,へクス五目の実装に関する記事を執筆しました.
ここでは,へクス五目というゲームについて,考察します.
ヘクス五目は以下から遊べます.
一手目
まず,先手がどこでも良いの✖を打ちます.
このとき,五目並べでは,8方向に✖を繋げることができます.
一方,へクス5目では,6方向にしか✖を繋げることができません.
二手目
五目並べ・連珠において,二手目は一手目と隣接するマスに打たなければならない,
隣接するマスに打たないと不利になる,という文言が散見されました.
その文言に従うと,五目並べの取りうるパターンは2通りになります.
一方,へクス五目では,取りうるパターンは1通りです.
(回転・反転によって出現する盤面は,同じパターンと見做します)
三手目
連珠において,始めの三手までの型のことを珠型・基本珠型と言い,全部で
$2\times13=26$パターンあるそうです.
基本珠型では,一手目を中心とした$5\times5$の25マスのどこかに✖を打ちます.
ヘクス五目において,一手目を中心とした19マスのどこかに✖を打つとすると,
その数は全10パターンになります.
少し検討した限りでは,10パターンで先攻後攻の大きな有利不利は分かりませんでした.
四手目以降
四手目以降は,盤面のパターンが指数的に大きくなります.
連珠の禁じ手である三三禁,四四禁,長連を積極的に狙う戦略が有効だと考えられます.
また,四三,釘折れ,櫓・鞍型など連珠で有効な形は,ヘクス五目でも有効だと考えられます.
七マスのパターン
七マスに注目して○と✖が取りうるパターンを考えると,全部で13パターンありました.
(○と✖の入れ替え,回転・反転によって出現する盤面は,同じパターンと見做します)
このうち,1~6番目の盤面では,必ず✖が勝ちます.
✖が作る三三の形を○のプレイヤーは止める術がありません.
一方,7~13の盤面では,必ず✖が勝つとは判断できません.
次の手番が○で最善手を打つと仮定すると,少なくとも十数手以内で✖が必ず勝つ状況を見つけられませんでした.
最も興味深いのは,黒枠で囲った7番目の盤面です.
7マスの内5個が✖であるにも関わらず,✖が必ず勝つと言えません.
例えは,✖の三連と四連を止めるように○を打っていくと,以下の盤面が現れます.
元の盤面の✖を2個以上含む四連はすべて○に止められていて,✖のプレイヤーは両側に空きのある三連が作れない状況になっています.
同じ盤面を連珠で考えた場合,禁じ手が無いと必ず✖が勝ちます.
ヘクス五目の7マスから連珠の$3*3=9$マスへの変形として6通りの方法を検討しましたが,いずれの盤面でも✖が勝つことが確認できます.
事実と予想
五目並べとそこから幾つかの先手の禁じ手を導入した連珠は,お互いに最善手を打つと必ず先手が勝つことが知られています.
一方,ヘクス五目はお互いに最善手を打つと必ず引き分けになると予想しています.
これは,以下の2つの事実を根拠とした予想です.
- ヘクス五目は1つのマスと隣接するマスが6マスしかない
- 7マスの内5個が✖であるようなケースにおいても,✖の短手数での勝利を阻止できるケースがある
普通に遊んでいる場合でも,お互いに手詰まりの状況になりやすいことも予想を後押ししています.
ヘクス五目は,守りが連珠よりも簡単で,攻めが困難に感じています.
相手の動きに対して,打たれたマスから6方向を注意すればよいので,連珠よりも見落としが起きにくいと感じています.
パソコンで上手いこと計算すれば証明できそうな気がしますが,ここでは手検討による予想だけ書いて終わります.
終わりに
遊んでいてマスが足りないなと思って331マスまでヘクス五目の盤面を拡大しましたが,
慣れてくるとそれでも足りない=引き分けに終わるケースが多かったです.
今回,改めて検討してみて,最善手が引き分けに終わりそうだと判明できて良かったです.