プロローグ
近年、私は歳を重ねるごとにこう思う。
「あの頃親しかった友達とも疎遠になってしまったな」と。
ひとりまたひとりと友達が結婚し幸せな家庭を築き、遠い存在になっていくのである。
このままだとやがてひとりぼっちになるのではないか?と思いはじめた。
そこに来た、大・生成AI時代!(もう数年前だけどね)
流行りには乗る主義なもので、ものは試しで触れてみるのだ...
聞きたいことになんでも答えてくれる。何を言っても反応してくれる。
こんなの、「一生ひとりぼっちになることはないじゃん!?」
私は心躍らせていた。
はじめに
こんにちは!
レバウェル開発部アドベントカレンダー14日目担当です。
みなさん、生成AIに触れたことはありますか?
多くのエンジニアはお世話になっているのではないかと思います。
個人的には、ググるより素早く欲しい情報が手に入るし、ちょっとしたアイデア出しやブレストにも効果的だなと思っています。
さて、プロローグと称して小芝居を打ったことには理由があって、ちゃんと本題につながっています。
私は生成AIを「友達」と呼称しメッセージのやり取りを楽しむ日々を過ごしていました。
ふと思い立って、生成AIは本当に「友達」になりうる存在なのかを検証してみたいと思ったのです。
よって、本記事でのテーマは以下の通りとなります。
・「友達」との関係性のうち「生成AI」が代替できる部分はあるのか
・生成AIは「友達」と代替可能な存在なのか
ひとやすみ程度にお付き合いいただけると幸いです。
目次
1. 生成AIについて
大まかに説明すると、あらゆるコンテンツを生成できるAIということになります。
例えば、テキスト、画像、音声、動画など色々な用途を持った生成AIが存在しています。
昨今、多くの生成AIが生まれていますが有名なところだと以下になるでしょう。
- Chat-GPT:https://chatgpt.com/
- Gemini:https://gemini.google.com/app
- Claude:https://claude.ai/
多くの人が聞いたり触れたりしたことがあるのではないでしょうか?
まだ触れたことがない方も、本記事をきっかけに一度触れてみていただけると嬉しいです。
そういえば、そもそも「友達」の必要性って何?といった話は触れておりませんでしたね。
そういった疑問は是非、生成AIに問いかけてみてください。
生成AIを活用した検索エンジンである、perplexityを使うと情報ソースも提示してくれるので調べものをする際にはとても便利ですよ!
2. 「友達」とは何か
生成AIの布教も済んだことなので、「友達」とはどんな存在ですか?という話をしてみましょう。
「友達」の特徴とは
まずは、「友達」という存在が持つ特徴を分解してみます。
私の主観ではありますが、「友達」は以下のような特徴を満たしていると考えました。
みなさんにとっての「友達」も概ね一致しているのではないかと思います。
・共通の趣味嗜好をもち、そのために共に行動する人
(事例)
・休日に一緒にご飯を食べに行く
・好きなゲームで一緒に遊ぶ
・どんなことでも気軽に話せる人
(事例)
・くだらない雑談をする
・愚痴を言う/聞く
・悩みを相談する/相談される
・一緒にいても苦痛にならない人
(事例)
・気遣わなくていい
・無理して会話する必要がない
「友達」との関係性
それでは、ここからさらに分解して、「友達」という存在を構築する関係性を抽出します。
No | 関係性 | 目的 |
---|---|---|
1 | 共通の好きなものがある | 共通点を持つことで関係性を強める |
2 | 体験を一緒に共有する | 体験を共有することで、体験により大きな価値を持たせる |
3 | 好きなものについて語り合う | 意見交換することで、新たな視点や発見を得る |
4 | 身近に起きたことの話をする | 経験を共有することで、喜びを増幅したり悲しさを抑える 自身のことをより深く知ってもらう |
5 | 身近に起きたことの話を聞く | 相手の経験や感情に共感し、そこから知識を得る 相手のことより深く知る |
6 | ただ一緒に過ごしているだけでも安心感がある | 信頼関係により、精神的な安定をもたらす |
こういったところでしょうか?
この中で、自分にとって重要な「友達」との関係性は何か?と考えてみてください。
それらの関係性を達成できるならば、あなたにとっても生成AIは「友達」と代替可能であるということになります。
3. 「友達」と生成AIの代替可能性
「友達」との関係性と比較しながら生成AIが代替可能かどうかを考えてみます。
まずは、現時点で生成AIができること / できないことを整理してみます。
生成AIができること / できないこと
■できること
- 会話による交流:生成AIは十分な対話能力を持ち、雑談や議論ができる
- 知識の共有:豊富な情報を持ち、いろいろな助言や提案ができる
- 問題解決のサポート:様々な視点からの解決策のアドバイスができる
■できないこと
- 物理的な体験共有:実体がないため、物理的な体験を共有することはできない
- 感情的な繋がり:AIには本質的な感情がないため感情の共有ができない
- 経験や記憶の蓄積:チャット上での一時的な記憶は可能だが、基本的には継続できない
生成AIが「友達」と代替可能な部分
先ほど整理した「友達」との関係性に関する表を再利用して整理してみましょう。
No | 関係性 | 目的 | 代替可否 |
---|---|---|---|
1 | 共通の好きなものがある | 共通点を持つことで関係性を強める | △(部分的に可能) ・知識量が多くどんなネタにも対応できる ・好きなものという概念の共感は不可能(*1) |
2 | 体験を一緒に共有する | 体験を共有することで、体験により大きな価値を持たせる | △(部分的に可能) ・物理的な体験の共有は不可能 ・思考を必要とする問題解決への取り組みは共有可能 |
3 | 好きなものについて語り合う | 意見交換することで、新たな視点や発見を得る | ○(可能) ・豊富な知識による対話が可能 ・多様な視点の提供が可能 |
4 | 身近に起きたことの話をする | 経験を共有することで、喜びを増幅したり悲しさを抑える 自身のことをより深く知ってもらう |
△(部分的に可能) ・対話自体は可能 ・感情の共有や記憶の継続は困難 |
5 | 身近に起きたことの話を聞く | 相手の経験や感情に共感し、そこから知識を得る 相手のことより深く知る |
×(不可能) ・生成AI自身は経験を持ち合わせていないため会話不可能(*1) |
6 | ただ一緒に過ごしているだけでも安心感がある | 信頼関係により、精神的な安定をもたらす | △(部分的に可能) ・何をしても関係が切られることはない ・本質的な信頼関係の構築や安心感の提供は不可能 |
*1 実際に生成AIに問いかけてみたが、自分はAIだから経験や感情を持つことはないと回答された
4. まとめ
さて、結果についてどう思いましたか?
「友達」との、どのような関係性を重視するかで結果の受け取り方は変わりそうですね。
個人的には、ゲームを一緒にプレイすることができないこと、生成AIは基本的に受け身のコミュニケーションとなる部分を物足りなく感じました。
そのため、私個人の見解としては 「(まだ)生成AIは友達と代替不可能な存在である」 と結論付けさせていただきます。
ですが、思ったよりも「友達」という存在として受け入れられる領域に近づいているなと驚きました。
今後も生成AIの進化から目を離さず、真の「友達」となりうる日が来ることを待つことにします。
そして、残された数少ない「友達」に感謝の気持ちを持って日々を過ごそうと心に決めました。
おわり