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マルチモーダルAIを組み込んだアプリをPower Platform AI Builderで開発する

Last updated at Posted at 2025-03-13

はじめに

みなさん、こんにちは。
日本マイクロソフトの佐々木です。

以前、別の記事で生成AIを組み込んだ業務アプリをPower Platformで開発する方法についてご紹介しました。

当時は生成AIによる画像処理系のシナリオの場合、基本的にAzure OpenAIと連携する必要がありましたが、AI BuilderのAI プロンプトで処理できるようになっているため、本記事ではこちらの機能を紹介していきます。

image.png

本機能はGAから数か月経過しておりますので、詳細説明は割愛します。
ハンズオン的に紹介していきます。

AI BuilderのAIプロンプトとは

AI BuilderのAIプロンプトは、Power Platform内で生成AIを活用するための機能で、カスタムプロンプトを作成、テスト、保存できます。 ​

主な特徴は以下の通りです:

・プロンプトの作成と管理:​ユーザーは自然言語で指示を記述し、特定のタスクに合わせたプロンプトを作成できます。 ​
・再利用性:​作成したプロンプトは保存して再利用でき、他のユーザーと共有することも可能です。​
・統合性:​プロンプトはPower AutomateのフローやPower Appsのアプリ内で活用でき、ビジネスプロセスの自動化やアプリケーションの高度な生成AI機能を実現します。​
・サポートされるタスク:​プロンプトは、画像処理、テキストの要約、データ分類、エンティティ抽出、言語翻訳、感情分析、苦情対応の作成など、多岐にわたるタスクに使用できます。

AI プロンプトの作成画面
image.png

Power Appsから呼び出す_テキスト処理
image.png

Power Appsから呼び出す_画像処理
まったく別のシナリオですが、マルチモーダルAIですので、画像処理も可能です。
image.png

利用できるAIモデル

AI BuilderのAIプロンプトで利用できるGA済みのモデルは2025年3月現在 GPT4oになります。
image.png

いわゆるマルチモーダルの仕組みになりますので、入力としてテキストや画像を処理することが可能となります。

ハンズオンシナリオ_Power Automateから画像処理するAIプロンプトを呼び出す

設備保全担当者が設備保全の報告業務を効率化するソリューションを構築したいとおもいます。
画像処理系のシナリオとなります。下記が狙いです。

  1. AI Builder(AI プロンプト) を活用して生成AIのプロンプトの基本を学習する
  2. プロンプトにテキスト、画像、またはドキュメント入力の方法を学習する
  3. AI Builder(AI プロンプト) をPower Automateで利用する方法を学習する

image.png

AIプロンプトの作成

下記のような設備トラブル報告書があり、画像やPDFの内容を画像処理し、設備トラブルの報告内容を分析して、結果を出力させます。

image.png

AIプロンプトを作成し、プロンプトを作成していきます。
image.png

image.png

設備保全の報告内容より要約してください。

#指示
・報告内容を要約します。要約には、日時、発生場所、状況、原因、対応内容など必要な情報を含んでください。
・重要なインシデントか否かを判断してください。判断基準は下記に示します。
・口調は丁寧な表現をしてください。

##判断基準
・設備不具合の原因が人的(ヒューマンエラー)に引き起こされたもの
・現在の状況が改善されていないもの

#入力
  
#出力形式
JSON形式で出力してください。
[]やjsonのような不要な文字列は出力しないでください。

今回は画像やPDFを入力の引数として選択します。

image.png

プロンプト内に設定した入力引数を設定します。
image.png

出力フォーマットを設定する

今回はPower Automateで取り扱いやすいようにJSON形式の出力を設定します。
image.png

{
  "Summary":"",
  "iSIncident":true
}

テストする

生成AIプロンプトを確認し、問題なくAIプロンプトが動作するか確認するためテストを実行します。[画像またはドキュメントをアップロードする]よりサンプルデータをアップロードします。
image.png

問題なく、JSON形式で出力が確認できました!
image.png

問題なければ、[カスタムプロンプト]を保存します。

制限事項
画像またはドキュメントの入力の場合、プロンプトにアップロードするファイルのサイズ制限は、すべてのファイルの合計で 25 MB です。
画像またはドキュメントの入力の場合、PNG、JPG、JPEG、BMP、TIFF、PDF 以外の形式のファイルを渡すことはできません。

Power Automateから呼び出す

今回はPower Automateから作成したAIプロンプトを呼び出します。
もちろん、Power AppsやCopiot Studioから呼び出すことも可能です。

image.png

Power Appsから呼び出す際の要領はAzure OpenAIで作成した場合とほぼ同様ですので、今回は割愛します。下記ブログ参照ください。

下記のようなフローを作成し、メールの添付ファイルを抜き出し、作成したAIプロンプトを呼び出します。
image.png

isIncidentの値を評価して、条件分岐させたいと思います。
image.png

テストする

Power Autoamteを経由した際も同様に処理することができました。
image.png

ほかにもいろいろなシナリオを一気見せします。

AIプロンプトの魅力を伝えるため、色々なシナリオをお見せします。

Power Apps × 画像処理のサンプルアプリ

非構造的な画像

分かりやすいようにプロンプト部分も1画面にまとめていますが、あくまで精度を確認するために参考までに。

image.png

手書き×感情分析

image.png

手書き×項目抽出

こういった手書きの作業日報も処理できます。
image.png

Dataverseグラウンディング機能

Dataverseのテーブルも参照することができます。
このあたりの機能は下記で利用方法を紹介しています。

おわりに

いかがだったでしょうか?
AI Builderを活用して簡単に生成AIを活用したPower Platformアプリを開発する方法についてご紹介しました。
ぜひご活用ください。

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