お疲れ様です.Tomです.
表題の通り,4日間の勉強で「Microsoft Certified: Azure AI Fundamentals(AI-900)」に合格しましたのでそのログを残していこうと思います.以下MicrosoftのことはMSと記載します.
▽ 試験概要はこちら
こんなことを言っては元も子もありませんが,資格取得に速さは不要なので,ご自身の勉強に何か役立てられるものがあれば幸いです(タイトル釣り申し訳ありません)
沿革(読まなくても大丈夫です)
去年の11月くらいからいろんなイベントに参加する中で,「AIやりたいな」と思うようになってきました.
その中で,会社主催のMSによる勉強会などでAIそのものやAzure AIについて軽く触れており,その証としてこの資格を取ろうと思ったのが受験の背景です.しかし業務が忙しくなり,この資格勉強に手が回らなくなって結果的に再着手できたのが今,という感じです.資格対策をしようと思い始めてからブランクを経て,今回合格に至りました.
MSの資格を持っていなかったのでLinkedInが少し華やかになり,やっと仕掛かりのタスクを終えたという開放感から嬉しい気分です.
プロファイル
・もともとインフラ・DevOpsをやっていた
・AIに関してパッションはありますが,実力的には素人に毛が生えた程度だと思います
軽いコーディングでアプリを書いたり,モデルをローカルにデプロイして画像生成や文章・音楽生成はできます.今はLangChainやPyTorchを中心に勉強していますが,そろそろバックエンドなのか機械学習かを絞ろうと思います.コーディングやAIに関して何も知らなかった自分が,憧れだけで進めたおすすめのロードマップはまた記事にしようと思います.
試験対策の勉強内容
勉強どうぐ
⓪ Microsoft Virtual Training Days
2月末にバウチャーをもらうために参加しました.平日の二日間に渡って開催されます.仕事をしながらPodcastのように流していたのとGreen Dayのライブの物販に並びながら見ていたため内容はあまり理解してませんでした.なので⓪にしており,勉強期間のカウントから除外しています.
下記のような講習をMSが一般向けに提供してくれます.形式的にはWebinarのようなもので,外国の先生が字幕付きで教えてくれるものでした.
バウチャーに関しては注意点がありますので,下記で触れます.
① 参考書
「資格勉強といえば」でまず思いつくものが赤本などの参考書です,特筆することはありません.
年末にPaypayの商品券が期限切れになりかけていたので,滑り込みで購入しました.
とにかく自分の理解や調べたことを書き込み,知識を統合していくために本という媒体を使っていました.わかるようになるまでざっと読み返すのと,問題は間違えたら理解し直して,満点になるまで繰り返します.
MCP教科書 Microsoft Azure AI Fundamentals(試験番号:AI-900) (EXAMPRESS) [ 沖 要知 ]
② MS公式の模擬テスト
MSが効果測定を出してくれているので,それをやりました.しかし下記理由からあまり真剣にやり込まず,80%を越えればあとはやってもやらなくても良いという取り扱いにしました.
・参考書と内容が少し異なる箇所があるので混乱する
・日本語が不自然(Whisperを”囁く”と訳すなど)
・問題の出し方がわかりづらい(サービス,Workload,機能の定義やどのレイヤで答えて欲しいのかがあいまい)
日本語に関しては下記URLの"ja-jp"を"en-us"とすれば英語になりますが,やはりどちらもわかりづらいです.
勉強の時系列
1日目(5時間くらい)
1~3章でAI技術の基礎を何となく復習し,CognitiveAIの概論やできることを整理
2日目(5時間くらい)
4章,5章で自然言語処理とLLM,GenerativeAIの学習とCognitiveAIや周辺知識との比較+Transformerについての概論
3日目(5時間くらい)
巻末問題をとき,テキストを見ながら復習.章末問題も間違えたところは解いていき,確認を進める
4日目(3時間くらい)
巻末問題と模試を完璧になるまでスクリーニング
5日目
朝にテスト
注意点
試験対策だけで合格するのは少し非効率
読者の勉強するモチベーションによりますが,この試験勉強だけでAIの全体像を俯瞰するのは少し難易度が高いと思います.前提として『どのような技術を用いてどのようなことができるか,そしてそれらを実現するために何が必要か』などという技術そのものの全体感をなんとなくでも把握していなければ,短期間での合格は難しいと思います.
例えばAI自体は数学的な処理や統計を使うための枠組みに過ぎず,それらを精度高く使うには機械学習でモデルを作成・チューニングすることや,その入力を見直すエンジニアリングが存在するなど,用語に対する立ち位置や物語があるはずです.それなしに合格しようとするとかなりうわべだけの知識になるとおもうので,これから勉強したいと思う人はまず上記のような全体像を自分の言葉と図で把握することをお勧めします.そこからこの資格を使って,サービスを含んだ詳細なマップを作りながら体系的に落とし込んでいく,というのが個人的にこの資格の正しい使い方なのかなと思います.
予約時から当日の雰囲気
注意点
① 講習を受けた人がもらえるバウチャーについて
半額のバウチャーは下記の通り有効期限が90日なので注意してください.PDF版にも同様の記載があります.
講習が終わってメールが来るのですが,漠然と有効期限はないのかなと思っていました.いざ予約しようとすると半額にならない… 安くなるから受けると決めていろいろ準備していたのに,関西人としてとても悔しい気持ちになりました.
② MSが用意していた模擬試験とUIが異なる
ちょっとびっくりします.出題にはドラッグアンドドロップやプルダウンからの選択問題もあるので,エンジンがかかるまでに時間がかかります.UIの参考は下記です.
③ 遅刻はちょっと怒られます
今回,そこしかなかったので朝イチバンの時間にテストセンターを予約しました.今までLPIC, AWSなどでは1時間前に会場入りしていたのと,つい最近までCKAなどすこし遅れても咎められない環境でテストを受けていたのでここらへんの感覚がありませんでした.到着すると「15分前集合のテストですが,本日はどうかされましたか?」と聞かれました.咄嗟に嘘をつきましたが,「遅れる場合は電話をしてください」と釘を刺されました.テストセンターで受けられる場合は早めに行動しましょう.
受けてみての所感
合否ラインが700点で,取ったスコアは842点でした.
具体的にはいえませんが,満点を取らせるつもりはないんだなという問題がちらほら出てくるというのが率直な感想です.”Fundamentalsだから満点でなければ!”などと思い込まなくても良いと思います.皆さんがわかりたいレベルでわかり,資格に合格すれば目的は達成されると思います.
受けてわかること
AIエコシステムの全体像が何となくわかります
こういったベンダー資格は国際的に自分の立ち位置を証明できるのが良い点ですが,ベンダー依存のサービスについても勉強しなければなりません,しかし,AIのエコシステムはDevOpsに比べてシンプルなように思うので,”AI”という魔法のように聞こえる技術を分解し,AIはどのような技術群で構成されていて,それぞれ何ができるのか,そしてそれらを組み合わせてどのようなサービスが提供されているのかを概論チックに退屈せず勉強できました.上記ですでに述べたことと同じです… またモデルにも種類があることなどの基礎的な概念の話や基本的な原理に関しても納得できるレベルまで落とし込めました.
ここに粘り強く,妥協せずに取り組めたので,とても有意義でした.
今後
今後は続けていたアプリ制作とそれに必要な昨日からライブラリの使い方やバリエーションを学んでいこうと思います.退屈になってきたのと,いっぱい一杯になるのでインフラ周りは一旦置きました.アプリをデプロイするのに必要なので,コーディングがひと段落したらまた考え始めようとおもいます.